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フルーツ・ファイト〜果実戦争〜

#1

ep1 旅の幕開け

「夢はとても綺麗なものだ……しかし、いずれ汚れてしまう。さてキミに一回問おう…キミは、夢を持ったことはあるかい?」

[水平線]


「待っててくれよ…兄ちゃん」

故郷に背を向けた少年が1人いた。

名前は「[漢字]赤砥 京斗[/漢字][ふりがな]アカトギ ケイト[/ふりがな]」

子供のころに、東京へ行くと言ったきり連絡がとれない兄を探すため、故郷から離れることを決意した。

荷物を持ち、軽快な足取りで空港へ向かう。

「確か……東京だったな」

ケイヤが住んでいたところは大田舎、東京に行くことも初めてだった。

「絶対に見つけてやるからな!」

決意を胸にし、ケイトは飛行機に乗る。

[水平線]
[中央寄せ]東京[/中央寄せ]

「ふぁ~…やっと着いた」

眠くなりながらも、騒がしい東京に目を開く。

「それにしてもすっげぇな~!! 人がいっぱいいる!」

そしてケイトは、迷宮のような都会でひたすら兄を探し始めた。

兄の特徴は、赤みがかかった髪。少しだけつり上がった目。

この特徴を頭に入れて探してみるも…。

「やっぱり見つかんないな~」

人混みの中、やはり見つけるのは難しい。

いろんな町を巡ってみるも見つけられない。

必死に探すも、日は落ちていくばかり。

疲れた足を休ませるため、ケイトは公園のベンチに座った。

「…全然いない! これっぽっちも分からない!」

もっと簡単にいくと思ってたからこそ、ケイトは悩んでしまう。

「明日は人に聞いてみるか~…」

下を向いて明日の計画を建てていたその時……

[太字]『チャリーン』[/太字]

何かが転がって来た。

「なんだこれ? コイン?」

それは驚くほどに綺麗なコインだった。

「…もしかして転がって来た? でも周りに人はいないな…」

どこから転がって来たのか分からないコインを前に、ケイトはどうすればいいかとまた悩む。

「…まっいいか! 周りに人がいないのなら所有者はいない! ボクのものにしよう!」

結局、コインを自分のものにしたケイトは、ベンチで夜を過ごした。

2024/03/03 22:22

お茶 ID:≫5pkQuOr9nqXoU
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