お互い「だけを忘れた」2人の物語
…ん?何だこの子。俺の住むアパートの前で座り込んで…
「おい、何でこんなとこに座ってるんだ?」
「…へっ?」
俺は声を掛けたんだ。それが全ての始まりだった…。
―――…
「今回の映画も良かったな、泣ける。」
「あはっ、珍しいね褒めるの。でも分かる〜!」
「珍しいって失礼だろ…」
僕は碧井蒼汰(あおいそうた)。ふつーの男子高校生。
今日は何してるか、って?
実は「カノジョ」と映画館デートして、感想を語り合っている所。
彼女の名前は倉本葵(くらもとあおい)。同い年だ。
「…ねね、今度は何見たいっ?私は恋愛映画とか見たいなぁ」
「…嫌だ。それ系は苦手。」
「ふふ、知ってる!からかうと可愛いな〜蒼汰は」
「からかうなよ。帰ろうぜ。遅いし送ってく。」
「やった!じゃあ家まで歩こっか」
事件は、その時に起きたんだ。
[大文字][太字]……キキーッ、ドォンッ…[/太字][/大文字]
「…っ!」
「あら、目覚めた?大丈夫?」
「あ、え…?俺…」
「夜に事故に遭ったのよ。覚えてない?」
「…全く…わからないです」
「でも軽症で良かった。彼女さんが庇ってくれたのかしら」
…カノジョ…?
「誰ですか、それ…?」
「あら、違うの?一緒に歩いてたって聞いたから、勘違いして」
「そう、なんですか…」
…俺に、カノジョなんて居たか…?
いや、でも居なかったらそんな時間に出歩くはずが…
「実はその子、まだ目が覚めてないのよ。重症だったから…」
「どこに、居ますか?」
「結構な怪我だったから、もっと大きな病院に運ばれていったと思うわよ」
「…わかり、ました…」
…俺のカノジョ(と仮定する)は、一体誰だ?
そもそも俺は、誰とも付き合っていないのに…
「おい、何でこんなとこに座ってるんだ?」
「…へっ?」
俺は声を掛けたんだ。それが全ての始まりだった…。
―――…
「今回の映画も良かったな、泣ける。」
「あはっ、珍しいね褒めるの。でも分かる〜!」
「珍しいって失礼だろ…」
僕は碧井蒼汰(あおいそうた)。ふつーの男子高校生。
今日は何してるか、って?
実は「カノジョ」と映画館デートして、感想を語り合っている所。
彼女の名前は倉本葵(くらもとあおい)。同い年だ。
「…ねね、今度は何見たいっ?私は恋愛映画とか見たいなぁ」
「…嫌だ。それ系は苦手。」
「ふふ、知ってる!からかうと可愛いな〜蒼汰は」
「からかうなよ。帰ろうぜ。遅いし送ってく。」
「やった!じゃあ家まで歩こっか」
事件は、その時に起きたんだ。
[大文字][太字]……キキーッ、ドォンッ…[/太字][/大文字]
「…っ!」
「あら、目覚めた?大丈夫?」
「あ、え…?俺…」
「夜に事故に遭ったのよ。覚えてない?」
「…全く…わからないです」
「でも軽症で良かった。彼女さんが庇ってくれたのかしら」
…カノジョ…?
「誰ですか、それ…?」
「あら、違うの?一緒に歩いてたって聞いたから、勘違いして」
「そう、なんですか…」
…俺に、カノジョなんて居たか…?
いや、でも居なかったらそんな時間に出歩くはずが…
「実はその子、まだ目が覚めてないのよ。重症だったから…」
「どこに、居ますか?」
「結構な怪我だったから、もっと大きな病院に運ばれていったと思うわよ」
「…わかり、ました…」
…俺のカノジョ(と仮定する)は、一体誰だ?
そもそも俺は、誰とも付き合っていないのに…