「エマってさぁ、お父さん[漢字]勇者[/漢字][ふりがな]ブレイバー[/ふりがな]なんでしょ？」
「お母さんは[漢字]全属性魔法師[/漢字][ふりがな]オールアトリビュートマジックユーザー[/ふりがな]だって言うし…」
「正直言って弱いよねー！」
「見た目も似てないしw」
わかってる、そんなの。私、エマ。さっき言われた通り、[漢字]勇者[/漢字][ふりがな]ブレイバー[/ふりがな]の父と[漢字]全属性魔法師[/漢字][ふりがな]オールアトリビュートマジックユーザー[/ふりがな]の母の子供。なのに全然強くない。魔法は弱いし、剣も扱えない。更には勇者の証である、水色の瞳がない。だからみんなに色々言われている、人と出会えばなにか言われる、そんな日々を過ごしている。でも外には出ないといけない。回数は減らしてるけど、やっぱり出かける時は出かける。
[水平線]「ただいま…」
「お帰り。エマ」
頼れるのは父と母だけ。だけど頼りの母は、冒険に出かけた時に死んでしまった。父は勇者の仕事があるから、あまり時間がない。
「やっぱ今日も駄目だったか？」
「うん…」
「安心しろ。俺はエマの味方だからな」
「ありがと！お父さん！」
[小文字]「やっぱあいつの子供だし可愛いよな…」[/小文字]
トントン！
「アリッサか。また来たのかよ」
「うん！来たくなっちゃって！エマちゃん久しぶり！」
「アリッサさんこんにちは！」
彼女はアリッサさん。母と一緒に魔王を倒してくれた人の中の一人。母が亡くなった後に、母代わりのような関係になった。週に4回位来てくれるんだ。でもアリッサさんはシャーロット侯爵夫人って立場だからあまり来れない…と思いきや、『エマちゃんの為なら抜け出すよ』って言ってた。
「エマちゃん！明日は[漢字]能力[/漢字][ふりがな]スキル[/ふりがな]判定式だよね！」
「うん！」
[漢字]能力[/漢字][ふりがな]スキル[/ふりがな]判定式は、自分の持つ[漢字]能力[/漢字][ふりがな]スキル[/ふりがな]がわかる式の事。年に一度行われるんだ。多分母譲りの魔術関係か、父譲りの勇者じゃないかな！って父とアリッサさんは言ってる。
「楽しみだな…！」
いいの[漢字]能力[/漢字][ふりがな]スキル[/ふりがな]が出れば、嫌な事を言ってきたみんなを見返せると思うから。もう二度と、あんな事は言わせないよ！