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異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。

#94

第六章『荒れ狂う神様』十一話「月光」

リュヌ『私の後ろにある月の正体を知りたい?』


海渡『嗚呼、是非知りたいよ。知れるもの全部。』

リュヌ『分かった。教えてあげる。』

リュヌはそう言って、俺に笑いかけた。さっきから月が強く光ったりするのがとても気になるので、それもリュヌを聞こうかな…、と思ったその時だった。

急に空が黒い雷雲によって襲われた。空を見上げると、一面黒い雷雲によって覆い尽くされていた。だが、その黒い雷雲は異常だった。

時にはうっすらと歯車が見え、はたまたそれは嘘だったように消える。そして、ところどころに雷雲の一部が破裂したり、膨らんで風船のように割れる現象が起きていた。

俺は不思議に思って、リュヌに聞いた。

海渡『…これはなんだ。』

リュヌ『[太字][下線]現実の僕の細胞さ[/下線][/太字]。』

海渡『…ほう、細胞。』

リュヌ『色を黒にし、雲の形に見立てているだけだ。僕の細胞が破裂したり破壊されたり…、それはただの自然な現象だ。別の形にするとよく起こる。』

あの雷雲がリュヌの細胞…。かなりクオリティーが高いから気づかなかった。…いや、言われるまで気づく方法がない。

これは完全なる雲だ。もっと近づいたらわかるのかもしれないが、これは雲にしか見えない。でも近づいたら、細胞に飲み込まれそうだ。

まさか、これも『[太字]夢[/太字]』の力か?

海渡『で、月の正体は?』

リュヌ『まだ早まらないで。わざと背景を黒くしただけ。もう知ってると思うけど、月光がだんだんと強く発しているのがわかるかな。』

海渡『嗚呼。眩しいほどね。』

リュヌ『その月光がより強くなると、僕は月から良い利益を得ることができる。』

利益?…月光、月に利益を得る…。…もしかして、光魔法みたいな感じか?

俺はリュヌの話を止めて、リュヌに話しかけた。

海渡『光魔法は…、光を当てて攻撃する場合が多い。』

海渡『例えば、[太字]フラッシュ[/太字]っていう魔法は、相手の目に向かって、目が開けられないぐらいの眩しい光を当てるでしょ?』

海渡『…原理はこれなんじゃないのかな。』

リュヌ『何が言いたいの?』


海渡『あなたが月光の光を浴びれば、何かしら得をするということ。例えば、力が強くなるとか、体力が回復するとか。』


リュヌ『…お見事。』

リュヌは感服したかのように、頷いた。やはりこの原理だったようだ。

フラッシュは、相手に光があたれば、相手は眩しくて目が開けれなくなる。それだけでも隙が生まれるし、基本的に使いやすい。

リュヌは、『利益を得る』と言った。光があたれば、何かリュヌに得することがある。…弱い月光だったら、あまり得はできないようだ。

何を得するのかはまだわからないが…。

リュヌ『君と戦う時、君は月を倒して月光を止めるだろう。…でも、この月は私と同じく最強だ。簡単には倒せない。』


海渡『ダブルで最強だなんて、[太字]月光浴[/太字]にぴったりだね。』

リュヌ『ああ、[太字]月光浴[/太字]は至高の時間だ。』

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作者メッセージ

読んでいただきありがとうございます…!
続きもよろしくお願いします…!

2024/03/27 13:37

縺薙≠繧九s ID:≫94SCXkg9r2d.U
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