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落ちこぼれ令嬢は2回目の人生で最強の魔獣使いになる

#2

魔獣使いのとある少女

一度死んだ者が別の存在となり生まれ変わることを“転生”と呼ぶ。
今の私は6歳。容姿は、この歳にしてはかなり可愛らしい幼女だ。そして、唐突に思い出したのだ。前世のことを。
どうやら私は転生してしまったらしい。
“らしい”というのも、私自身がまだ現実を受け止められていないのだ。



前世のことを思い出す3日前のこと。私はとある森にいた。

[太字]「魔獣使い」[/太字]と言い、この世界に人間と共に混在している魔獣を手懐け、魔獣使いである本人も“魔法”を唱え、魔物を倒す仕事をしているのだ。そうと言っても、私はまだ魔獣使いの見習い。技も半端で、魔獣を完全に手懐けていたとしても、一人で魔物と対峙することは危険だ。一人前になるには15歳を越えなければならなかった。将来、最強の魔獣使いになるため、師匠の仕事の合間に修行を受けさせてもらっていた。
そんなある日、私はとある森で師匠とはぐれてしまったのだ。一人で彷徨っているなか、魔物に目をつけられてしまった。
私は手懐けた魔獣を召喚し、先制攻撃をするもダメージには及ばない。試しに師匠から教わった魔法を唱えてみる。
[漢字]「百雷の矛」[/漢字][ふりがな]ケントゥムトニトルス[/ふりがな]
そう唱えると、100個の雷が魔物を襲う。
魔物は麻痺状態に陥るも、レベルが高いため、攻撃の威力はあまり下がらない。
とうとう私の魔獣が力尽き、瀕死状態になってしまった。残されるは私のみ。一対一の勝負がはじまる──!!
[漢字]「炎の竜巻」[/漢字][ふりがな]フランマトゥルボー[/ふりがな]
竜巻のような炎が魔物の体を包み込む。
その時、魔物の目が赤く光る。
(!?ま、まずいわ!赤く光ると私の今のレベルじゃ倒せない……!!
どうしよう……?一か八かで魔物と同時に攻撃するしかないみたいね。そうすると、もし魔物を倒せたとしても私も一緒に“死ぬ”──!)
覚悟を決め、今の私のレベルで一番強い魔法を唱える。
[漢字]「白蓮の雷槍」[/漢字][ふりがな]トニトルスハスタ[/ふりがな]
槍状となった雷が魔物の体を貫く。
それと同時に私の体を青い炎が包む。
そこで私の意識は途絶えた。

2024/02/03 19:00

三日月あいか ID:≫rpCd2edMEtxgE
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