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こっちを向くな赤葦京治

#3

二話

[太字]知らないままでよかった[/太字]




○○side



『おはようです』



赤葦「あれ、俺には挨拶してないけど」



『当たり前じゃん』




赤葦に挨拶を返す世界線があってたまるか。




赤葦「おはよ」



『え、いつも返事してないでしょ』




割とガチめに動揺した。
いつも返事しなくても
大して気にしてないのに。




赤葦「知ってる。おはよ」



『学習できないタイプの人?』



赤葦「○○よりはできるよ」



『喋んな』



赤葦「おはよう」



『…えーコレ返事しないと会話してくれないやつ?』




それはすこし、ほんのすこーし嫌だな。
会話してくれなかったら実質登下校中ぼっちだし。




木兎「おいおいあかーし!しつこい男は嫌われっ…!!」



( ぱぁん



木葉「うるせえ!今の赤葦を刺激するな爆発するぞ!」



木兎「痛ぁっ!えっバクハツぅ!?」



『赤葦なんて爆発してそのまま死ねばいいのに』




あっしまった本音が。
不安に思ってちらりと赤葦を見ると
特に気にしてない様子でホッとした。




赤葦「…うん返事しないと普通の会話しない」



『だる』



木葉( いつものあれが普通の会話…? )



赤葦「めっちゃ泣いた」



『めっちゃ真顔』



赤葦「おはよう」



『うざ………っ……お、おはよ、う』



木葉「だいぶ溜めたね。それと顔すごい事なってるけど」



『そりゃそうです。言いたくないですもん』



赤葦「悲しんだ」



『悲しんだとは』






















木兎「[小文字]ぬわあぁぁ!?なにすんだ木葉ぁ![/小文字]」



木葉「[小文字]ここは1年生の棟でしょうが[/小文字]」




木兎さんは木葉さんに強制連行された。


あとシンプルに思うんだけど入部して2ヶ月で
先輩らとこんなに仲良くなるものなの?




赤葦「じゃあ教室行くよ」




突然ぐっと制服の裾を引っ張られる。
もちろんよろけた。




『ぐへぇっ』



赤葦「もうちょっと可愛い声出せないの」



『そのままでもかわいいでしょ』




あ、やばいコレ。恥ずかしすぎて吹き飛びそう。




赤葦「…」



『無視?さっきの結構恥ずかったんだけど、』



赤葦「行くよ」



『え ひどくない?』



赤葦「○○の頭のほうがよっぽどひどいよ」



『口を開くなゲスが』




かわいいくらい言ってくれて良くない?
まあ言われたら言われたで多分鳥肌立つけど。




赤葦「あ、そういえば学校もクラスも同じで最高だね」




もう入学から2ヶ月は経ってるのに
クラス同じとか知らなかったんだけど。




『ちょ、先生に土下座決め込んでくる』



赤葦「そんなに喜ばなくても大丈夫だよ」



『赤葦って実は頭悪いんじゃないの』



赤葦「頭悪いのは○○でしょ」



『喋るな』




最初の席は名簿順で並ぶから
赤葦は”あ”から始まって私は”や”からだから
席が遠くて分からなかったってことか。


…知らないままでいたかった。




















赤葦「○○って何が苦手だっけ」



『赤葦』



赤葦「そうじゃない。勉強のこと」



『それなら生物と古典。なに、教えてくれるの?』



赤葦「聞いただけだよ。期待した?」



『死ね』




冷静に考えてまずこいつが優しいわけがない。
間違いはそこからだったか。




赤葦「中学も古文とか生物系苦手だったしね」



『覚えてるんだ』



赤葦「だってテスト災難だったじゃん。あれは印象的だったな」




すごく嫌な予感がした。




『点数は言うな』



赤葦「まだ言ってない」



『まだって言うな』



赤葦「じゃあ俺なに話せばいいの」



『一生喋んなくていいよ』



赤葦「ひどすぎて悲しい」



『日本語どうした』




今日は授業を受けるのが憂鬱。
それはもちろん赤葦の存在を知ってしまったからだ。








2024/04/20 20:18

muta ID:≫ipQfoJGWoroSQ
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