幼馴染のいる男バレで女子マネージャーを務めます!
送信して気づく。
よく見れば、二人が連絡をくれたのは2日前──つまり、私は2日程寝ていたということか。私が返信をしてすぐ、ほぼ二人同時に既読がついた。
『クロ:今日部活終わったらお前んとこ行く。なんか買ってきてほしいものある?』
『じゃあ、甘いものなにか買ってきて』
『研磨:俺も部活終わったらクロと行く』
『ありがと。待ってるね』
最後に送信して、今更だが思うことがある──
暇だな。
もともと運動系ではなかったから、足が動かなくてどうのってわけでもない。ただ、自分の足で歩けない。それがどれだけ不自由か。
なにか暇つぶしのものはないかと、両親が持ってきてくれた入院生活セットの中をあさる。お、紙と鉛筆……イラストでも描くか。
無意識に鉛筆を動かして描けたのは、研磨とクロ、中学校時代の友達、両親………
ポロッ──
…あーもーまた泣いちゃった。ホント涙腺おかしくなってる。二人が来る前に泣き止まなきゃ──
カララッ
「!」
黒「まおっ…」
孤「…大丈夫…ではないよね」
「あぁ…久しぶり。来てくれてありがとっ…ズビッ」
びっっくりしたぁ〜……やばい、泣いてるとこ見られちゃった……なんて言おう
「あ~…これはなんか、あの、絵ぇ描いてたら泣けてきちゃった〜…みたいな?」
最後無理に笑ってしまったけど、おかしくなかっただろうか。あまりにも想定外なタイミングすぎて思考がうまくまとまらない。
黒「…そっか。今日な、夜久と海とあとリエーフも、お前の見舞いに来たいって言ってたんだが、まぁ一度に来るとあれだからまた今度にしてもらったよ」
孤「特にあのリエーフって子、泣きそうなくらい心配してたよ。早ければ明日にも来そうな勢いだった」
「…そっかぁ〜…ありがたいね、そんなに心配してくれる人がいるなんて」
その瞬間、私の右手に温もりを感じた。
「……まじで焦った……すごい心配した……」
え、クロ…?その声は震えていて、わたしの手を握って顔をベットにうずめていた。見れば研磨も、今にも泣きそうな表情だった。
「そうだよ……すごく心配したんだから」
グスッ…ズッ……
クロの泣き声なんて久々に聞いたな…いつしか試合に負けたとき以来。研磨のあの表情もレアものだな。………。
「あのね、二人に伝えたいことがあって…その、いい?」
「「……?」」
「……私、さ、……もう脚、動かせないの。……歩けないの」
黒「…は?」
孤「…へ」
あぁー言っちゃった…。こんな事言われてもなんて返事したらいいかわかんないよね。
黒「…え、それ、まじ?」
孤「…クロ。まおがこんな嘘、つくはずない…」
「…あぁー!いいのいいの!そんな暗くなんないで!不幸中の幸いというか、動かないのは脚だけ!手とかは大丈夫だし!なんとかやってけるよ!アハハ…」
……あれ、明るくなりすぎた?やば…
孤「…無理しなくて、いいんだよ」
黒「そうだ。俺らを頼れ」
…なんでそんな優しいの。普通ならこんなヤツめんどくさいとか、なんか、思うでしょ……
「…っありがと…」
その後はもうひたすら泣き続けた。
ホントはすごく辛かった。もう歩けないなんてどうかしてるって。これは夢なんじゃないかって。私は見放されたんだって……
そのあと、二人にはいろいろ説明した。
これは進行性の病気であること。私みたいな若い世代が急になるのは稀であること。もう治る見込みはほとんどないこと。これから約1ヶ月間、入院しなければならないこと……
「…てなわけで、暇を持て余してる。今」
黒「じゃあさ、毎日学校終わったらさ、俺らここにくるよ。いい?休日とかは予定あったら難しいけど」
孤「うん。この前まおがやりたいって言ってたゲーム持ってくる」
「…えっいいの?」
黒「もちろん。なんのための友達だよ笑」
孤「でも俺たちだけじゃなくて、他にうるさいのいっぱいついてくると思うけど」
「…!全然いいよ!めっちゃうれしい!ありがと!!」
黒「おーよ」
めっちゃ嬉しい…!まさかこんなに私のこと大切に思ってくれてるなんて…!あっでも……
「二人ともそろそろ暗くなってきたし、時間大丈夫?親御さん心配してるんじゃ…」
孤「あーほんとだ。連絡きてる…」
黒「…じゃー帰るとしますかー」
そう言って伸びをする二人に、頼みたいことがあった。
これだけはお願いしたいんだよなぁ〜……
「あのー…ちょっと、頼みがあるんだけど…」
「「?」」
「…もしよかったら寝る前に電話しない?そのー…夜の病院って怖いんだよ……」
黒「…ふはっ、いーよ、電話するわ」
孤「うん。3人でしよ」
「ありがとぉ〜!」
あぁ〜なんて良い幼馴染なんだっ!!優しさで私爆発しそう(?)
孤「じゃあ、またあとでね」
黒「じゃあな〜」
「うん、ありがとう」
カララッ…パタン
帰っちゃった~……。まぁでも後で電話するし、大丈夫大丈夫。…ふふっ。ほんと、二人の幼馴染でよかった~。
よく見れば、二人が連絡をくれたのは2日前──つまり、私は2日程寝ていたということか。私が返信をしてすぐ、ほぼ二人同時に既読がついた。
『クロ:今日部活終わったらお前んとこ行く。なんか買ってきてほしいものある?』
『じゃあ、甘いものなにか買ってきて』
『研磨:俺も部活終わったらクロと行く』
『ありがと。待ってるね』
最後に送信して、今更だが思うことがある──
暇だな。
もともと運動系ではなかったから、足が動かなくてどうのってわけでもない。ただ、自分の足で歩けない。それがどれだけ不自由か。
なにか暇つぶしのものはないかと、両親が持ってきてくれた入院生活セットの中をあさる。お、紙と鉛筆……イラストでも描くか。
無意識に鉛筆を動かして描けたのは、研磨とクロ、中学校時代の友達、両親………
ポロッ──
…あーもーまた泣いちゃった。ホント涙腺おかしくなってる。二人が来る前に泣き止まなきゃ──
カララッ
「!」
黒「まおっ…」
孤「…大丈夫…ではないよね」
「あぁ…久しぶり。来てくれてありがとっ…ズビッ」
びっっくりしたぁ〜……やばい、泣いてるとこ見られちゃった……なんて言おう
「あ~…これはなんか、あの、絵ぇ描いてたら泣けてきちゃった〜…みたいな?」
最後無理に笑ってしまったけど、おかしくなかっただろうか。あまりにも想定外なタイミングすぎて思考がうまくまとまらない。
黒「…そっか。今日な、夜久と海とあとリエーフも、お前の見舞いに来たいって言ってたんだが、まぁ一度に来るとあれだからまた今度にしてもらったよ」
孤「特にあのリエーフって子、泣きそうなくらい心配してたよ。早ければ明日にも来そうな勢いだった」
「…そっかぁ〜…ありがたいね、そんなに心配してくれる人がいるなんて」
その瞬間、私の右手に温もりを感じた。
「……まじで焦った……すごい心配した……」
え、クロ…?その声は震えていて、わたしの手を握って顔をベットにうずめていた。見れば研磨も、今にも泣きそうな表情だった。
「そうだよ……すごく心配したんだから」
グスッ…ズッ……
クロの泣き声なんて久々に聞いたな…いつしか試合に負けたとき以来。研磨のあの表情もレアものだな。………。
「あのね、二人に伝えたいことがあって…その、いい?」
「「……?」」
「……私、さ、……もう脚、動かせないの。……歩けないの」
黒「…は?」
孤「…へ」
あぁー言っちゃった…。こんな事言われてもなんて返事したらいいかわかんないよね。
黒「…え、それ、まじ?」
孤「…クロ。まおがこんな嘘、つくはずない…」
「…あぁー!いいのいいの!そんな暗くなんないで!不幸中の幸いというか、動かないのは脚だけ!手とかは大丈夫だし!なんとかやってけるよ!アハハ…」
……あれ、明るくなりすぎた?やば…
孤「…無理しなくて、いいんだよ」
黒「そうだ。俺らを頼れ」
…なんでそんな優しいの。普通ならこんなヤツめんどくさいとか、なんか、思うでしょ……
「…っありがと…」
その後はもうひたすら泣き続けた。
ホントはすごく辛かった。もう歩けないなんてどうかしてるって。これは夢なんじゃないかって。私は見放されたんだって……
そのあと、二人にはいろいろ説明した。
これは進行性の病気であること。私みたいな若い世代が急になるのは稀であること。もう治る見込みはほとんどないこと。これから約1ヶ月間、入院しなければならないこと……
「…てなわけで、暇を持て余してる。今」
黒「じゃあさ、毎日学校終わったらさ、俺らここにくるよ。いい?休日とかは予定あったら難しいけど」
孤「うん。この前まおがやりたいって言ってたゲーム持ってくる」
「…えっいいの?」
黒「もちろん。なんのための友達だよ笑」
孤「でも俺たちだけじゃなくて、他にうるさいのいっぱいついてくると思うけど」
「…!全然いいよ!めっちゃうれしい!ありがと!!」
黒「おーよ」
めっちゃ嬉しい…!まさかこんなに私のこと大切に思ってくれてるなんて…!あっでも……
「二人ともそろそろ暗くなってきたし、時間大丈夫?親御さん心配してるんじゃ…」
孤「あーほんとだ。連絡きてる…」
黒「…じゃー帰るとしますかー」
そう言って伸びをする二人に、頼みたいことがあった。
これだけはお願いしたいんだよなぁ〜……
「あのー…ちょっと、頼みがあるんだけど…」
「「?」」
「…もしよかったら寝る前に電話しない?そのー…夜の病院って怖いんだよ……」
黒「…ふはっ、いーよ、電話するわ」
孤「うん。3人でしよ」
「ありがとぉ〜!」
あぁ〜なんて良い幼馴染なんだっ!!優しさで私爆発しそう(?)
孤「じゃあ、またあとでね」
黒「じゃあな〜」
「うん、ありがとう」
カララッ…パタン
帰っちゃった~……。まぁでも後で電話するし、大丈夫大丈夫。…ふふっ。ほんと、二人の幼馴染でよかった~。
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