青い青年『純白の大賢者様の強さ、教えてほしいな？』

…やはり既に私の正体はバレていたのか…。


アリス『…その情報はどこで？』

青い青年『やはりあの学園内での大会が大きかったね。君のことが気になって、僕は調べた。でも君に関する情報は大会しか出てこなかった。』

[中央寄せ][太字]『"フェリアルト"だったらね。』[/太字][/中央寄せ]

アリス・フェリアルトでの名前は、あまり外部には広めないようにしている、できる限りは。けれどやはりあの大会が痛かったか。少しやり過ぎてしまった。

アリス『…それで、私の本名を調べたと。』

青い青年『ごめんだけど、僕はSランクのことをよく知っているわけじゃないんだ。だから君の名前はすぐに思いつかなかった。』

青い青年『でも次期純白の大賢者様が決まったという手紙での知らせが僕にも来た。その紙には…君の名前があった。』

Sランクには、こういう手紙が配られるらしい。私が次期純白の大賢者なのに、私のところにもその手紙が配られたのを覚えている。

Sランクは約100人しかいない。それに比べて、Aランクは１万人以上はいるだろう。BランクはAランクの２倍ぐらいだろう。…そう、Sランクに昇格するための試験が難しいのだ。その試験には、AランクからSランクを目指す人や飛び級を目指す人らが参加し、人数は１万人程度だ。

青い青年『君とはあったことは一回だけある。Sランクの昇格試験だ。…言えば君と僕は同期みたいなものだよ。あの試験ではたくさんの人がいて、君が僕をみたかは知らない。』

青い青年『君と一回会ったことがあってよかった。…』


青い青年『アリス・フェリアルトには、[大文字][太字]アリス・ファーレイトと同じ気配を感じた[/太字][/大文字]』


青い青年『気配…と言っても特殊なものだ。君の気配を感じ取るには、特別なルートを攻略しないといけない。』

私はできるだけ気配を消していた。でもそれじゃあ気配を感じ取るのが超得意な人に怪しまれるので、少し気配は出しておいた。本当の気配は、たくさんの魔法で気配を隠してね。

青い青年『さあ、話は終わりだ。君はどうする？』

アリス『私はあなたにまだ聞きたいことがあるの。それを聞き出すまでは帰らないわ。』

青い青年『へえ、そう。』

私は大きなジャンプをして青い青年に近づいた。青い青年は、すぐに守備魔法を使おうとしたが、その前に私は魔法を使った。

アリス『雷属性・雷鳴』

青い青年は私が魔法を出した途端に耳を塞いだ。これで隙はできた。あとは…。

アリス『無属性・[漢字]拘束[/漢字][ふりがな]リストレイント[/ふりがな]』


私は青い青年にこれ以上動いたり魔法を使ったりされないように、拘束魔法を使った。

青い青年『…君なら、とっくの前に僕を拘束できたはずだ。そして攻撃が何より早い。』

青い青年『これが純白の大賢者様の力かぁ。』

アリス『さあ聞かせてもらおうかしら。』

青い青年『どうぞなんなりと。』

アリス『あなたと名前は？』

青い青年はその時、驚いた顔で私をみた。私は青い青年をずっと見つめていた。

青い青年『そんなことかい？…、僕は[太字]オルト・ウラヌス[/太字]というよ。』

アリス『アリス・ファーレイトよ。』

青い青年『本当にそんな質問でよかったの？』

私は少し考えた。他に何か質問することがあったかしら。…学園の生徒のことをよく知っているのならば…。できればヒューイのことを…。…漆黒…。

アリス『ヒューイ・アルカネットについて。』

青い青年『…わかったよ。一旦屋敷に戻ろう。』

そう言って、私たちは屋敷に戻った。