二次創作
猟犬兼探偵社員&元ポートマフィア
僕たちはあの後、近くの料理店に入った。
国木田「おい太宰。早く仕事に戻るぞ」
国木田「仕事中に突然「良い川だね」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった」
太宰「国木田君は予定表が好きだねえ」
太宰さんがそう云うと、国木田さんは机を思い切り叩いた。
国木田「これは予定表では無い‼‼理想だ‼‼我が人生の道標だ‼そして此れには『仕事の相方が自殺嗜好』とは書いていない!」
中島「ぬんむいえおむんぐむぐ?」
国木田「五月蠅い。出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とは書いていない」
中島「んぐむぬ?」
国木田「だから仕事だ‼俺と太宰は軍警察の依賴で猛獣退治を______」
国木田さんは机を叩くのが好きらしい。
太宰「君達なんで会話できてるの?」
---
中島「はー食った!もう茶漬けは十年は見たくない!」
国木田「お前……💢」
中島「いや、ほんっとーに助かりました!孤児院を追い出され横浜に出てきてから食べるものも……あ、餡パンはもらいましたが……寝ところもなく……あわや斃死かと」
国木田「何か猛烈に嫌な予感がするぞ、太宰……」
太宰「彼女のことかい?……あ、今日だ、帰ってくるの。」
国木田「( ゚д゚)ポカーン」
太宰「それより……ふうん、君、施設の出かい」
中島「出というか……追い出されたのです。経営不振だとか事業縮小だとかで」
太宰「それは薄情な施設もあったものだね」
国木田「おい太宰。俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ」
中島「お二人は何の仕事を?」
太宰「なァに……探偵さ」
中島「(・o・)」
国木田「(・д・)チッ 探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
そう云う国木田さんの腰には銃が差し込まれてあった。
『武装探偵社』
聞き覚えがあった。
曰く、軍や警察に頼れないような危険な依賴を専門にする探偵集団_____
昼の世界と夜の世界
その間を取り仕切る薄暮の武装集団
なんでも『武装探偵社』の社員は多くが異能の力を持つ『能力者』と
聞くが_
上を見ていた太宰さんは何かに気付いた様な顔をした。
太宰「あの鴨居頑丈そうだね……たとえるなら人間一人の体重に耐えられそうな位」
国木田「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな💢」
あははははー……
太宰「違うよ首吊り健康法だよ。知らない?」
国木田「何 あれ健康にいいのか?」←信じた
本当かなあ……
太宰「まず頑丈なネクタイを用意しましょう」
国木田「ふむふむφ(..)」
中島「そ…それで…探偵のお二人の今日のお仕事は (ㆁωㆁ*)オズ……」
国木田「む。虎探し だ」
中島「……虎探し?」
太宰「近頃、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ。最近この近くで目撃されたらしいのだけど____」
ガタッ
太宰「(開いた瞳孔、嫌な汗の臭い……どちらも緊張による反応……ぷっ、よつん這いになってるWWW)」
中島「ぼ、ぼぼ、僕は此れで失礼します」
国木田「待て」
国木田さんは僕を掴み上げるが、僕は一刻も早く逃げたいのだ。ダメ元で手を動かすが、しゃかしゃかと虚しく空を切る。
中島「む、無理だ!奴______奴に人が敵うわけない‼」
国木田「貴様、『人食い虎』を|知っているのか?」
中島「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!__この辺に出たんなら早く逃げないと_______」
国木田さんは僕を掴んでいた手を離し、目にも追えぬ早さで手首を掴み、足を蹴った。
中島「……ッ!!!」
僕は足を掬われビタンッ!という音とともに倒れた。
国木田「云っただろう__武装探偵社は荒事専門だと。茶漬け代は腕一本かもしくは凡て話すかだな」
国木田さんは掴んでいる僕の手を捻り上げた。
〜〜〜
NO side
中島「…………っ!」
中島が小さな悲鳴を上げた。
太宰「まあまあ、国木田君。君がやると情報収集が尋問になる。社長にいつも云われてるじゃないか。」
太宰が国木田を窘める。
しかし、その表情からは何も伺えない。
国木田「……ふん」
国木田は手を離し、代わりに太宰が話を聞く。
太宰「それで?」
国木田は野次馬達に「なんだ、見せものではないぞ」と云っているが、注目を集めたのは国木田だ。
中島「………うちの孤児院はあの虎にぶっ壊されたんです。____畑も荒らされ、倉も吹き飛ばされて___。死人こそ出なかったけど貧乏孤児院がそれで立ち行かなくなって、口減らしに追い出された。」
−−−−−−−
院「お前が______」
院「お前の所為だ、この穀潰し_____」
中島「何故です、僕は何も________」
院「此の院に穀潰しは要らぬ。」
院「否、天下のどこにもお前の居場所はありはせん______」
院「この世の邪魔だ__。皆の邪魔ゆえ疾く消えよ。此の世から消え失せるがいい」
−−−−−−−
中島「………」
中島は湯呑からのぼる湯気をじっと見つめていた。
太宰は胡散臭い可哀想だ、という顔を貼り付け、中島に云う。
太宰「………そりゃ災難だったね」
国木田「それで小僧。「殺されかけた」と云うのは?」
中島は机を叩き、話し始める。
中島「あの人食い虎____孤児院で畑の大根くってりゃいいのに、此処まで僕を追いかけてきたんだ‼」
−−−−−−−
孤児院を出てから鶴見川のあたりをフラフラしてた時____
捨てられた鏡を覗き込むと白獣が後ろに___
−−−−−−−
中島「あいつ、僕を追って街まで降りてきたんだ!!!!!空腹で頭は朦朧とするしどこをどう逃げたのか」
太宰は中島に問うた。
太宰「それ、いつの話?」
中島「院を出たのが2週間前、川であいつを見たのが___四日前」
国木田は理想の手帳をめくりながら太宰に云う。
国木田「確かに、虎の被害は2週間前から此方に集中している。それに四日前に鶴見川で虎の目撃証言もある。」
太宰は少し考えるような素振りをみせた。そして
太宰「敦君、これから暇?」
中島は嫌な予感に飛び上がった。
中島「……猛烈に嫌な予感がするのですが」
太宰「君が『人食い虎』に狙われてるなら好都合だよね。」
太宰は一息ついて、胡散臭い笑みを浮かべ
太宰「虎探しを手伝って呉れないかな」
と云った。
中島「(疑問符がついていない…!)い、いい、嫌ですよ!それってつまり『餌』じゃないですか!誰がそんな「報酬出るよ」」
中島はピクリと反応した。
太宰は国木田になにかの[漢字]控書[/漢字][ふりがな]メモ[/ふりがな]を渡していた。
太宰「国木田くんは社に戻って此の紙を社長に」
国木田「おい、二人で捕まえる気か?先ずは情報の裏を取って___」
太宰「いいから」
国木田は[漢字]控書[/漢字][ふりがな]メモ[/ふりがな]をちらりと見ると太宰を睨む。
中島「ち、因みに報酬はいかがほど?」
手揉みしながら中島は聞く。
国木田「……」
国木田は呆れているような顔で見ている。
太宰はピラッと報酬の額が書かれた紙を中島に渡す。
−−−−−−−
ひみの side
ひみの「……こんばんは。依頼をしたいのですが……」
私は中島少年と会ってから或る所に向かっていた。
??「ご依頼者様ですか?ではどうぞ此方に……」
あら、新人かしら?
??「た〜にざき〜!お菓子頂戴〜!!」
あら、懐かしい声が聞こえる。
…流石の名探偵でも私のことは推理しきれなかったみたいね。
四迷「あのぉ……」
谷崎「あッ‼すいませン、ご依頼ですね?」
??「なぁに?依頼〜?……ッ!」
ふふ、ドッキリ大成功、かしら?
私はうふふ、と笑ってただいま、と云った。
??「もう、本当に君は莫迦だ……帰ってくるなら一言ぐらい云ってくれれば良いのに……与謝野さーん、しゃちょー!」
乱歩の声につられて懐かしい顔が出てくる。
???「どうしたンだい……ッてひみのじゃないか!戻ってたのかい?」
??「なんだ、乱歩……ひみのか、帰っていたのだな」
四迷「ふふ、2人ともただいま。先刻、太宰が流れているところを見たわ」
谷崎「え、えっと……?」
四迷「あら、自己紹介がまだだったわね。私は四迷。二葉亭四迷よ。猟犬と探偵社を掛け持ちしているわ。……でも、あまり猟犬の方は信用していないから……」
谷崎「先輩でしたか!僕は谷崎潤一郎で、此方が……」
???「妹のナオミですわ!仲良くいたしましょうね?」
ナオミちゃん、か。
痴人の愛ね。
四迷「此方こそ、よろしくね。」
与謝野「にしても、ひみの。云ってくれても良かったじゃないか」
社長「そうだ」
乱歩「ホントだよ‼」
四迷「あらあら、ごめんなさいね。一寸ドッキリがしたくて……」
与社乱「可愛いから許す」
…三人とも変わらずね。
んふふ、探偵社に帰ってきたのね
四迷「……あら?国木田くんは?あと、太宰。」
社長「2人とも任務だ。『人食い虎』を探している。」
四迷「ありゃ、其れなら私、もう犯人判ってるのだけど……あと、犯人くんと話したわ。…多分、此処の社員になるから準備しなくちゃね」
乱歩「ひみのが云うならそうだ‼」
四迷「多分、今日虎少年を拾ってきて……明日、入社試験の打ち合わせ、其の次が入社試験だねぇ…」
与謝野「……考えないとねェ…」
ナオミ「四迷さんはどんな入社試験を?」
四迷「ふふっ……職当てクイズの後に国木田くんと太宰を交えて話すわ。良いわよね?3人とも?」
社長「……はぁ、許す。」
ナオミ「ワァイ!」
ナオミちゃんは可愛いわね……。
……結構新人が増えてるみたいね……後で紹介してもらおう。
四迷「結構、新人が増えたみたいね。後で紹介して頂戴?」
乱歩「良いよ〜」
与謝野「今は皆社を開けてるけど……何で判ったンだい?」
四迷「デスクの上の荷物を見れば判るわ。……私が入社したときには使われていなかったデスクの上に結構荷物が増えてるからね」
社長「流石ひみのだな」
ナオミ「そんなことで判るんですの!?……乱歩さんや太宰さんに次ぐ頭脳派ですわね…」
乱歩「因みに、ひみのは僕より頭が良いよ〜」
谷崎「えぇ!?」
四迷「ふふ…でも、私は戦闘要員よ?」
谷崎兄妹「えぇ!?!?」
ありゃ、確かにそうは見えないかもね…
なんせ身長が低い、筋肉がつきにくい体質だから……
ほんっと中也は良いわよね。
筋肉はあるけど着痩せするし。身長同じでもすぐに戦闘要員だって判るし。
乱歩「ポートマフィアきっての体術使いと同じぐらいの戦闘力だよ〜……多分、社長と本気で殺り合ったらひみのが勝つ。」
谷崎「えぇ!?……社長より強いってそンな有り得ない…冗談ですよね?」
社長「いや、一回ひみのを怒らせた時は怖かった……。」
ナオミ「凄いですわ!……太宰さんが仰っていた『15歳からの信頼してる相棒』って云うのはひみのさんのことでしょうか?」
四迷「えっ!?………何、云ってるのよ…太宰…。///」
ナオミ「ん゛ん゛!!!!((((((照れてる四迷さんが可愛いですわ!!!!!」
四迷「んっ、ん……さて、ナオミちゃん、潤一郎くん。問題です。会話の中での違和感は感じませんか?」
谷崎「えッ!?」
ナオミ「違和感……あっ‼名前が違いますわ‼」
ひみの「おや、判ったのだね。そう、私の本当の名前は二葉亭"ひみの"よ」
そう、私は偽名を使っているのだ。
私の本当の名前は『二葉亭ひみの』騙して悪かったわね。
谷崎「よく判ったね、ナオミ」
ひみの「貴女に異能力があればお兄さん以上の探偵になるわね」
ナオミ「当たり前ですわ‼」
……妹可愛さに敵の方に走らないと良いのだけど。
そうなったら無理やり連れ戻さないと。
…あ、入社試験は多分、太宰が『社内ニ於ケル厄介事ノ解決』やらなんちゃらで決めるでしょ。
乱歩「社長は戻ったら?多分国木田が帰ってくるよ」
社長「そうか?……なら戻るとしよう。」
社長が戻った。
もーちょい話したかったけどね……
与謝野「して、ひみの……飯は?」
ひみの「食べてるわ」
乱歩「嘘だね」
ひみの「食べてるったら食べてるったい!」
乱歩「嘘だ‼僕の駄菓子分けてあげるから食べなさい‼」
ひみの「は〜い…‥乱歩母さん……」
乱歩「国木田でしょ‼」
国木田「只今戻りまし…ひみのさん!?矢張り帰っていらっしゃったのですか!?迎えに行けなくて申し訳……」
ひみの「長い謝罪は良い‼私は乱歩達にドッキリを仕掛けたかっただけだ。国木田に非は無い。」
国木田「ありがとうございます…で、太宰の唐変木がこれを…」
ひみの「嗚呼、知ってる。準備は出来てる。‥…国木田、胃薬を持っていけ。」
国木田「…ッ!…最悪です……」
ドンマイ、国木田。
太宰と私が社に入ったのが君の運の尽きだ。笑
ひみの「社長、新人の派遣もお願いします。乱歩、晶子、国木田、…賢治を頼む」
社長「…ッ!何故、新人の名前を知っている?」
ひみの「あら?私のことを誰だと思ってるの?」
国木田「社長!?…只今戻りました」
社長「ご苦労だった。判った、非番だが頼もう。」
ひみの「非番ですか…多分、怪我人も出ませんし、応援も要らないと思いますが……会ってみたいのでお願いしても?」
社長「判った」
国木田も大変ね。
ひみの「んふふ、じゃあ、出発だ〜」
え?私の笑い方が太宰にそっくりだって?
あたりまえ。7年間ずっと一緒に居たのよ?
ひみの「にしても…"猫さん"、立派な存在になったのだね」
国木田「おい太宰。早く仕事に戻るぞ」
国木田「仕事中に突然「良い川だね」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった」
太宰「国木田君は予定表が好きだねえ」
太宰さんがそう云うと、国木田さんは机を思い切り叩いた。
国木田「これは予定表では無い‼‼理想だ‼‼我が人生の道標だ‼そして此れには『仕事の相方が自殺嗜好』とは書いていない!」
中島「ぬんむいえおむんぐむぐ?」
国木田「五月蠅い。出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とは書いていない」
中島「んぐむぬ?」
国木田「だから仕事だ‼俺と太宰は軍警察の依賴で猛獣退治を______」
国木田さんは机を叩くのが好きらしい。
太宰「君達なんで会話できてるの?」
---
中島「はー食った!もう茶漬けは十年は見たくない!」
国木田「お前……💢」
中島「いや、ほんっとーに助かりました!孤児院を追い出され横浜に出てきてから食べるものも……あ、餡パンはもらいましたが……寝ところもなく……あわや斃死かと」
国木田「何か猛烈に嫌な予感がするぞ、太宰……」
太宰「彼女のことかい?……あ、今日だ、帰ってくるの。」
国木田「( ゚д゚)ポカーン」
太宰「それより……ふうん、君、施設の出かい」
中島「出というか……追い出されたのです。経営不振だとか事業縮小だとかで」
太宰「それは薄情な施設もあったものだね」
国木田「おい太宰。俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ」
中島「お二人は何の仕事を?」
太宰「なァに……探偵さ」
中島「(・o・)」
国木田「(・д・)チッ 探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
そう云う国木田さんの腰には銃が差し込まれてあった。
『武装探偵社』
聞き覚えがあった。
曰く、軍や警察に頼れないような危険な依賴を専門にする探偵集団_____
昼の世界と夜の世界
その間を取り仕切る薄暮の武装集団
なんでも『武装探偵社』の社員は多くが異能の力を持つ『能力者』と
聞くが_
上を見ていた太宰さんは何かに気付いた様な顔をした。
太宰「あの鴨居頑丈そうだね……たとえるなら人間一人の体重に耐えられそうな位」
国木田「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな💢」
あははははー……
太宰「違うよ首吊り健康法だよ。知らない?」
国木田「何 あれ健康にいいのか?」←信じた
本当かなあ……
太宰「まず頑丈なネクタイを用意しましょう」
国木田「ふむふむφ(..)」
中島「そ…それで…探偵のお二人の今日のお仕事は (ㆁωㆁ*)オズ……」
国木田「む。虎探し だ」
中島「……虎探し?」
太宰「近頃、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ。最近この近くで目撃されたらしいのだけど____」
ガタッ
太宰「(開いた瞳孔、嫌な汗の臭い……どちらも緊張による反応……ぷっ、よつん這いになってるWWW)」
中島「ぼ、ぼぼ、僕は此れで失礼します」
国木田「待て」
国木田さんは僕を掴み上げるが、僕は一刻も早く逃げたいのだ。ダメ元で手を動かすが、しゃかしゃかと虚しく空を切る。
中島「む、無理だ!奴______奴に人が敵うわけない‼」
国木田「貴様、『人食い虎』を|知っているのか?」
中島「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!__この辺に出たんなら早く逃げないと_______」
国木田さんは僕を掴んでいた手を離し、目にも追えぬ早さで手首を掴み、足を蹴った。
中島「……ッ!!!」
僕は足を掬われビタンッ!という音とともに倒れた。
国木田「云っただろう__武装探偵社は荒事専門だと。茶漬け代は腕一本かもしくは凡て話すかだな」
国木田さんは掴んでいる僕の手を捻り上げた。
〜〜〜
NO side
中島「…………っ!」
中島が小さな悲鳴を上げた。
太宰「まあまあ、国木田君。君がやると情報収集が尋問になる。社長にいつも云われてるじゃないか。」
太宰が国木田を窘める。
しかし、その表情からは何も伺えない。
国木田「……ふん」
国木田は手を離し、代わりに太宰が話を聞く。
太宰「それで?」
国木田は野次馬達に「なんだ、見せものではないぞ」と云っているが、注目を集めたのは国木田だ。
中島「………うちの孤児院はあの虎にぶっ壊されたんです。____畑も荒らされ、倉も吹き飛ばされて___。死人こそ出なかったけど貧乏孤児院がそれで立ち行かなくなって、口減らしに追い出された。」
−−−−−−−
院「お前が______」
院「お前の所為だ、この穀潰し_____」
中島「何故です、僕は何も________」
院「此の院に穀潰しは要らぬ。」
院「否、天下のどこにもお前の居場所はありはせん______」
院「この世の邪魔だ__。皆の邪魔ゆえ疾く消えよ。此の世から消え失せるがいい」
−−−−−−−
中島「………」
中島は湯呑からのぼる湯気をじっと見つめていた。
太宰は胡散臭い可哀想だ、という顔を貼り付け、中島に云う。
太宰「………そりゃ災難だったね」
国木田「それで小僧。「殺されかけた」と云うのは?」
中島は机を叩き、話し始める。
中島「あの人食い虎____孤児院で畑の大根くってりゃいいのに、此処まで僕を追いかけてきたんだ‼」
−−−−−−−
孤児院を出てから鶴見川のあたりをフラフラしてた時____
捨てられた鏡を覗き込むと白獣が後ろに___
−−−−−−−
中島「あいつ、僕を追って街まで降りてきたんだ!!!!!空腹で頭は朦朧とするしどこをどう逃げたのか」
太宰は中島に問うた。
太宰「それ、いつの話?」
中島「院を出たのが2週間前、川であいつを見たのが___四日前」
国木田は理想の手帳をめくりながら太宰に云う。
国木田「確かに、虎の被害は2週間前から此方に集中している。それに四日前に鶴見川で虎の目撃証言もある。」
太宰は少し考えるような素振りをみせた。そして
太宰「敦君、これから暇?」
中島は嫌な予感に飛び上がった。
中島「……猛烈に嫌な予感がするのですが」
太宰「君が『人食い虎』に狙われてるなら好都合だよね。」
太宰は一息ついて、胡散臭い笑みを浮かべ
太宰「虎探しを手伝って呉れないかな」
と云った。
中島「(疑問符がついていない…!)い、いい、嫌ですよ!それってつまり『餌』じゃないですか!誰がそんな「報酬出るよ」」
中島はピクリと反応した。
太宰は国木田になにかの[漢字]控書[/漢字][ふりがな]メモ[/ふりがな]を渡していた。
太宰「国木田くんは社に戻って此の紙を社長に」
国木田「おい、二人で捕まえる気か?先ずは情報の裏を取って___」
太宰「いいから」
国木田は[漢字]控書[/漢字][ふりがな]メモ[/ふりがな]をちらりと見ると太宰を睨む。
中島「ち、因みに報酬はいかがほど?」
手揉みしながら中島は聞く。
国木田「……」
国木田は呆れているような顔で見ている。
太宰はピラッと報酬の額が書かれた紙を中島に渡す。
−−−−−−−
ひみの side
ひみの「……こんばんは。依頼をしたいのですが……」
私は中島少年と会ってから或る所に向かっていた。
??「ご依頼者様ですか?ではどうぞ此方に……」
あら、新人かしら?
??「た〜にざき〜!お菓子頂戴〜!!」
あら、懐かしい声が聞こえる。
…流石の名探偵でも私のことは推理しきれなかったみたいね。
四迷「あのぉ……」
谷崎「あッ‼すいませン、ご依頼ですね?」
??「なぁに?依頼〜?……ッ!」
ふふ、ドッキリ大成功、かしら?
私はうふふ、と笑ってただいま、と云った。
??「もう、本当に君は莫迦だ……帰ってくるなら一言ぐらい云ってくれれば良いのに……与謝野さーん、しゃちょー!」
乱歩の声につられて懐かしい顔が出てくる。
???「どうしたンだい……ッてひみのじゃないか!戻ってたのかい?」
??「なんだ、乱歩……ひみのか、帰っていたのだな」
四迷「ふふ、2人ともただいま。先刻、太宰が流れているところを見たわ」
谷崎「え、えっと……?」
四迷「あら、自己紹介がまだだったわね。私は四迷。二葉亭四迷よ。猟犬と探偵社を掛け持ちしているわ。……でも、あまり猟犬の方は信用していないから……」
谷崎「先輩でしたか!僕は谷崎潤一郎で、此方が……」
???「妹のナオミですわ!仲良くいたしましょうね?」
ナオミちゃん、か。
痴人の愛ね。
四迷「此方こそ、よろしくね。」
与謝野「にしても、ひみの。云ってくれても良かったじゃないか」
社長「そうだ」
乱歩「ホントだよ‼」
四迷「あらあら、ごめんなさいね。一寸ドッキリがしたくて……」
与社乱「可愛いから許す」
…三人とも変わらずね。
んふふ、探偵社に帰ってきたのね
四迷「……あら?国木田くんは?あと、太宰。」
社長「2人とも任務だ。『人食い虎』を探している。」
四迷「ありゃ、其れなら私、もう犯人判ってるのだけど……あと、犯人くんと話したわ。…多分、此処の社員になるから準備しなくちゃね」
乱歩「ひみのが云うならそうだ‼」
四迷「多分、今日虎少年を拾ってきて……明日、入社試験の打ち合わせ、其の次が入社試験だねぇ…」
与謝野「……考えないとねェ…」
ナオミ「四迷さんはどんな入社試験を?」
四迷「ふふっ……職当てクイズの後に国木田くんと太宰を交えて話すわ。良いわよね?3人とも?」
社長「……はぁ、許す。」
ナオミ「ワァイ!」
ナオミちゃんは可愛いわね……。
……結構新人が増えてるみたいね……後で紹介してもらおう。
四迷「結構、新人が増えたみたいね。後で紹介して頂戴?」
乱歩「良いよ〜」
与謝野「今は皆社を開けてるけど……何で判ったンだい?」
四迷「デスクの上の荷物を見れば判るわ。……私が入社したときには使われていなかったデスクの上に結構荷物が増えてるからね」
社長「流石ひみのだな」
ナオミ「そんなことで判るんですの!?……乱歩さんや太宰さんに次ぐ頭脳派ですわね…」
乱歩「因みに、ひみのは僕より頭が良いよ〜」
谷崎「えぇ!?」
四迷「ふふ…でも、私は戦闘要員よ?」
谷崎兄妹「えぇ!?!?」
ありゃ、確かにそうは見えないかもね…
なんせ身長が低い、筋肉がつきにくい体質だから……
ほんっと中也は良いわよね。
筋肉はあるけど着痩せするし。身長同じでもすぐに戦闘要員だって判るし。
乱歩「ポートマフィアきっての体術使いと同じぐらいの戦闘力だよ〜……多分、社長と本気で殺り合ったらひみのが勝つ。」
谷崎「えぇ!?……社長より強いってそンな有り得ない…冗談ですよね?」
社長「いや、一回ひみのを怒らせた時は怖かった……。」
ナオミ「凄いですわ!……太宰さんが仰っていた『15歳からの信頼してる相棒』って云うのはひみのさんのことでしょうか?」
四迷「えっ!?………何、云ってるのよ…太宰…。///」
ナオミ「ん゛ん゛!!!!((((((照れてる四迷さんが可愛いですわ!!!!!」
四迷「んっ、ん……さて、ナオミちゃん、潤一郎くん。問題です。会話の中での違和感は感じませんか?」
谷崎「えッ!?」
ナオミ「違和感……あっ‼名前が違いますわ‼」
ひみの「おや、判ったのだね。そう、私の本当の名前は二葉亭"ひみの"よ」
そう、私は偽名を使っているのだ。
私の本当の名前は『二葉亭ひみの』騙して悪かったわね。
谷崎「よく判ったね、ナオミ」
ひみの「貴女に異能力があればお兄さん以上の探偵になるわね」
ナオミ「当たり前ですわ‼」
……妹可愛さに敵の方に走らないと良いのだけど。
そうなったら無理やり連れ戻さないと。
…あ、入社試験は多分、太宰が『社内ニ於ケル厄介事ノ解決』やらなんちゃらで決めるでしょ。
乱歩「社長は戻ったら?多分国木田が帰ってくるよ」
社長「そうか?……なら戻るとしよう。」
社長が戻った。
もーちょい話したかったけどね……
与謝野「して、ひみの……飯は?」
ひみの「食べてるわ」
乱歩「嘘だね」
ひみの「食べてるったら食べてるったい!」
乱歩「嘘だ‼僕の駄菓子分けてあげるから食べなさい‼」
ひみの「は〜い…‥乱歩母さん……」
乱歩「国木田でしょ‼」
国木田「只今戻りまし…ひみのさん!?矢張り帰っていらっしゃったのですか!?迎えに行けなくて申し訳……」
ひみの「長い謝罪は良い‼私は乱歩達にドッキリを仕掛けたかっただけだ。国木田に非は無い。」
国木田「ありがとうございます…で、太宰の唐変木がこれを…」
ひみの「嗚呼、知ってる。準備は出来てる。‥…国木田、胃薬を持っていけ。」
国木田「…ッ!…最悪です……」
ドンマイ、国木田。
太宰と私が社に入ったのが君の運の尽きだ。笑
ひみの「社長、新人の派遣もお願いします。乱歩、晶子、国木田、…賢治を頼む」
社長「…ッ!何故、新人の名前を知っている?」
ひみの「あら?私のことを誰だと思ってるの?」
国木田「社長!?…只今戻りました」
社長「ご苦労だった。判った、非番だが頼もう。」
ひみの「非番ですか…多分、怪我人も出ませんし、応援も要らないと思いますが……会ってみたいのでお願いしても?」
社長「判った」
国木田も大変ね。
ひみの「んふふ、じゃあ、出発だ〜」
え?私の笑い方が太宰にそっくりだって?
あたりまえ。7年間ずっと一緒に居たのよ?
ひみの「にしても…"猫さん"、立派な存在になったのだね」
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