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深夜は僕らのスミカである。

#4

消し屋

「消し屋にならないかい?」
「えぇ………………」
いやいやいやいや。
頭脳並!運動神経ちょっといい!危機回避能力は超低め!!
こんな僕が消し屋になれる資格とは何なのか非常に理解が難しい。
「あの、僕じゃ消し屋なんて成り立たないと思うんですが………」
「えぇぇ!そうかなぁ。ほら、今日ボクたちに助けられて死を免れたわけじゃん?これも一種の運命だしさ、そういう運ってのも実力のうちだと思うんだけどね。とーーーっても向いてると思うんだけどなあぁぁぁぁ」
「ぐぬぅ…………」
「別に悩むことではない。人手不足といっても他に使えそうな駒はある。辞退するならしてもいい」
「まぁ、このボクが?直接?勧誘してる逸材は?今のところ1人しかいないんだけどなぁぁぁ」
「…………………………………………やりますよ」
「おっ?」
「この紫堂鈴!!任されたからには最後までやり遂げて見せますっ!!!」
「おぉ~~~~~!!」
「これで人手不足は一件落着ですかね」
こうして、僕の消し屋ライフは始まった。

~…~…~…~… ・ …~…~…~…~

なんかノリで受けてしまったが大丈夫なのか。
乗せられた感はすごいあったけど…………悪い人ではなさそうだし、実際助けてもらったし…………。

今日、生まれて初めて、命の危機というものを感じた。

死がグッと近づいた。死は突然に、予想にもしなかった死角からやってくる。
なら、今日みたいに自分が何もできずに死んでいくより、消したほうがいいんじゃないか。
世のため人のため、なんてのは正直たてまえだけだ。

殺されるほうより殺すほう。
一番自分の危機を回避する方法だと思った。
結果世界の平和や安全に繋がるのも、僕が役に立っているという証拠なのだ。

世界を回しているのは、案外みんなの知らない黒子なのかもしれない。
と、鈴は思った。

作者メッセージ

こんにちは、柚木ですぅ。
この話は、どこまでで一段落にしよう……と迷ったのですが、文字数が多かったのでここで切らせてもらいました。なんか変なところですみません。
憂依ちゃんがよく働きます……よく言う、「勝手に動いてくれるキャラ」ですね。
そういうクッキリしたキャラづくりを目指しているので嬉しいです。
読んでくださってありがとうございました!

2022/12/23 05:49

柚木 ID:≫.pTWYsykCH49c
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