運命の天秤
二柱は悪魔城の大きな窓から中へ入った。
この窓には結界と転移魔法が張られていて、グラン・グリモワールへの参加が認められている悪魔しか通ることができない。
密偵の侵入を防ぐため、悪魔城の[漢字]どこか[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]にある議事堂へと瞬時に飛ばされる仕組みになっていた。
「大将サタナキア様、司令官アガリアレプト様、到着いたしました」
顔を仮面で隠した女性の悪魔が、二柱の到着を宣言する。
サタナとアガリは、他の四柱の横に座った。
「君主ベルゼビュート様が到着されました」
支配者である彼に、集まっていた悪魔全員が立ち上がり、深々と頭を下げた。
ベルゼビュートはアガリ達六柱と向かい合うように置かれた玉座に腰を下ろす。
やがて大公爵アスタロトが現れた。まだサタンが来ていない。
会議の開始時間は過ぎてしまった。
「サタンの野郎、何してやがるんだ?」
ベルゼビュートは苛立ちを抑えようともせずに、持っていたワイングラスを床に放り投げた。
仮面をつけた悪魔(今度は男性)が破片と、こぼれたワインを集め始めた。
怒りが収まらないのか、ベルゼビュートは仮面の悪魔を思い切り踏みつけた。
「やめなさい、ベルゼビュート。君主たるあなたがそんな風では示しがつきませんよ」
アスタロトがなだめている間に、仮面の悪魔は掃除を終えて去っていった。
「なあ、俺帰っていい?」
「駄目です」
ベルゼビュートは大きく舌打ちをしたが、ふて寝すると決めたようだ。
六柱の中にも、隣の悪魔と話す者、寝る者が出てきた。緊張感が…どこかへ抜けてしまったらしい。
また少し時が経っただろうか。
いきなり、
「し、失礼しまぁぁぁぁす!!!!!」
と仮面の悪魔(最初に出てきた女性の方)が急に大声を出した。
皆一斉に静まり返る。
「皇帝サタン様が到着されました」
皆一斉に振り返る。
「待たせてしまったようだな」
漆黒の髪。月のように輝く金色の目。猫や爬虫類のように細い瞳孔。そして頭には大きな冠。誰も間違えようがない。
皇帝サタンが来た。
この窓には結界と転移魔法が張られていて、グラン・グリモワールへの参加が認められている悪魔しか通ることができない。
密偵の侵入を防ぐため、悪魔城の[漢字]どこか[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]にある議事堂へと瞬時に飛ばされる仕組みになっていた。
「大将サタナキア様、司令官アガリアレプト様、到着いたしました」
顔を仮面で隠した女性の悪魔が、二柱の到着を宣言する。
サタナとアガリは、他の四柱の横に座った。
「君主ベルゼビュート様が到着されました」
支配者である彼に、集まっていた悪魔全員が立ち上がり、深々と頭を下げた。
ベルゼビュートはアガリ達六柱と向かい合うように置かれた玉座に腰を下ろす。
やがて大公爵アスタロトが現れた。まだサタンが来ていない。
会議の開始時間は過ぎてしまった。
「サタンの野郎、何してやがるんだ?」
ベルゼビュートは苛立ちを抑えようともせずに、持っていたワイングラスを床に放り投げた。
仮面をつけた悪魔(今度は男性)が破片と、こぼれたワインを集め始めた。
怒りが収まらないのか、ベルゼビュートは仮面の悪魔を思い切り踏みつけた。
「やめなさい、ベルゼビュート。君主たるあなたがそんな風では示しがつきませんよ」
アスタロトがなだめている間に、仮面の悪魔は掃除を終えて去っていった。
「なあ、俺帰っていい?」
「駄目です」
ベルゼビュートは大きく舌打ちをしたが、ふて寝すると決めたようだ。
六柱の中にも、隣の悪魔と話す者、寝る者が出てきた。緊張感が…どこかへ抜けてしまったらしい。
また少し時が経っただろうか。
いきなり、
「し、失礼しまぁぁぁぁす!!!!!」
と仮面の悪魔(最初に出てきた女性の方)が急に大声を出した。
皆一斉に静まり返る。
「皇帝サタン様が到着されました」
皆一斉に振り返る。
「待たせてしまったようだな」
漆黒の髪。月のように輝く金色の目。猫や爬虫類のように細い瞳孔。そして頭には大きな冠。誰も間違えようがない。
皇帝サタンが来た。
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