【英雄高校生です!】うちの子番外編!
英雄高校のヒーロー科への入試試験は、筆記と実技の二つ。実技試験の詳しい説明は会場で行われるため、どんなことをするかも不明。しかし“個性”を使わなければならないことは明白である。
不明というのは人から不安を引き出し、不安は人を恐怖の陥れる大きな材料だ。それはハイスペック女子の称号を欲しいままにするヴァイオレットも例外ではなかったが、幼少期に自分を誘拐したキチガイサイコパスクソ野郎を思い出したら一瞬で落ち着いた。
経験とは人を恐怖から解放する大切な手段だと思ったヴァイオレットだった。
間話休題
試験会場は受験番号順に並ぶ受験者たちが溢れていた。
「(人が多くて気持ち悪い。)」
そんな事を思ってたら会場の電気が消えてプロヒーローであるプレゼンマイクが現れた。
プレゼンマイクは実技試験の内容をテンション高めに説明する。
ヴァイオレットは大きな声の人は苦手な方だが、不思議と嫌に感じない声音なのでゆっくりと話を聞く。
途中で質問があったりしたがすごく大雑把にまとめると、都会みたいな会場に仮装敵を置くからそいつらを再起不能にしてヴィランポイントとかいうポイントを取ってこい。あと、会場には1匹だけ倒してもポイントにはならない巨大敵ロボット、お邪魔虫ギミックがいる、とのこと。
ジャージに着替えを終えて、バスに揺られて着いた会場は、一つの街と言えるほどの広さだった。高層ビルが並ぶ街が、複数敷地内に存在しているという雄英の土地面積の広さに、誰もが驚いていた。
「ハイ、スタート!」
どこからとも無く聞こえてきたプレゼンマイクの声と共に試験会場の扉は開き、みんな慌てて駆け込んで行った。
大半の受験者が会場に入ったときには既に個性を使っている者、混乱している者、現れる仮装敵と、中々にカオスな状況だった。
ヴァイオレットはそんな周りを見て小さく、本当に小さくため息を吐いてから個性を使用した。
今更だが、ヴァイオレットの個性は花。実際に見た事なくても、花ならどんな花でも出せる。そう、[漢字]どんな[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]花でも出せる。
例えその花が薬草となる花でも、毒となる花でも、花が実在してなくても出す事が出来る馬鹿みたいな個性だ。
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