文字サイズ変更

僕らの日常__

#2

「仲良しじゃない」

静かに廊下を歩いていく。立ち止まって、扉を開けた。

「やっぱり開いてましたね」

そうひとりごとのように呟くと、笑顔で少年の方を見た。

「お嬢はどんな本を読むんですか?」

「なんでもいいだろ」

「教えてくださいよお」

「うるせえ…」

「御二人共、仲が良いのはよく伝わりますが、図書室ではお静かに」

カウンター席に腰掛けている一人の生徒が左手の人差し指を口に当ててそう言った。

「どこが仲良しに見えたんだ」

「そうですね、[漢字]周[/漢字][ふりがな]あまね[/ふりがな]様と[漢字]琥珀[/漢字][ふりがな]こはく[/ふりがな]さんの会話と雰囲気から仲良しだと思いましたよ」

「素直ですねえ、[漢字]唯依加[/漢字][ふりがな]ゆいか[/ふりがな]ちゃんは」

「おい。僕の方を見て言うな」

____

「それでは生徒会会議を終了させていただきます」

「「ありがとうございました」」

中等部生徒会が出ていくと、女は大きなソファに身を沈め溜息をついた。

「お疲れですか、[漢字]美咲[/漢字][ふりがな]みさき[/ふりがな]さん」

「疲れるよそりゃ……、同じ会計の子はなんか冷たいし……、わたしなにかしたかなあ…?」

「紅茶淹れますね」

「ありがとう…、朔良ちゃん」

「[漢字]結賀[/漢字][ふりがな]ゆいが[/ふりがな]も少しはわたしのこと労わってよぉ」

「あんたのことを労わる義理はないんで」

「ひどいッ…、美咲ちゃん泣くよ!?」

そんな茶番がやっている隣で男は口を開いた。

「朔良、今日は周のお迎えは良いのか?」

「ええ、琥珀が代わりにと言ってくれて」

「…どこかで待ってるんじゃないか」

心配そうに言う男は朔良が淹れた紅茶を机の上に置いた。

「かもしれませんね」

少し困った素振りをする朔良。そうすればこの男は手伝わずにはいられないということを熟知しているからだ。

「……一緒に探そうか」

朔良はその言葉を待っていました、という風に微笑んだ。

「そうですね、お願いします」

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

高等部生徒会メンバー紹介!!

〚生徒会長〛竜胆 司(りんどう つかさ) 高2
〚生徒会副会長〛椎名 朔良(しいな さくら) 高2
〚会計〛成瀬 美咲(なるせ みさき) 高2
〚書記〛結賀 颯斗(ゆいが はやと) 高1

2024/05/11 17:30

カエデ ID:≫ipLQHmrpbTkeI
続きを執筆
小説を編集
/ 2

コメント
[2]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL