運命の天秤
ある日の朝。
アドニア王国の謁見の間で協議が行われていた。何でも北の大国エスバーン帝国が、この平和な国に攻め込もうとしているらしい。
「国王。帝国軍は強大です。敵うはずがありません。もう終わりです」
「宰相よ、お前の言うことはもっともだ。だが、このまま終わるわけにはいかない。何か良い意見はないか?」
国王は威厳に満ちた声でそう言った。彼は混迷の王家一族の出だ。幼少期の頃に怪事件騒ぎが起き、これを沈めたことで一目置かれるようになった。国王自身は呪いなどといった類は信じていない。
自信や誇りは、人を何よりも強く見せる。国王が顕著な例だろう。
さて、そんな国王にも悩みはあった。[太字]”北の国による侵略の危機”[/太字]である。これに対しては、誰も対策が思いつかない。北の国はアドニア王国の何倍も強い。敵うはずがないのだから、誰も真面目に取り合わなかったのだ。だから今になって焦っている。
「こうなれば、”アレ”を使うほかないか…」
国王は気が進まない様子で頭をかいた。
”アレ”とは、混迷の王家に伝わる家宝。とても危険なものだが、使うほかない。アレを使えば、この状況を打開できるのだ。
国王はその夜、一部の従者を連れて部屋を出た。
アレをとりに…
アドニア王国の謁見の間で協議が行われていた。何でも北の大国エスバーン帝国が、この平和な国に攻め込もうとしているらしい。
「国王。帝国軍は強大です。敵うはずがありません。もう終わりです」
「宰相よ、お前の言うことはもっともだ。だが、このまま終わるわけにはいかない。何か良い意見はないか?」
国王は威厳に満ちた声でそう言った。彼は混迷の王家一族の出だ。幼少期の頃に怪事件騒ぎが起き、これを沈めたことで一目置かれるようになった。国王自身は呪いなどといった類は信じていない。
自信や誇りは、人を何よりも強く見せる。国王が顕著な例だろう。
さて、そんな国王にも悩みはあった。[太字]”北の国による侵略の危機”[/太字]である。これに対しては、誰も対策が思いつかない。北の国はアドニア王国の何倍も強い。敵うはずがないのだから、誰も真面目に取り合わなかったのだ。だから今になって焦っている。
「こうなれば、”アレ”を使うほかないか…」
国王は気が進まない様子で頭をかいた。
”アレ”とは、混迷の王家に伝わる家宝。とても危険なものだが、使うほかない。アレを使えば、この状況を打開できるのだ。
国王はその夜、一部の従者を連れて部屋を出た。
アレをとりに…
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