次の料理が来た。次は…サラダだ。サラダと言っても、いいドレッシングがかかっていて美味しい。サラダも色とりどりでカラフル。これこそ栄養満点だと思う。

ケイク『うわぁ〜！レインボーだね！』

ヘアンナ『そうですわね！これも栄養満点ですの！ここの料理人は、栄養のことを深く考えてらっしゃるのかしら。』

ケイク『多分そうだよ！僕の専属の料理人はいつも僕に甘やかして肉料理をたくさん作るから…。それに釣られる僕も悪いんだけどね！』

ヘアンナ『ケイクの料理人はきっと、優しいと思いますよ！』

サラダを食べ終わったあと、次の料理が来た。魚…fishだった。私は魚が好きなので、楽しみにしていた。

ケイク『これは！「ポワソン」じゃないか！』

ヘアンナ『ポワソン？』

ケイク『知らないの？ポワソンは、魚を使った料理のことで、肉料理を食べる前に食べる料理だよ。すっごく美味しいよ！』

お金持ち用語みたいなのが出現して混乱したが、すぐに理解した。ルート様も、ポワソンをゆっくり食べてらっしゃる。ユーマは…、なんか顔怖い…。

ポワソンも食べ終わった後、次はお肉料理かぁ〜！と思っていたら、シャーベットが出てきた。え、シャーベット？それって食後のデザート…、と思っていたら、ケイクが話し始めた。

ケイク『シャーベットは、口直しのためにあるんだ！口の中をすっきりとさせてくれるよ！』

ヘアンナ『そ、そうなんですの！？てっきりデザートかと…』

ケイク『そんなことないって！あれ、お嬢ちゃんはコース料理初めて？』

そんなこと私に言われてもわかんないよ〜！でも多分食べたことある…よね？私は自信なさげに言った。

ヘアンナ『[小文字][小文字][小文字][小文字][小文字]多分[/小文字][/小文字][/小文字][/小文字][/小文字]食べたことありますわ〜！』

ケイク『そっか〜！』

危ないですわ。しっかりとヘアンナ様を演じないといけないのに、嘘をついてしまっていたらどうしよう。

シャーベットを食べた後、ついに肉料理が来た。

ケイク『うわぁ！ヴィアンドだ！』

ルート『ほ、ほんとだ…！』

恐らくヴィアンドは肉料理のことだろう。あえて聞かないでおこう。肉料理は、フルコースの最大の見せ場。とても美味しそう…

パクっ。私は肉料理を食べた。めちゃくちゃ美味しい…。転生する前の肉より美味しい…ここで、幸せを感じることができた。

ヘアンナ『まあ！これこそフルコースの最大の見せ場！言葉に言い表せないぐらい美味しいですわ〜！！』

ケイク『よかったね！僕もすっごく美味しいと思う！』

肉料理を食べた後、最後の料理だろうか、デザートがやってきた。

ケイク『おっ、デセールだ！』

多分デザートのことだろう。聞かないでおこう。

ケイク『う〜ん！実に美味しい。今日はありがとう！お嬢ちゃん！』

ケイク『あれ、お嬢ちゃん。お名前を聞くのを忘れていたね。お嬢ちゃん、お名前は？』

そういえば、ケイクからは教えてもらったのに私は名乗ってなかったかしら。失礼失礼。名乗ってもらったのに返さなかったなんてお嬢様失格になっちゃうじゃない。礼儀がなってない。

ヘアンナ『ヘアンナ・ペペロンチーノですわ！また会えたら嬉しいですわね！』

ケイク『僕も！今度僕の城でパーティーやるけど、良かったらおいで！招待してあげる。』

ヘアンナ『もちろん行きますわ！』

デザートを食べ終わった後、お食事会は解散した。

私も早く帰ろう。私のメイドと執事が待っていたので、会場から立ち去ろうとすると、
「ヘアンナ、ヘアンナ！」と呼ばれた。誰だろうと振り向いてみると、ユーマだった。

ヘアンナ『あら、ユーマ！どうしたのかしら？』

ユーマ『ヘアンナ、おいで。』

私が連れてかれた場所は、広い空間、ベッドや机があるし、ユーマの部屋かな？なんで連れてかれたんだろうと思いながら、私はユーマの話を聞いた。

ユーマ『ねえヘアンナ。今日のお食事会、僕をほったらかしにしたよね。』

ヘアンナ『え？ほったらかし…？』

そういえば、今日のお食事会はユーマとあまり話していなかったかもしれませんわね。主催の人に絡むのは当然のマナーみたいなものなのに…。今日はケイクとお話ししてて全然ユーマのこと考えてなかった。

ユーマ『僕はね、君が[太字]好き[/太字]なんだよ。ヘアンナは僕のこと好き？』

ヘアンナ『え？でもユーマにはルート様が…』

ユーマ『僕はルートのことなんてどうでもいいんだよ。』

ユーマ『ヘアンナが好き。僕の妻はヘアンナがいい。ヘアンナはケイクが好きなの？あんなチャラい男を選ぶなよ。』


ユーマ『僕は何をしてでもヘアンナを[太字]僕の物にするんだ[/太字]。』

ユーマ『それだけ愛が強いってことだよ、ヘアンナ。』


ユーマは私の体をベッドの上に乗せた。力が強くて反抗できなかった。もしかしてこれって…

やばい！と思って逃げようとするが、ユーマの力は強い。

私は狙われている？私って悪役令嬢のはず…。

その時だった。

[太字]ガチャン！[/太字]

ドアの開いた音がした。


ルート『ユーマ…、って、ヘアンナ様…？』

ユーマ『ルート…。』

ルート様が入ってきた瞬間、私はどうなるかわからなかった。