[明朝体][太字][太字]"最初の"[/太字][/太字]一撃を加え、地上人を怯え立たせろ‼‼
ではまずは政府高官に直接爆破予告を仕掛ける。

地上のサイトにアクセスし、やつらを直接脅しつける。

「ブルーノ、原稿はどこだ？」

「そこの棚にある。」

ブルーノが指をさしたのは、真新しい機械仕掛けの戸棚だった。彼曰く、予告原稿は２段目の金庫に入っているという。

パスワードを打ち込み、軍人のみが所持する水色のキーカードをかざすと、糸で綴じられた一冊の薄冊が出てきた。そこには、『R.T.U.』のロゴと巨大ハンコで押したであろう『最高機密につき皇帝の許可ない者の閲覧を禁ずる』の文字があった。

さっそく電話だ。もし所在地がばれた所で、こちらは大西洋の大陸から何百kmも離れた地点の海底だ。それに大陸を守る重厚な警備を、たかが地上人が突破出来る訳がない。

そう思いながら、私は国会に電話を掛ける。もう爆弾は腕利きが設置しているから、やろうと思えばいつでも可能だ。

「はい。こちら内閣府です。ご用件は…」
地上のナントカ府など気にせず、私は原稿を読む。

「我々はアトランティス帝国陸軍省所属組織『R.T.U.』の長官、レオノール・ド・レーグルだ。只今、私の部下が永田町一帯の国会議事堂、首相官邸、最高裁判所、その他各省庁に爆薬を仕掛けた。日本時間明日午後1時になった際、東京に巨大な花火が打ちあがるだろう。もし、止めてほしければ、我々の仲間、レムリア王国の従属国として、海底人の地上光復運動の歯車になってもらう。」

電話の向こうがざわついている。勿論、いきなり爆破予告が届いたら我々だってビビる。

「さあ、選べ‼要求を吞まず、日本国の心臓が爆破された後は、地上侵攻だ‼」
アドリブで最後は言ってしまったが、地上人を従わすためなら、これ位言っても意味があるだろう。

～一方その頃、地上の日本政府は、大混乱に陥っていた。～
爆破予告によって、一部の極右や極左による暴動が発生し、東京では極右・極左が警備隊と衝突し、催涙ガスの投擲や装甲車とデモ隊の衝突などが発生し、全国区のみならず、世界中で放送されていた。世界の陰謀論者などは、SNS等で『日本の終焉』『幻の海底文明、実在か⁉』『ラグナロクの訪れ』『神の怒り』等とつぶやき、混乱を招いていた。
～世界は、完全にアトランティス帝国の掌の上で踊らされた～

そして、運命の午後1時になり、レオノールは手元の重厚感あるレバーを手前へ向けて傾けた。レバーが傾き切ったその瞬間…

ゴォーン…

地上のテレビは、その瞬間を捉えた。まばゆい閃光と共に東京の美しい初夏の風景が、多くの人々が、歴史的建造物が、政府の建物、大学、映画館、劇場、デパート、そのほかの娯楽施設や商業施設が、爆風によって薙ぎ飛ばされ、火に焼かれる光景を…[/明朝体]

[太字][大文字]地上の民よ‼これが我々の力、そして最強の兵器、反物理爆弾だ‼[/大文字][/太字]

[小文字][小文字][明朝体]~別記~
後の調査によると、この爆発で関東平野が焦土と化し、関東地方の人口約4300万人の内600万人近くが即死、1300万人が爆発後数時間~数日で死亡し、残る約2400万人以上が重軽傷を負った。また、この爆発の影響で大規模な火災や津波が発生、前者によって多摩地域を除く東京都心一帯、埼玉県南部、神奈川県北東部、千葉県西部と北部が火の海となり、また後者はハワイで7m、イギリス沿岸部でも50cmを観測する大津波となった。
また、海外の科学者チームが分析した所、午後1時00分05秒に永田町で爆発が発生し、爆発地点から約60km離れたつくば市にて午後1時00分06秒時点でマッハ6の爆風を観測したと発表した。
更に爆風は山を越え、東京から400km以上離れた大阪市淀川区でも最大26m/sの突風を観測した。[/明朝体][/小文字][/小文字]