イケメンくんが、私の弟になってるんだが、どうすれば!?
(これまで、.......母さんが、子持ちの人と再婚すると言ったんだが!?)
「で、どういうこと?」
「えーとね。仕事の関係で、フリーライターと会うことになってそれが渚さん
だったのよ。それで、仲良くなって結婚しようってことになって.......。」
「そこじゃない。子持ちだってこと。」
「えー?別に、問題ないじゃない。こっちだって子持ちだよ〜。」
いつものように、のんびりした口調で言った。
「いいんだよ。凛子さん。反対ならそれで。莉愛さんも、ごめんね。」
「渚さん。いいのよ。私、絶対結婚するんだから。」
バカップルだ............。
「ごめんね。父が色々と。」
「いえ、こちらこそ。母が多大なるご迷惑をおかけしました。」
「あはは、硬いよ。」
そう言って、雷さんは笑った。
「あの、お二人は、納得してるんですか?再婚のこと........。」
一番気になっていたことを聞いた。
「まぁ、僕達を思ってのことだしね。」
「...........そうだね...........。」
黒髪に黒い服の人がボソッと言った。
背は、私よりちょっと小さいから、雷さんのほうが年上のようだ。
「あっまだ紹介してなかったね。この子は、僕の弟で準だよ。すっごい人間嫌いなんだ。」
「...................。」
「私は、木佐野莉愛。よろしく、」
「......父の再婚は.....構わないけど....僕は、馴れ合うつもりはないよ。」
小さいが、はっきりと言った。
「本当に、人間嫌いなんだねー。ただ、妹とは仲良くしてくれない?」
「断る。」
「準! そんなに強く言っちゃだめでしょ。」
雷さんは、お母さんのようだ。
それで、何となくこの家族は母親が、いないから大変だったんだなと思った。
私の場合は、父親がどんな人だったかは覚えているだけど、いない方がいいような人だったから、別にいなくていいとは思うけど、少し寂しくなるときがある。
この家族も、似たような感情があるのだろう。
「分かった。再婚を認めよう!」
「本当かい!?」
「やったー」
ただ、この三十代後半の二人がバカップルをやるのは、解せない。