二次創作
冷静すぎる魔女ヒーロー
一位宣言をした○○は思った、
『あいざーさん、他の生徒は?』
「あぁ、直にくる」
『直にって.....教師だろ.....』
なんで連れてきてないんだよ、と思った矢先、他の生徒たちが出てきた。
その姿を見た○○はため息を吐いた。
雑談をしながらくる者、注意をする者、イライラしている者.......全員バラバラになって、歩くのが遅い
『非合理的だわ、ほんっと』
他の生徒たちが集まり、相澤が話をしていた
暑い.....眩しい.....まだ4月.....そう思い、日傘を取り出し、相澤の横にしゃがんだ(相澤は早くもどれの顔)
それから相澤に言われた言葉を繰り返すように叫んだ
「個性把握テストォ!??」
「入学式は!??ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
「…!??」
『(うるさい....)』
聞き返した人に冷静に返す相澤
「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ?『個性』禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って、平均を作り続けてる。合理的じゃない」
まあ、文部科学省の怠慢だよ、と彼は続ける
「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった」
「67m」
「じゃあ『個性』使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっ切りな」
「んじゃまあ―…………………死ねぇ!!!!」
……死ね?なぜ……こわ……と彼の台詞に驚きつつ
相澤のほうへ視線を戻すと、彼のたたき出した数値にみんなは目を見開かせた
「まず自分の“最大限”を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
「なんだこれ、すげー面白そう!」
「705mってマジかよ」
「『個性』思いっ切り使えるんだ!!!さすがヒーロー科!」
するとその言葉に相澤はピクリと反応をした後、ニヤリと口角を上げた
あちゃー、またあだ名ついちゃうじゃん
「面白そうか…。ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?よし、
トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」
"除籍マン"って
その言葉に、はあああ!?と皆が悲鳴をあげる
「生徒の如何は俺達の自由!ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
まだ入学したばかりなのに、理不尽だ!という批判の声にもどこ吹く風
理不尽も何も.....じゃあ、全力だそーよ
「自然災害、大事故…身勝手な敵たち…。
いつどこから来るか分からない厄災。日本は理不尽にまみれている。
そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったなら『まっ.....w』....お生憎、これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。
Plus Ultraさ。全力で乗り越えて来い!」
(相澤せんせーの口からマック.....w)
(お前は早く戻れ)
(はいはーい)
《第1種目 》50m走
各々の個性を使いこなし記録を伸ばすクラスメイト達
あるものは爆破あるものはレーザーを使いこなして
クラスメイトは全員で21人、50m走では2人1組で走るのだが奇数のためどうしても1人余ってしまう(推薦した人が悪い)
そうなると出席番号が最後の○○が1人で走ることになる
「○○、1人で走るか」
『1人で(てか、隣居ても変わんないし)』
「そうか」
スタートラインに立ち合図を待つ
最後の走者だからか自然と目線がそちらに向く
さらに走者は相澤に何かと特別視されてる美少女、ほとんどの人が彼女の個性を知らないため気になるのだろう
「START!」
『移(move)』
相澤が合図を出した時には、○○はゴール地点に立っていた
瞬きをする暇もなかった肉眼では追えない瞬間的スピード
全員が唖然とする中相澤は機械が出した数値を復唱する
「0秒3 (流石だな…)」
『いぇーい』
その場は一瞬静まり返り一気に湧き出す
「うぉぉ?!なんだあの速さ!??」
「ぼっ、俺よりも速い……」
「すっげぇなお前!!」
周囲が騒然とする中切島鋭児郎が声をかければ、かけられた本人は
『ん?どーも』
と、呑気に返事をしている
《第2種目》握力測定では"力(Power)"を使ったら、測定器が破壊され数値は測定不能となった(本人は脆くない?と言ってました)
《第3種目》立ち幅跳びは"風(windy)"で∞をたたき出した。
第4種目も終わり、次は
《第5種目》 ボール投げ
先ほど爆豪がデモンストレーションを行ったボール投げ
ここまでもじゃ緑が特に爪痕を残せていないことに気づき、○○は今年の最初は彼か、と思った
焦っている様子が遠目でも見て取れる。あのままボールを投げれば、おそらくまた腕が折れる
だが彼の目は焦りからか何も見えてはいないように見えた
....何故?除籍が掛かってるんだ、一般人は焦ってる、そんな思いを巡らせていたら
彼が個性を使おうとしているのが分かった
「46m」
ポテッと落ちたボールと同時に相澤が記録を読み上げる。確実に力を使おうとしてたであろう緑谷は、その記録に目を見開き震えている
(個性が消えた)
相澤の個性だと、○○は相澤を見た
個性を消し、捕縛武器で緑谷を縛り上げ近寄る相澤は言う
ヒーローが行動不能になっていいのか
誰かに助けてもらうつもりなのか
1人を助けて動けなくなるだけなら、ヒーローにはなれない
しかし、容赦ないそれらの厳しい言葉は
彼の中の可能性を開くトリガーとなった
彼がボールを投げようとする。相澤と○○は除籍確定だと分かっていて見ていた。
なのに、彼が投げた瞬間
ゾワッ
背中に何かが走った
「まだ…動けます!!」
まだ調節はできない緑谷だが、パワーを使う場所なら決められると、自分の指を見せて証明して見せた彼に相澤と○○の頬が上がる
「こいつ……!」
『っ........あはっ!』
興味が湧いた....!
ボール投げを終えた緑谷に○○は移(move)を使って話しかけた
『ねぇ、名前は?』
「えっ....!!!??あっ、みみみっ、緑谷....出久、デス!!」
『ははっ、緑谷ね。私●●○○、好きに呼んで』
「ぇ、あっ、●●....さん」
『それ、痛い?』
それ、と彼女が指すのは先程折れた指
「えっ!?あ、あぁ、うん.....痛い、かな」
そ、と彼女は短く告げ
『治癒(healing)』
緑谷の指が優しい風に纏われる、そう思ったのは一瞬で、いつの間にか痛みが和らいでいた
『ん。痛み無くしただけだから、ちゃんとリカバリーとこ行ってきてね〜』
そう告げた彼女は直ぐ自分の位置に戻ってしまっていった。
それから種目は終わりトータルを出せば∞を出した○○が1位となった
除籍は合理的虚偽と言った彼にみんなが叫ぶ中、○○は嘘つきはいけないんだ、と小さく心の中でこぼした
でもそれには、理由があることも
(可能性、感じたんだよね?あいざーさん)
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