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色がない世界で

#31

さよなら、クズさん

瑞希視点
[明朝体]麗「死んでも犯罪だけは…。」[/明朝体]
ごめんな、麗香。
それは約束できそうにない。
だけど、お前に罪はかぶせない。
僕がずっと調べていた案件だったから。
これを実行しないわけにはいかない。
もう全て壊れたんだ。
今更さらに壊れても問題ない。
もう父親の顔もみれた。
もう後悔はない。
瑞「とりあえず…あいつの家に向かうか。」
弟の母を殺せれば、あいつはきっと…。
でも、”あっち”にいったらビンタされるかもな。
『なんで人なんて殺したんだ。』って。
まぁ、いいや。
もう手にはナイフを持っている。
この手で殺せるんだ。
そう思うと自分自身が怖く感じるのと同時に、やっと殺せるという感情も出てくる。
[太字]まるで自分が自分じゃないようだ。[/太字]
瑞「自分を見失っていいんだ、今だけは。」
そういい、自分の手の中にあるナイフをぎゅっと強く握った。
そして颯太の母親の家へ向かった。

颯太の母親は今、古臭くぼろいアパートにひっそりと暮らしているみたいだ。
今も…臓器を売ってホストに貢いでるとかなんだとか。
どこまでもクズで仕方がない。
もう呆れの領域だ。
そうして、颯太の母親のアパートの部屋へピンポンを押した。
?「はぁーい....。」
返事の声が聞こえた。
その瞬間ドアが開いた。
?「どちら様ですか...?」
その時、無理やりドアをさらに開け部屋へ侵入した。
?「ちょ...!やめてください!なんで勝手に入ってるんですか...!?」
瑞「…貴方の子供のことで話したいことがあります。」
?「まさか…あんた…颯太なの…?」
瑞「いえ、僕は彼の父親、つまり貴方の元夫と血がつながっている人間です。」
?「はぁ…?」
瑞「それと…彼は心臓病で4年ほど前に死にました。」
?「嘘…でしょ…?」
瑞「貴方の息子さんはあの後、施設に預けられましたが自分から逃げ出しました。」
瑞「そして今の今まで生きていました。」
瑞「…貴方は、彼を愛していましたか?」
?「不気味だったわ、ずっとあの子は。でも…もう悪いと思ってる。償おうとしてるの...!だから許して…」
瑞「じゃあ、なぜ今もホストに固執しているんですか?償おうとしてるんだったらまっとうに生きていればいいのに。」
?「それは…」
瑞「やはり人間は変わらないんですね。…さよなら、クズさん。」
ザシュ
彼女の腹にぐっと力をこめ、刺した。
?「…貴方は一体…何者なのよ…。」
瑞「僕は…16年前に失踪していた双子の弟ですよ。」
その瞬間、さらに力をこめ刺した。
瑞「…ねぇ、颯太。お兄ちゃんがしたことは正しいよね…?」


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作者メッセージ

いえいー
ってことで31話です。
瑞希くん、ついに殺人鬼になっちゃいましたよ。
ひぃぃ…怖いっすね

2024/08/02 14:34

rary@ぼちぼち活動開始中 ID:≫.pW3N8u9QP9cU
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