side サムライ翔

「みんなありがとな。じゃーな、おつしょー」
プツッと画面をクリックして、配信を終了する。
誰がこんな時間にみるねん、みたいな時間帯に配信してるから、同接人数はそこそこの数しか集まらない。
それはそれで心地良いし、なんといっても俺のリスナーと関われる唯一の方法。
学生だからといって絶対に欠かすわけにはいかない。

明日も学校か.....寝ようかな。
翔軍からのDMに反応してから寝るのが日課。スマホを手に取る。
「嬉しいなぁ.....」
配信の次に欠かせないと言っても過言ではない。
すると、仕事用のDMに通知が来た。
................ん？

『初めまして、漫画家の翠●●と申します！
改めて、なろ屋さんからお伝えしてもらった通り、今度のMVのイラストを担当させていただきます...！
今後なにか進展がありましたらこちらのDMで報告させていただきますので、承諾お願い致します...！』
丁寧な文章だなぁと思う反面、
............なろっち、俺らに言うの忘れてるな....？

MVのイラスト担当の方言わんとかどうなってんねん.....
連絡を入れようと思ったが、なろっちは絶賛配信中だ。
とりあえず翠....さん？に返信DMしてから、俺は寝ようと思った。

[水平線]
朝が来るのは早い。
体感1時間しか寝てないんやけど...どういうことだ....
「あ翔くんおっはよー！」
ほんとに、真夜中に配信してると思えないほど元気だ。なろっちの方が圧倒的に配信をしている時間は長い。...........そこは本当にりぃだぁだ。
「なろっちおはよー。........なろっち、お前俺らに今度のMVの絵師さんのこと言ってなかったやろ..？」
すると、いつも一緒に登校しているメンバーも話に食いついてきた。
「どうゆうことどうゆうこと！？絵師さん決まったの！？」
そらちゃんが目を輝かせている。
「あっごめん！言ってなかった...そうそう絵師さん決まってね...漫画家の翠先生っていうの。」
「.........絵師さんじゃなくて、漫画家さん....？」
のっきたんはそう言って首をかしげた。
「うん。めろぱかのDMの方に、『翠先生のイラストでMV公開してほしい』みたいなやついっぱいきててねー。お願いしてみたんだ。」
「よく通ったな。さすがなろぴの力。」
「ちょっとどういう意味、かもめん....？w」

なんやかんやで学校に到着してから、みんなと解散する。

あいにく、そらくんと途中まで同じなので、話ながら教室に行く。

「ねぇーサムライ翔さん。翠先生のツイッター、みて！」
そう言って、そらくんは俺にスマホを近づけてくる。
「......えっイラストうまっ......」
「でしょー！！僕らどんな風になるのかな✨」
「別にそらくんが自慢することじゃないけど.....確かに...うっま.......」
すると、そらくんは近くにいた女子生徒に声をかけた。

「....あっ、なろ屋さんの隣の人！」
.........は？なろ屋さん、の隣の人.....？
「..........あ、ヘアピンなくしてた人......」
「変な覚え方しないでよねー！ヘアピン、あったの！返すねー！」
変な覚え方してるのはそらくんにも言えることだ。
にしても......
この二人、関わりがあった.....？
とゆうか、この女子生徒誰だ....？
「あ、ありがとうございます.....」

すると、向こうからなろっちが来た。
なんでやねん....？

「あれ.....そらちゃんに、翔くん....？」
「.........灰原さん.....？」

え......ど、どういうこと.....？
もう笑えてくるわ.....w