異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。
海渡『女神。』
そう呼び出したのは、俺が学校から帰る頃だった。
今はもう冬で、雪が舞い踊るように降っている。外は既に雪景色で、よほどの重ね着をしないと、凍死してしまうのではないかという寒さだった。
女神は、俺が呼んだらすぐに駆けつける。そりゃそうだ。長年異世界を旅スした相方だ。俺の声を聞き逃すなんて、あり得ない話だ。女神は俺に返事をした。
女神『海渡様あああああああ!!どうしましたあああああ!』
相変わらずの叫びだが、これには俺も流石に動じなかった。いつものことだ。寒さを吹き飛ばしてくれる叫びだろう。だがそのあとからまたじわじわと寒さが俺を襲う。
女神『って、何かご用件はありますか?』
女神はまたそう聞く。手が震えている。今日はカイロを学校へ持って行くのを忘れたため、非常に手が冷たい。俺が学校の友達の肌を触った時、友達が「つめたっ」と言ったのは、そのせいだろう。俺は女神の問いに答えた。
海渡『ああ、少し相談があってね。』
相談。あまり女神にすることではない。普段は自分自身で解決してしまうため、お悩み相談などは他の人にはしない。…だが、異世界で魔王を倒す前、よく旅のことについて女神に相談したものだ。女神に相談すると、良いことが聞けるだろう。だが、今回は異世界はあまり関係してこない話なので、少し不安だ。
なんなら将来に関わることだろう。俺は異世界と地球の世界を行き来するごく稀にいる生物だ。異世界に人間がいるなんて有り得ないと考えられていたが、今では俺と秋葉、その他何人かいるであろう。だが実に珍しい。滑稽だ。
女神『海渡様から相談?珍しいですね。なんですか?なんでも聞いてあげますよ〜?』
女神は自信満々に聞く。女神は相談に乗ることが好きなようだ。俺なんか、お悩み相談は受け付けれないな…。どうせ俺は変なことを口にするんだろう。
人生には『諦める』という選択肢さえある。俺がもし、『諦める』か『挑戦する』、どちらかを選ぶとするなら『諦める』を選ぶだろう。魔王を倒す時もそうだが、俺があまり行きたくない、嫌悪しているルートは進まなかった。挑戦したくなかった。これが今の現状だ。
まあ相談を女神にしても、もう取り返しのつかないことだ。相談するのをやめようとしたところだった。そしたら、女神は言った。
女神『なんでも言ってくださいね。いっつも一人で抱えて…。』
女神は心配してくれた。俺は全てを女神に話した。
海渡『実は、高校中退した。』
女神『…えっ。』
海渡『俺は異世界にいてもいい人間だ。それに、人間が異世界にいるのも不思議で滑稽だけど、俺は前よりは強くなった気がする。一番とは言えないが…。』
女神『あっ、じゃあ魔法の道に専念するということで?』
…そう、なるな。まあ学校の友達がそんなに重要というわけじゃなかったんだが、これからも卒業するまで学校に行くか、それとも中退して異世界への道を進むか、どちらかといわれると、異世界の方を選ぶだろう。
海渡『実は既に親には話してあるんだ。親もしっかり話を聞いてくれて、了承を得ることができた。』
海渡『確かに異世界に行っても、地球の時間はほぼ動かない。だが、学業の道を専念しなくてもいい気がするんだ。俺は魔法の勉強をする、と。地球でももちろんするよ。これからもよろしくね、女神。』
そう言って、女神は頷き、「ふっ」と消えた。
そう呼び出したのは、俺が学校から帰る頃だった。
今はもう冬で、雪が舞い踊るように降っている。外は既に雪景色で、よほどの重ね着をしないと、凍死してしまうのではないかという寒さだった。
女神は、俺が呼んだらすぐに駆けつける。そりゃそうだ。長年異世界を旅スした相方だ。俺の声を聞き逃すなんて、あり得ない話だ。女神は俺に返事をした。
女神『海渡様あああああああ!!どうしましたあああああ!』
相変わらずの叫びだが、これには俺も流石に動じなかった。いつものことだ。寒さを吹き飛ばしてくれる叫びだろう。だがそのあとからまたじわじわと寒さが俺を襲う。
女神『って、何かご用件はありますか?』
女神はまたそう聞く。手が震えている。今日はカイロを学校へ持って行くのを忘れたため、非常に手が冷たい。俺が学校の友達の肌を触った時、友達が「つめたっ」と言ったのは、そのせいだろう。俺は女神の問いに答えた。
海渡『ああ、少し相談があってね。』
相談。あまり女神にすることではない。普段は自分自身で解決してしまうため、お悩み相談などは他の人にはしない。…だが、異世界で魔王を倒す前、よく旅のことについて女神に相談したものだ。女神に相談すると、良いことが聞けるだろう。だが、今回は異世界はあまり関係してこない話なので、少し不安だ。
なんなら将来に関わることだろう。俺は異世界と地球の世界を行き来するごく稀にいる生物だ。異世界に人間がいるなんて有り得ないと考えられていたが、今では俺と秋葉、その他何人かいるであろう。だが実に珍しい。滑稽だ。
女神『海渡様から相談?珍しいですね。なんですか?なんでも聞いてあげますよ〜?』
女神は自信満々に聞く。女神は相談に乗ることが好きなようだ。俺なんか、お悩み相談は受け付けれないな…。どうせ俺は変なことを口にするんだろう。
人生には『諦める』という選択肢さえある。俺がもし、『諦める』か『挑戦する』、どちらかを選ぶとするなら『諦める』を選ぶだろう。魔王を倒す時もそうだが、俺があまり行きたくない、嫌悪しているルートは進まなかった。挑戦したくなかった。これが今の現状だ。
まあ相談を女神にしても、もう取り返しのつかないことだ。相談するのをやめようとしたところだった。そしたら、女神は言った。
女神『なんでも言ってくださいね。いっつも一人で抱えて…。』
女神は心配してくれた。俺は全てを女神に話した。
海渡『実は、高校中退した。』
女神『…えっ。』
海渡『俺は異世界にいてもいい人間だ。それに、人間が異世界にいるのも不思議で滑稽だけど、俺は前よりは強くなった気がする。一番とは言えないが…。』
女神『あっ、じゃあ魔法の道に専念するということで?』
…そう、なるな。まあ学校の友達がそんなに重要というわけじゃなかったんだが、これからも卒業するまで学校に行くか、それとも中退して異世界への道を進むか、どちらかといわれると、異世界の方を選ぶだろう。
海渡『実は既に親には話してあるんだ。親もしっかり話を聞いてくれて、了承を得ることができた。』
海渡『確かに異世界に行っても、地球の時間はほぼ動かない。だが、学業の道を専念しなくてもいい気がするんだ。俺は魔法の勉強をする、と。地球でももちろんするよ。これからもよろしくね、女神。』
そう言って、女神は頷き、「ふっ」と消えた。
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