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深夜は僕らのスミカである。

#5

憂依家

鈴side

「はぁー、なんか大変なことになっちゃったなぁ」
昨日の夜は、生まれて初めて夜奇を見た。
憂依さんは見えるのは少数の人だけ、って言ってたけど、どうなんだろうか。
でも見たのなんか初めてだったし、ホラー体験したのも初めてだったからなぁ。
いきなり見えるようになった?……………深く考えることはやめにすることにした。

下校チャイムが鳴り、皆各々部活に行ったり帰る気分になっていた。
ピロン!と、急にスマホの着信が来た。
「“今日暇?暇だよねー!ということで校門来てね、待ってるよーん”……………?」
憂依さんからのメールだった。
ボッチで帰宅部の僕は毎日暇なのだが、何かやらかしたんだろうか。
まぁ、なんかよく分からないので考えてもしょうがないかな、と思った。
「憂依さ~~~~~ん!!」
「よぉ鈴くん、今日も元気でいいねぇ。ボク今日頑張って学校来てあげたんだからね」
「は…………ありがとうございます!」
「あ、あと憂依さんとか堅いし。普通に下の名前で呼んで。で年上には先輩付けね。上の方々がうるさいからさ」
上の方々…………消し屋も組織だから、上下関係は一応あるようだ。
「ちゃんと学校来てるんですか?」
「いやねぇ。留年取らないくらいには来てるよ」
そういう方向の思考だった。
でも、そういうのちょっといいなと思う。
「ということで、今日はボクに付き合ってね。ちょっと待ってね、電話つなぐから………………あ、姉さん?着いたよ。うん。うん、じゃあ車手配よろしく」
「お姉さんがいるんですか?」
「あ、まぁね。歳は結構離れてるんだけど。ちょっと遠いから、車持ってきてもらうね」
「え、どこ行くんですか?」
「ボクん家!」
「えぇ………………………?」

~…~…~…~… ・ …~…~…~…~

車に揺られて30分、箕月先輩の家に着いた。
「でっか………………!?」
「あっはっは。だよねー、でもこんな家嫌よ?廊下めっちゃ長いし、すぐ迷うし」
少し皮肉めいた感じだったが、まぁ気にしない。元々よく分からない人だ。
「ほんと、なんでこんなとこ生まれたんだか」
「嫌いなんですか?」
そんな言葉が、気づけば口から出ていた。
「あ………………なんか、すみません」
「いいよ別に。気負わないで」
「はい………………………」
長い廊下を歩き、何か薄暗い部屋についた。
「……でね。今日君をここに呼んだのは、理由があってだね。君に見合う専用武器を作らせてもらいたいんだ」
「…………………………えぇ?」

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作者メッセージ

明けましておめでとうございます、柚木です。
憂依ちゃんの家はすごい豪邸…っていう設定なのですが、洋風ないえではなく和風な感じの、縁側とか石庭とかある感じのを想像してつくっています。
完全木造の家って、ちょっと憧れますね。
皆様もお体にお気をつけてお過ごしください。
良いお年を!

2023/01/10 04:38

柚木 ID:≫.pTWYsykCH49c
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