こっちを向くな赤葦京治
[太字]友達できるかな[/太字]
○○side
授業を真面目に聞いていたものの
見事なまでに内容が全く分からなかった。
さすが私。びっくりするほど理解力ない。
だから誰かに教えてもらいたかったんだけど…
残念ながら友達のいない私には
頼る人のレパートリーがない。
そう。赤葦しかいない!
だからさっきみたいに気まずくなっても
赤葦以外話す人いないから避けようがないんだよね。
とりあえず赤葦が近くに来るまで待機だ。
いま赤葦はクラスメイトと
話をしているから声をかけれない。
これは私が声をかけることに
チキってるわけではない。
赤葦がまだ話してるから、それだけ。
そう、チキってない。
・
数分待ってやっと赤葦が動いた。
普段だったら絶対に声をかけないが
今は恥を捨てて赤葦に声を掛ける。
『赤葦〜』
赤葦「なに?」
赤葦は私の呼びかけに足を止めて
今は誰もいない私の隣の席へ座った。
『さっきの授業のこれってさ』
赤葦「ごめん全く聞いてなかった」
まだ言い切れてないのに聞いてなかったとは?
『は?だからさっきの授業の…』
赤葦「聞こえなかったわけじゃないよ。そんなに耳悪くない」
都合の良い耳はついてるけどね。
『じゃあなに聞いてなかったの』
その質問に赤葦はキリッとした顔をする。
赤葦「授業まるごと全ぶ__」
『ちょっとだまれバカ葦京治』
聞いてないならキリってするな。
赤葦「ぼっち○○、誰を頼るのでしょうか。」
『やばいまじで頼る人がいない』
赤葦「なに言ってるの俺がいるよ」
『もうお前には用済みだよ』
赤葦「メンタル崩壊」
『してるようには見えない』
赤葦「ショック受けた」
『それも見えないかな』
赤葦「あ、あの人に聞くのは?」
赤葦の目線の先には
一匹狼な美人委員長、佐々木さんがいた。
普通に考えて私ごときが話しかけていい人間じゃない。
赤葦は私を精神的苦痛で殺そうをしてるのか?
『死ねと?』
赤葦「大丈夫だよ」
『怖いって。大丈夫な根拠は?』
赤葦「根拠なんてないけど?」
『死ね』
赤葦「まあとりあえず聞いてきなよ」
赤葦が私を無理やり立たせる。
何をするかはだいたい察した。
『やめてやめて私達マブダチでしょ』
赤葦「当たり前なこと言わないでよ」
『それに私めちゃめちゃにコミュ障なんだけど』
赤葦「当たり前なこと言わないでよ」
しびれを切らしたのか赤葦は
私の腕を力強く掴んで佐々木さんのいる方へ歩き出した。
『ちょっと待って赤葦っ、』
赤葦「もう着くから無理」
『話聞けって』
・
そうこう言っているうちに
もう佐々木さんの席は目の前。
佐々木さんの長めの前髪から
鋭い目つきがのぞいて私をとらえる。
佐々木「…なにか用?」
『えと、あの…』
私の歯切れの悪い喋りで苛立たせてしまったのか
ただでさえ鋭い目つきがさらに鋭くなった。
びくりと震え上がった私は
『さっ佐々木さんてさっきの授業聞いてましたか?』
佐々木「へ?何言って…」
佐々木さんにとって当然なことを聞いてしまった。
赤葦「うちの○○がすみません」
『は?』
赤葦「え?」
佐々木「な、に言ってんの?授業聞くなんて当たり前でしょ…え?」
信じられないとでも言うような顔で
”当たり前”と言い放つその言葉にぐさっとくる。
『えと…私さっきの授業分からなくて』
呆れた顔の佐々木さんは
眉間にシワを寄せて私を見る。
そして噛みしめるようにこう言った。
佐々木「馬鹿なの?」
あれ、私って馬鹿だったんだ
赤葦「何びっくりしてるの。当たり前でしょ」
『喋るな。それに赤葦も分かってないでしょ』
佐々木さんは大きくため息を付いて
私と赤葦を交互に見つめる。
佐々木「夜久さんはともかく赤葦さんまで…」
夜久さんはともかくとは。
私って真面目に見えないタイプの陰キャなの?
○○side
授業を真面目に聞いていたものの
見事なまでに内容が全く分からなかった。
さすが私。びっくりするほど理解力ない。
だから誰かに教えてもらいたかったんだけど…
残念ながら友達のいない私には
頼る人のレパートリーがない。
そう。赤葦しかいない!
だからさっきみたいに気まずくなっても
赤葦以外話す人いないから避けようがないんだよね。
とりあえず赤葦が近くに来るまで待機だ。
いま赤葦はクラスメイトと
話をしているから声をかけれない。
これは私が声をかけることに
チキってるわけではない。
赤葦がまだ話してるから、それだけ。
そう、チキってない。
・
数分待ってやっと赤葦が動いた。
普段だったら絶対に声をかけないが
今は恥を捨てて赤葦に声を掛ける。
『赤葦〜』
赤葦「なに?」
赤葦は私の呼びかけに足を止めて
今は誰もいない私の隣の席へ座った。
『さっきの授業のこれってさ』
赤葦「ごめん全く聞いてなかった」
まだ言い切れてないのに聞いてなかったとは?
『は?だからさっきの授業の…』
赤葦「聞こえなかったわけじゃないよ。そんなに耳悪くない」
都合の良い耳はついてるけどね。
『じゃあなに聞いてなかったの』
その質問に赤葦はキリッとした顔をする。
赤葦「授業まるごと全ぶ__」
『ちょっとだまれバカ葦京治』
聞いてないならキリってするな。
赤葦「ぼっち○○、誰を頼るのでしょうか。」
『やばいまじで頼る人がいない』
赤葦「なに言ってるの俺がいるよ」
『もうお前には用済みだよ』
赤葦「メンタル崩壊」
『してるようには見えない』
赤葦「ショック受けた」
『それも見えないかな』
赤葦「あ、あの人に聞くのは?」
赤葦の目線の先には
一匹狼な美人委員長、佐々木さんがいた。
普通に考えて私ごときが話しかけていい人間じゃない。
赤葦は私を精神的苦痛で殺そうをしてるのか?
『死ねと?』
赤葦「大丈夫だよ」
『怖いって。大丈夫な根拠は?』
赤葦「根拠なんてないけど?」
『死ね』
赤葦「まあとりあえず聞いてきなよ」
赤葦が私を無理やり立たせる。
何をするかはだいたい察した。
『やめてやめて私達マブダチでしょ』
赤葦「当たり前なこと言わないでよ」
『それに私めちゃめちゃにコミュ障なんだけど』
赤葦「当たり前なこと言わないでよ」
しびれを切らしたのか赤葦は
私の腕を力強く掴んで佐々木さんのいる方へ歩き出した。
『ちょっと待って赤葦っ、』
赤葦「もう着くから無理」
『話聞けって』
・
そうこう言っているうちに
もう佐々木さんの席は目の前。
佐々木さんの長めの前髪から
鋭い目つきがのぞいて私をとらえる。
佐々木「…なにか用?」
『えと、あの…』
私の歯切れの悪い喋りで苛立たせてしまったのか
ただでさえ鋭い目つきがさらに鋭くなった。
びくりと震え上がった私は
『さっ佐々木さんてさっきの授業聞いてましたか?』
佐々木「へ?何言って…」
佐々木さんにとって当然なことを聞いてしまった。
赤葦「うちの○○がすみません」
『は?』
赤葦「え?」
佐々木「な、に言ってんの?授業聞くなんて当たり前でしょ…え?」
信じられないとでも言うような顔で
”当たり前”と言い放つその言葉にぐさっとくる。
『えと…私さっきの授業分からなくて』
呆れた顔の佐々木さんは
眉間にシワを寄せて私を見る。
そして噛みしめるようにこう言った。
佐々木「馬鹿なの?」
あれ、私って馬鹿だったんだ
赤葦「何びっくりしてるの。当たり前でしょ」
『喋るな。それに赤葦も分かってないでしょ』
佐々木さんは大きくため息を付いて
私と赤葦を交互に見つめる。
佐々木「夜久さんはともかく赤葦さんまで…」
夜久さんはともかくとは。
私って真面目に見えないタイプの陰キャなの?