【12/21 投稿1周年】私は、傲慢の悪役令嬢なり。
ケイク『来週のパーティーで、ヘアンナが仮の婚約者になってほしい。』
ヘアンナ『え?』
聞き間違えかな…と思ってしまうほど、想像できないものだった。来週!?
ヘアンナ『い、一体…?あまり頭が整理できませんわ…。それに来週って急すぎますの…』
ケイク『強制じゃないよヘアンナ。でも、お願いなんだ。』
ケイク『そろそろ結婚しないと、父上にキレられる…。』
どうやら相当の悩み事らしい。強制じゃないようだが、そんな頼み事されたら、断れないに決まっている。まるでその姿は転生前のようだ。
ケイク様も困っているし…、仕方ない、やってみせよう。
でも一つ、心配なことがある。
ヘアンナ『本当に結婚してしまうのかしら…?』
ケイク『しないよ。だからすぐに別れてしまおう。』
ヘアンナ『その方がお父様に怒られてしまいますわよ!?』
ケイク『あ。』
ケイク様はその可能性を知らなかったようだ。これじゃあどうしようもないな…。
ケイク『そもそもパーティーは、アローズ家が開くものなんだ。どうやら狙いは僕の結婚報告らしい。』
ケイク『お願いだ!』
…でも、このままケイク様のお父様に止められたりして、結婚までしてしまったら、私はその先の未来が不安だ。
…
ヘアンナ『お断りしますわ。』
ケイク『…!?な、なんで、どうしてヘアンナ!』
ヘアンナ『婚約者に代わり?ケイク様にはもっと相応しい方がいらっしゃるはずです。』
ケイク『それがわからないんだ!なんとかできないのヘアンナ!』
私は少し黙って考えた。…けれど、私はヘアンナ様の人生を勝手に台無しにするわけにはいかない。
私はヘアンナ様じゃない。だからこそ、大事にこの人生を過ごさないといけないんだ。
ヘアンナ『私の決断ですわ。私が決めたことですの。』
ケイク『…そっか。そうか。…じゃあね。』
ケイク様はすぐに出ていってしまった。どうやら少し怒っている様子だった。
…でも、私はそのパーティーに呼ばれるのかしら。
少し疑問が残ったが、私は客室から出た。客室のドアの前には誰もいなかった。どうやら、ケイク様だったからだろう。ケイク様は案外信用されている。
そもそもケイク様の国は、農業がとても盛んで、食料不足の国は、ケイク様の国に頼ることが多い。
特に米がよく採れる。ケイク様の国の米は、王国ナンバーワンの輸出量を誇っている。
でも私たちの国はケイク様の国には頼っていないようだ。
私の国は王子がすでに結婚しており、国の王様が全て管理している。それがとても優しい。だから王子が手伝っている。
ヘアンナ様は悪役令嬢である。だから、結婚相手にはならなかったんだろう。
私は自分の部屋に戻った。
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