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ブラックコーヒーに砂糖を添えて。

#3

砂糖とレモン No.2

🤍side


──────────────────


「ねえ莉九」


「なに?」


「ずっと一緒にいようね」


「もちろんだよ、幼馴染だからね」


──────────────────


7月7日の夜、幾千の星が輝く夜空が見える


時計台で、この会話を交わしたんだ。


まだ私たちが小学2年生の頃。


私も莉九も、ただの純粋な気持ちで、


一緒にいようだなんて、


残酷な約束をしたんだ。


でも私はまだ信じてる。


私が望む関係じゃなくても、


一緒にいれたら良いな、なんて。


莉九は覚えてるかな。


もうそんなこと、恥ずかしくて聞けないけど。


でも、莉九と六花が付き合ってる時点で、


莉九はもう覚えてないよね。


今は六花と一緒にいるんだもんね。


私のことなんか、どうでも良いよね。


そうだよね。


知ってる。


分かってる。


私の頬を流れる涙なんて気にせずに、


スマホに保存してる、莉九と私の写真を見る。


涙が溢れてることなんて気にせずに。


🤍「……あの日、あの時、あの場所で…


  約束したことはうそだったの………?」


──────────────────


💜side


六花と付き合ってる俺は、


世界でいちばんの幸せ者だと言っても過言ではない。


たまたま同じ委員会に入った俺たちは、


まるで運命の糸を引いたかのように、


今の関係になったんだ。


でもどこかで、申し訳ない気持ちがある。


7月7日の夜、幾千の星が輝く夜空が見える


時計台で交わしたあの会話。


あの約束。


俺は、あの約束を無視してることになる。


一緒にいようって言われた俺は、


深い意味はないだろうと思って、


幼馴染だからねと返した。


あの頃はまだ、恋とか愛とか、


そういうのが分からなかったから、


軽い返事をしてしまった。


そのことで八尋を傷つけてしまった。


だから、今更だって思うけど、


ちゃんと話したいって思ってる。


六花にもちゃんと説明して、


もうこれ以上、八尋を傷つけさせない。


約束を反故にしてるのは俺の方だから。


毎晩、俺のスマホに送られてくる、


八尋からの想いに向き合わないと。

作者メッセージ

ブラックコーヒーに砂糖を添えて。/ 砂糖とレモン No.2 by 七雨

2024/04/27 13:54

七雨 ID:≫.p.lt/LbR.hS.
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