「○○〜、待って！あと30秒でいいからっ！」
今、なろくんとそらちゃんの遅刻魔２人を待っている真っ最中。
「はぁ？30秒も待ってられたら今にもダッシュしてるわ。早くっ。」
こうして、朝を迎えるのは初めてのことではない。
「はい、おっけ、行こっ！」
競争だ〜、なんて、よくのんきなこと言ってられるな、なんて思いながら私もつられて走る。
あ.......。主が時とばしたからよくわかんなかったかな？説明するねっ。

「ねぇ待ってー、つかれたー！」
このグレーのほこりはなろくん。おてんばなとこあって、それがまた胸にぐっとくる。....昔の自画像通りの顔になりそうだな、なんて。
「ほんまに、かいくんとかもめん速すぎるって！」
この青髪は翔くん。高身長でスタイル抜群。すんごいイケボ。あ....関西弁なのは本人にも解けない最大の謎ね。
「相変わらずの光景ですねぇ〜」
金髪の割に性格が良さそうなこの人はのき。なぜか敬語。魔法とかをよく信じるタイプで、割と騙されやすい方かも。中性的な顔のイケメン兼美少年。
「は？のっきさんなんで歩いてんの？」
この水色髪はそらくん。結構かわいい見た目してるけど、外見に惑わされてたら思わぬ毒舌を吐かれることがたまにある。猫が好きらしい。
「かもめん、またタイム上がった？」
この赤メッシュはかいくん。多分一般的に言う厨二病。見た目も中身も厨二病なんて、あほらし。陸上部で足の速さは随一。
「ああ。練習に打ち込める時間増えたしな」
この黄グラデはかもめん。こちらも同様厨二病。かいくんと同じ陸上部で、全国大会出場まで上り詰めたことがあるんだとかないんだとか。

そして、私と6人は幼なじみということになる。
13年前、私は処刑されて今の「●●」に生まれ変わった。そして、私が誕生して早々、婚約者候補を決められた。もちろん、候補なので、強制ではない。もしもこいつらが嫌なら候補取り消しも可能らしい。
そして.......候補っていうのが、この6人。
「○○？遅いよ〜？そんなとこも大好きだけど〜♡」　ｷﾞｭｯ
始まった、よくわからん溺愛タイム。
「あ、そらちゃんずるいです〜！私の方が大好きですけどねっ」　ｷﾞｭｯ
のきまで....
もう抱きつかれるのになれてしまって、新鮮な反応ができない。
「そらちゃんに、のき！抱きついてないで、早く学校行こ？確実に遅刻してるけど走らないと門しまっちゃうよ」
「は！？ちょっとそらちゃんにのき？僕の○○なの、抱きつかないで？」　ｷﾞｭｯ

次から次へと、先々学校の方へ言っていた6人が戻ってくる。

いつまでも、いつまでも...こんな日々が続いてくれればいいのに....

その願望は、叶わない運命になることを知らずに、私は6人にかけよった。