異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。
今、俺はベッドで寝転がっている。
俺はいつのまにか、『燕』という人間になり、燕の人生を送っている。作り話みたいなことなので信じられないかもしれないが、僕も最初は信じられなかった部分がある。それに、女神のことも心配だ。なんとかして、元の自分『草野海渡』に戻らなければならない。
太陽の光が、俺を照らしている。開いていた窓からシジュウカラがやってきた。黒いネクタイ模様がとても美しい。だが、少し時間が経っただけでシジュウカラは飛んでいってしまった。
…そういえば、燕になってから外に出たことがないかもしれない。丁度いい。外の空気も思う存分吸いたかったところだし、気分転換に外に出てみよう。
俺は燕の部屋を出たあと、玄関を出ようとした。その時だった。
おじいさん『何してる。』
燕のおじいさんだ。さっきソファーでくつろいでいたが、そのくつろぎタイムは終わっていたようだ。まあ話しかけてくれたってことは、これも仲を深めるいいチャンスと思った。
海渡『外の空気を吸おうと気分転換に外へ。』
おじいさん『…あんまり遠くには行っちゃあかん。…蝶がおる。』
蝶?…まあいいや。俺はおじいさんの言葉はあまり気にせずに外に出た。遠くにはあまり行っちゃダメということは分かったが、蝶の話に関してはよくわからなかった。
空気が美味しい。異世界とは大違い。異世界なんて空気も汚れていて、治安も悪い、どこかで激しい争い、酷い誹謗中傷は絶えない。
目の前には草原が広がっていた。俺は外で寝転がった。太陽が実に眩しく、ここで寝ても構わないほど気持ちいい場所だった。
寝転がっていると、目の前に綺麗な蝶が現れた。水色、空色、青色という綺麗な色が混ざったような羽の色をしている。…蝶?蝶って確か…
[太字]…蝶がおる。[/太字]
…蝶がいて何か悪いことがあるのだろうか。
[下線][太字]『いい青年だなぁ!食べ頃じゃ!』[/太字][/下線]
!?
何処かから声が…!!目の前にいたのは、若い少女だった。髪がとても長い。
蝶『我は蝶の神、名は[漢字]嬢[/漢字][ふりがな]じょう[/ふりがな]と申す。』
蝶『お主、名はなんというか?』
蝶の神が喋り、しかも蝶は人になり、いったいどういうことだ…。でも異世界じゃ普通か?魔王とか色々いるし。けれど蝶が喋ることなんて聞いたことが…
蝶『おい貴様!我の言動を無視するな!』
海渡『ああいいよわかったよ。俺は燕。』
蝶『燕かぁ!鳥が人化したものであろうか?』
海渡『いや人間だから。』
蝶は首を傾げた。…そして大笑いした。
蝶『あーっはっはっ!!w。人間なんてこの世界には存在しないはずじゃ!!』
どういうことだ?
燕は確かに人…。…いや姿が人だっただけか?蝶が人になったように…、もしかすると燕はツバメだったのかもしれない。ってなると、あのおじいさん、おばあさんは…?
けれど今はそんなことどうでもいい。
海渡『…そうだな。確かにそうかもしれない。』
海渡『けれど他の世界にはいるかもしれないでしょ?』
蝶『…なんと言いたい。』
海渡『俺がもし他の世界から来た[太字]人間[/太字]だとしたらどうする?』
蝶『…燕よ。やはり人間がいるとはあり得ない。我はこの世界を数えきれないほど生き、その一生涯、人間など幻と信じられてきた。人間はただの幻…そう。そうなんじゃ。』
じゃあおじいさん、おばあさんも人間ではない。けれどおじいさんは蝶のことを知っていた。…もしかして、蝶は邪悪な生き物だったのかもしれない。蝶如きでそんなに遠くに行くなという忠告も不自然と感じた。
俺は蝶に尋ねた。
海渡『ここら辺に住んでいる老夫婦を知っているか?』
蝶『ああ、アイツらか。米の神と布の神じゃな。』
蝶『あまりいい思い出はない。なんせあの二人は…。って、お前何故老夫婦のことを?あいつらは…、もう生きていないはずだ。』
生きていない?
海渡『…どういうことだ蝶。』
蝶『アイツらは我が息の根を止めた。』
蝶『だから生きてい…』
海渡『最後に聞きたいことがある。蝶は俺の敵か?』
蝶『…そうだったら、もう襲っているであろう。…人間と名乗るツバメ。実に面白い。別に我は貴様と戦う意志はない。争いもつまらなくなってきた年齢でな。』
おばあさんとおじいさんはもういない。けれど、俺が見ていたのは幽霊?
面白くもないが、"燕にとってはどうだろうか。"
海渡『蝶。俺は燕じゃない。』
蝶『ん?燕と言ったのは嘘か?』
海渡『確かに"今"は燕。けれども、今喋っている燕は燕じゃない。俺は燕という一生を送ってしまっている。この世界の生き物ではない人間だ。』
蝶『…成程。それなら辻褄が合うか。』
蝶『詳しく話を聞こう。我の蝶ハウスで。』
俺はいつのまにか、『燕』という人間になり、燕の人生を送っている。作り話みたいなことなので信じられないかもしれないが、僕も最初は信じられなかった部分がある。それに、女神のことも心配だ。なんとかして、元の自分『草野海渡』に戻らなければならない。
太陽の光が、俺を照らしている。開いていた窓からシジュウカラがやってきた。黒いネクタイ模様がとても美しい。だが、少し時間が経っただけでシジュウカラは飛んでいってしまった。
…そういえば、燕になってから外に出たことがないかもしれない。丁度いい。外の空気も思う存分吸いたかったところだし、気分転換に外に出てみよう。
俺は燕の部屋を出たあと、玄関を出ようとした。その時だった。
おじいさん『何してる。』
燕のおじいさんだ。さっきソファーでくつろいでいたが、そのくつろぎタイムは終わっていたようだ。まあ話しかけてくれたってことは、これも仲を深めるいいチャンスと思った。
海渡『外の空気を吸おうと気分転換に外へ。』
おじいさん『…あんまり遠くには行っちゃあかん。…蝶がおる。』
蝶?…まあいいや。俺はおじいさんの言葉はあまり気にせずに外に出た。遠くにはあまり行っちゃダメということは分かったが、蝶の話に関してはよくわからなかった。
空気が美味しい。異世界とは大違い。異世界なんて空気も汚れていて、治安も悪い、どこかで激しい争い、酷い誹謗中傷は絶えない。
目の前には草原が広がっていた。俺は外で寝転がった。太陽が実に眩しく、ここで寝ても構わないほど気持ちいい場所だった。
寝転がっていると、目の前に綺麗な蝶が現れた。水色、空色、青色という綺麗な色が混ざったような羽の色をしている。…蝶?蝶って確か…
[太字]…蝶がおる。[/太字]
…蝶がいて何か悪いことがあるのだろうか。
[下線][太字]『いい青年だなぁ!食べ頃じゃ!』[/太字][/下線]
!?
何処かから声が…!!目の前にいたのは、若い少女だった。髪がとても長い。
蝶『我は蝶の神、名は[漢字]嬢[/漢字][ふりがな]じょう[/ふりがな]と申す。』
蝶『お主、名はなんというか?』
蝶の神が喋り、しかも蝶は人になり、いったいどういうことだ…。でも異世界じゃ普通か?魔王とか色々いるし。けれど蝶が喋ることなんて聞いたことが…
蝶『おい貴様!我の言動を無視するな!』
海渡『ああいいよわかったよ。俺は燕。』
蝶『燕かぁ!鳥が人化したものであろうか?』
海渡『いや人間だから。』
蝶は首を傾げた。…そして大笑いした。
蝶『あーっはっはっ!!w。人間なんてこの世界には存在しないはずじゃ!!』
どういうことだ?
燕は確かに人…。…いや姿が人だっただけか?蝶が人になったように…、もしかすると燕はツバメだったのかもしれない。ってなると、あのおじいさん、おばあさんは…?
けれど今はそんなことどうでもいい。
海渡『…そうだな。確かにそうかもしれない。』
海渡『けれど他の世界にはいるかもしれないでしょ?』
蝶『…なんと言いたい。』
海渡『俺がもし他の世界から来た[太字]人間[/太字]だとしたらどうする?』
蝶『…燕よ。やはり人間がいるとはあり得ない。我はこの世界を数えきれないほど生き、その一生涯、人間など幻と信じられてきた。人間はただの幻…そう。そうなんじゃ。』
じゃあおじいさん、おばあさんも人間ではない。けれどおじいさんは蝶のことを知っていた。…もしかして、蝶は邪悪な生き物だったのかもしれない。蝶如きでそんなに遠くに行くなという忠告も不自然と感じた。
俺は蝶に尋ねた。
海渡『ここら辺に住んでいる老夫婦を知っているか?』
蝶『ああ、アイツらか。米の神と布の神じゃな。』
蝶『あまりいい思い出はない。なんせあの二人は…。って、お前何故老夫婦のことを?あいつらは…、もう生きていないはずだ。』
生きていない?
海渡『…どういうことだ蝶。』
蝶『アイツらは我が息の根を止めた。』
蝶『だから生きてい…』
海渡『最後に聞きたいことがある。蝶は俺の敵か?』
蝶『…そうだったら、もう襲っているであろう。…人間と名乗るツバメ。実に面白い。別に我は貴様と戦う意志はない。争いもつまらなくなってきた年齢でな。』
おばあさんとおじいさんはもういない。けれど、俺が見ていたのは幽霊?
面白くもないが、"燕にとってはどうだろうか。"
海渡『蝶。俺は燕じゃない。』
蝶『ん?燕と言ったのは嘘か?』
海渡『確かに"今"は燕。けれども、今喋っている燕は燕じゃない。俺は燕という一生を送ってしまっている。この世界の生き物ではない人間だ。』
蝶『…成程。それなら辻褄が合うか。』
蝶『詳しく話を聞こう。我の蝶ハウスで。』
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