【完結済み】漆黒の大賢者様
ウトト『たまには頼りなさい。わたくし、助けに来ましたわ〜!』
ランヌ『忙しいことやるより、アリスちゃん守ることが一番大切だろ?』
突然すぎて困惑したが、忙しかったと電話で言っていた『ウトト・マーシャリア』『ランヌ・ディアンセル』がやってきた。Sランクで有能な人材である。
ウトト『あら、でもフワリがやられてしまったのかしら。それじゃあ勝ち目はないのかしらねぇ…。』
ランヌ『何言ってんだよ。俺とお前がいれば、最強だろ?純白の大賢者もいるわけだしさ。』
ウトト『Sランク定期会議で一番弱者なあなたに言われたくありませんわ!』
ランヌ『ぐえ。』
ランヌは苦笑いしたが、すぐに切り替えて私を見た。ランヌは無属性が得意だ。吸い込まれそうな目をしている。
ランヌ『そうか、問答無用で攻撃されたか。』
ランヌは感情や心を読み取ることが得意だ。というか、幼年時代の頃から得意だ。
昔のこと、大規模な戦争で、ディアンセル財閥が消滅した。原因は、戦死。
だが、奇跡的にディアンセル財閥の御曹司『ランヌ・ディアンセル』は生存。
この広い異世界で戦争なんてちっぽけだが、その戦争は多くの国を巻き込んだ。
ランヌは敵に捕まっていたが、逆らったり、闘ったりしたせいで、戦争最中に硬い金属で同じ頭の箇所を何回か打ち、その衝撃で脳に大きな傷を負った。
そのせいで、ランヌの脳の感覚野が異常発達し、怒涛の人の感情や心がランヌの脳を襲った。
安定剤を毎日常用し、魔法がかけられた度が強いコンタクトや情報を跳ね返すピアスをつけて、症状を抑えている。今も。
アリス『ええ。言葉でわかってくれると思って、さっき手を伸ばしたのだけれども。』
ランヌ『こりゃ酷え。ついさっきまで友人と思ってたやつに裏切られたってことか?』
アリス『ヒューイが漆黒の大賢者になったせいよ。多分彼は前漆黒の大賢者に体も心も襲われてる。』
私は自分なりの予想をランヌに言った。ランヌは興味深そうに私の目をじっと見つめる。こうすることによって、特定の相手の情報だけを読み取ることができるらしい。
相手をじっと見つめないと、情報を読み取ることは難しい。だが、安定剤を常用せず、コンタクトやピアスを外した時は例外だが。
ランヌ『仕方ねえ。ウトト、お前の光属性の魔法でなんとかなんねえのかよ。』
ウトト『私を都合よく使わないでいただける?』
ヒューイ『完全に僕のこと忘れてるよね3人とも。』
ランヌ『ああ…。そうだったな、名前は出てたのにすっかり忘れちまってたよ。』
ヒューイ『アリスを素直に引き渡してもらえれば、何もしないし傷つけやしないよ。』
ヒューイは笑った顔で私たちにそう言った。ランヌやウトトは、フワリよりは強くないが、二人がそろえば何かしらしてくれる気がする。私はそう思った。
ヒューイが何を企んでいるのか知らないし、それが意志なのかも未だにわからないが、それでも私はいつものヒューイが戻ってきてくれると願っている。
ランヌ『はあ…相手が何を考えてんのか全然わかんねえし、何してくるかもわかんねえよ…。』
ウトト『全く。重要な時に使えない能力なのよね…。』
ランヌ『そんなこと言うなよ。俺はこの先ずっと、この症状とずっと付き合っていかないといけないんだぞ…。』
ウトト『仕方ないですわね。あなた!ウトト・マーシェリアとランヌ・ディアンセルがお相手いたしますわ!』
ヒューイ『…おかしいな…。ディアンセル財閥は、[下線]だいぶ前に関係者全員死亡[/下線]したはずだが…、生き残りなんていたか?』
…!!
私はその時確信した。ヒューイがこのことを知っているとも思えない。
そもそもヒューイとランヌの歳の差は大きい。ヒューイはまだ未成年だけれども、ランヌは20代後半と、ヒューイより歳上だ。
ランヌが、まだ幼い頃だったから、この情報を知っている可能性は低い。
ランヌ『…』
ランヌも驚いているのか、黙ってヒューイを見ている。そしてウトトが急に大きな声を出してヒューイに声をかけた。
ウトト『ごちゃごちゃうるさいですわね!!あなたはそんなこと言う必要ありませんわ!!』
ウトト・マーシェリアは、マーシェリア家のお嬢様。お嬢様でありながら、魔法を淡々と使う。そしてSランクという偉業を達成した。
ランヌとは違って、過去も綺麗で未来も綺麗だ。両親も海外で仕事をしたりしているらしく、特に暗い過去というものはない。
だからこそ、ランヌが傷つかない様に、ディアンセル財閥の話をヒューイにさせないようにしているのだと思う。
ウトト『光属性・flashing』
ヒューイ『漆属性…』
!!
アリス『ウトト避けて!!』
ウトト『!』
ヒューイ『爆発』
ドカーン!!!
相変わらずの爆発音だ。耳がいつか壊れてしまいそうだ。耳栓がほしくなる。煙が上がっていて、ウトトが生きているか確認できない…。
煙が消えかかったときだ。ウトトの髪の毛が見えた。そして煙がなくなった時、ウトトは生きていた。まだ立ち上がっている。
ヒューイ『へえ。僕の漆属性の魔法を避けたのは、これで二人目だよ。』
ランヌは爆発の範囲内に入っていなかったので無傷だ。だが、ウトトは綺麗な顔から血が出ていたり、何箇所か美しい服が破れている。燃えている場所も少しながらある。
その時だった。後ろから殺気を感じた。
ランヌ『…よくもウトトを傷つけたな…。』
まるでそれはウトトを守っていたかのような発言だった。
そのとき、ランヌは自分のピアスを取った。コンタクトは既に取れていたのである。
ランヌ『忙しいことやるより、アリスちゃん守ることが一番大切だろ?』
突然すぎて困惑したが、忙しかったと電話で言っていた『ウトト・マーシャリア』『ランヌ・ディアンセル』がやってきた。Sランクで有能な人材である。
ウトト『あら、でもフワリがやられてしまったのかしら。それじゃあ勝ち目はないのかしらねぇ…。』
ランヌ『何言ってんだよ。俺とお前がいれば、最強だろ?純白の大賢者もいるわけだしさ。』
ウトト『Sランク定期会議で一番弱者なあなたに言われたくありませんわ!』
ランヌ『ぐえ。』
ランヌは苦笑いしたが、すぐに切り替えて私を見た。ランヌは無属性が得意だ。吸い込まれそうな目をしている。
ランヌ『そうか、問答無用で攻撃されたか。』
ランヌは感情や心を読み取ることが得意だ。というか、幼年時代の頃から得意だ。
昔のこと、大規模な戦争で、ディアンセル財閥が消滅した。原因は、戦死。
だが、奇跡的にディアンセル財閥の御曹司『ランヌ・ディアンセル』は生存。
この広い異世界で戦争なんてちっぽけだが、その戦争は多くの国を巻き込んだ。
ランヌは敵に捕まっていたが、逆らったり、闘ったりしたせいで、戦争最中に硬い金属で同じ頭の箇所を何回か打ち、その衝撃で脳に大きな傷を負った。
そのせいで、ランヌの脳の感覚野が異常発達し、怒涛の人の感情や心がランヌの脳を襲った。
安定剤を毎日常用し、魔法がかけられた度が強いコンタクトや情報を跳ね返すピアスをつけて、症状を抑えている。今も。
アリス『ええ。言葉でわかってくれると思って、さっき手を伸ばしたのだけれども。』
ランヌ『こりゃ酷え。ついさっきまで友人と思ってたやつに裏切られたってことか?』
アリス『ヒューイが漆黒の大賢者になったせいよ。多分彼は前漆黒の大賢者に体も心も襲われてる。』
私は自分なりの予想をランヌに言った。ランヌは興味深そうに私の目をじっと見つめる。こうすることによって、特定の相手の情報だけを読み取ることができるらしい。
相手をじっと見つめないと、情報を読み取ることは難しい。だが、安定剤を常用せず、コンタクトやピアスを外した時は例外だが。
ランヌ『仕方ねえ。ウトト、お前の光属性の魔法でなんとかなんねえのかよ。』
ウトト『私を都合よく使わないでいただける?』
ヒューイ『完全に僕のこと忘れてるよね3人とも。』
ランヌ『ああ…。そうだったな、名前は出てたのにすっかり忘れちまってたよ。』
ヒューイ『アリスを素直に引き渡してもらえれば、何もしないし傷つけやしないよ。』
ヒューイは笑った顔で私たちにそう言った。ランヌやウトトは、フワリよりは強くないが、二人がそろえば何かしらしてくれる気がする。私はそう思った。
ヒューイが何を企んでいるのか知らないし、それが意志なのかも未だにわからないが、それでも私はいつものヒューイが戻ってきてくれると願っている。
ランヌ『はあ…相手が何を考えてんのか全然わかんねえし、何してくるかもわかんねえよ…。』
ウトト『全く。重要な時に使えない能力なのよね…。』
ランヌ『そんなこと言うなよ。俺はこの先ずっと、この症状とずっと付き合っていかないといけないんだぞ…。』
ウトト『仕方ないですわね。あなた!ウトト・マーシェリアとランヌ・ディアンセルがお相手いたしますわ!』
ヒューイ『…おかしいな…。ディアンセル財閥は、[下線]だいぶ前に関係者全員死亡[/下線]したはずだが…、生き残りなんていたか?』
…!!
私はその時確信した。ヒューイがこのことを知っているとも思えない。
そもそもヒューイとランヌの歳の差は大きい。ヒューイはまだ未成年だけれども、ランヌは20代後半と、ヒューイより歳上だ。
ランヌが、まだ幼い頃だったから、この情報を知っている可能性は低い。
ランヌ『…』
ランヌも驚いているのか、黙ってヒューイを見ている。そしてウトトが急に大きな声を出してヒューイに声をかけた。
ウトト『ごちゃごちゃうるさいですわね!!あなたはそんなこと言う必要ありませんわ!!』
ウトト・マーシェリアは、マーシェリア家のお嬢様。お嬢様でありながら、魔法を淡々と使う。そしてSランクという偉業を達成した。
ランヌとは違って、過去も綺麗で未来も綺麗だ。両親も海外で仕事をしたりしているらしく、特に暗い過去というものはない。
だからこそ、ランヌが傷つかない様に、ディアンセル財閥の話をヒューイにさせないようにしているのだと思う。
ウトト『光属性・flashing』
ヒューイ『漆属性…』
!!
アリス『ウトト避けて!!』
ウトト『!』
ヒューイ『爆発』
ドカーン!!!
相変わらずの爆発音だ。耳がいつか壊れてしまいそうだ。耳栓がほしくなる。煙が上がっていて、ウトトが生きているか確認できない…。
煙が消えかかったときだ。ウトトの髪の毛が見えた。そして煙がなくなった時、ウトトは生きていた。まだ立ち上がっている。
ヒューイ『へえ。僕の漆属性の魔法を避けたのは、これで二人目だよ。』
ランヌは爆発の範囲内に入っていなかったので無傷だ。だが、ウトトは綺麗な顔から血が出ていたり、何箇所か美しい服が破れている。燃えている場所も少しながらある。
その時だった。後ろから殺気を感じた。
ランヌ『…よくもウトトを傷つけたな…。』
まるでそれはウトトを守っていたかのような発言だった。
そのとき、ランヌは自分のピアスを取った。コンタクトは既に取れていたのである。
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