僕らの日常__
静かに廊下を歩いていく。立ち止まって、扉を開けた。
「やっぱり開いてましたね」
そうひとりごとのように呟くと、笑顔で少年の方を見た。
「お嬢はどんな本を読むんですか?」
「なんでもいいだろ」
「教えてくださいよお」
「うるせえ…」
「御二人共、仲が良いのはよく伝わりますが、図書室ではお静かに」
カウンター席に腰掛けている一人の生徒が左手の人差し指を口に当ててそう言った。
「どこが仲良しに見えたんだ」
「そうですね、[漢字]周[/漢字][ふりがな]あまね[/ふりがな]様と[漢字]琥珀[/漢字][ふりがな]こはく[/ふりがな]さんの会話と雰囲気から仲良しだと思いましたよ」
「素直ですねえ、[漢字]唯依加[/漢字][ふりがな]ゆいか[/ふりがな]ちゃんは」
「おい。僕の方を見て言うな」
____
「それでは生徒会会議を終了させていただきます」
「「ありがとうございました」」
中等部生徒会が出ていくと、女は大きなソファに身を沈め溜息をついた。
「お疲れですか、[漢字]美咲[/漢字][ふりがな]みさき[/ふりがな]さん」
「疲れるよそりゃ……、同じ会計の子はなんか冷たいし……、わたしなにかしたかなあ…?」
「紅茶淹れますね」
「ありがとう…、朔良ちゃん」
「[漢字]結賀[/漢字][ふりがな]ゆいが[/ふりがな]も少しはわたしのこと労わってよぉ」
「あんたのことを労わる義理はないんで」
「ひどいッ…、美咲ちゃん泣くよ!?」
そんな茶番がやっている隣で男は口を開いた。
「朔良、今日は周のお迎えは良いのか?」
「ええ、琥珀が代わりにと言ってくれて」
「…どこかで待ってるんじゃないか」
心配そうに言う男は朔良が淹れた紅茶を机の上に置いた。
「かもしれませんね」
少し困った素振りをする朔良。そうすればこの男は手伝わずにはいられないということを熟知しているからだ。
「……一緒に探そうか」
朔良はその言葉を待っていました、という風に微笑んだ。
「そうですね、お願いします」
「やっぱり開いてましたね」
そうひとりごとのように呟くと、笑顔で少年の方を見た。
「お嬢はどんな本を読むんですか?」
「なんでもいいだろ」
「教えてくださいよお」
「うるせえ…」
「御二人共、仲が良いのはよく伝わりますが、図書室ではお静かに」
カウンター席に腰掛けている一人の生徒が左手の人差し指を口に当ててそう言った。
「どこが仲良しに見えたんだ」
「そうですね、[漢字]周[/漢字][ふりがな]あまね[/ふりがな]様と[漢字]琥珀[/漢字][ふりがな]こはく[/ふりがな]さんの会話と雰囲気から仲良しだと思いましたよ」
「素直ですねえ、[漢字]唯依加[/漢字][ふりがな]ゆいか[/ふりがな]ちゃんは」
「おい。僕の方を見て言うな」
____
「それでは生徒会会議を終了させていただきます」
「「ありがとうございました」」
中等部生徒会が出ていくと、女は大きなソファに身を沈め溜息をついた。
「お疲れですか、[漢字]美咲[/漢字][ふりがな]みさき[/ふりがな]さん」
「疲れるよそりゃ……、同じ会計の子はなんか冷たいし……、わたしなにかしたかなあ…?」
「紅茶淹れますね」
「ありがとう…、朔良ちゃん」
「[漢字]結賀[/漢字][ふりがな]ゆいが[/ふりがな]も少しはわたしのこと労わってよぉ」
「あんたのことを労わる義理はないんで」
「ひどいッ…、美咲ちゃん泣くよ!?」
そんな茶番がやっている隣で男は口を開いた。
「朔良、今日は周のお迎えは良いのか?」
「ええ、琥珀が代わりにと言ってくれて」
「…どこかで待ってるんじゃないか」
心配そうに言う男は朔良が淹れた紅茶を机の上に置いた。
「かもしれませんね」
少し困った素振りをする朔良。そうすればこの男は手伝わずにはいられないということを熟知しているからだ。
「……一緒に探そうか」
朔良はその言葉を待っていました、という風に微笑んだ。
「そうですね、お願いします」
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