悠佑 side


ｻﾞｰｻﾞｰｻﾞｰｻﾞｰ
村人「あら、雨が降ってきちゃった」
村人「もう帰るわよ」
子供「嫌だー」
村人「こら、帰るわよ!」
子供「やだ！また遊びたい!」
村人「そんなこと言ってないで帰るわよ！ほら！」
子供「やーだー！」
村人「夜ご飯いらないの？」
子供「いる！」
村人「じゃあ帰るわよ？」
子供「はーい、ごめんなさい」
村人「良い子ね、今日の夜ご飯はあなたの好きなものにしてあげる!」
子供「やった！」

知らない、あんな.......優しさ
俺は叱られたあと........殴.......られる
俺にはあんな優しさなんて...........

悠佑「うわあああああ」
ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ
初兎「あ！ちょっと悠くん⁉︎」
初兎「足早!」
初兎「待ってや！」
ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ
初兎「大丈夫か？」
悠佑「ごめん.......」
初兎「あ、雨止んでるな」
悠佑「いつのまに、」
初兎「見てみて悠くん」
悠佑「？」
初兎「夕日、綺麗やな」
悠佑「ほんまや、めっちゃ綺麗........」
ｷﾞｭｯ
初兎「雨上がりでちょっと寒い」
悠佑「大丈夫か？」
初兎「うん、悠くんは？」
悠佑「寒くないで」

ほんとは寒いんやけど
なんで、俺は死なないんやろ
いつも殴られて、忌み子なんて言われて
夢の一つも見れないくせに
でも、初兎と一緒にいたいから
今は生きる