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※本作品の作者は、この作品において自演コメントなどは一切しておりません。ご理解の程宜しくお願いします。

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異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。

#70

第五章『君が愛する家族』十話「燕とツバメ」

今、俺はベッドで寝転がっている。

俺はいつのまにか、『燕』という人間になり、燕の人生を送っている。作り話みたいなことなので信じられないかもしれないが、僕も最初は信じられなかった部分がある。それに、女神のことも心配だ。なんとかして、元の自分『草野海渡』に戻らなければならない。

太陽の光が、俺を照らしている。開いていた窓からシジュウカラがやってきた。黒いネクタイ模様がとても美しい。だが、少し時間が経っただけでシジュウカラは飛んでいってしまった。

…そういえば、燕になってから外に出たことがないかもしれない。丁度いい。外の空気も思う存分吸いたかったところだし、気分転換に外に出てみよう。

俺は燕の部屋を出たあと、玄関を出ようとした。その時だった。

おじいさん『何してる。』

燕のおじいさんだ。さっきソファーでくつろいでいたが、そのくつろぎタイムは終わっていたようだ。まあ話しかけてくれたってことは、これも仲を深めるいいチャンスと思った。

海渡『外の空気を吸おうと気分転換に外へ。』

おじいさん『…あんまり遠くには行っちゃあかん。…蝶がおる。』

蝶?…まあいいや。俺はおじいさんの言葉はあまり気にせずに外に出た。遠くにはあまり行っちゃダメということは分かったが、蝶の話に関してはよくわからなかった。

空気が美味しい。異世界とは大違い。異世界なんて空気も汚れていて、治安も悪い、どこかで激しい争い、酷い誹謗中傷は絶えない。

目の前には草原が広がっていた。俺は外で寝転がった。太陽が実に眩しく、ここで寝ても構わないほど気持ちいい場所だった。

寝転がっていると、目の前に綺麗な蝶が現れた。水色、空色、青色という綺麗な色が混ざったような羽の色をしている。…蝶?蝶って確か…

[太字]…蝶がおる。[/太字]

…蝶がいて何か悪いことがあるのだろうか。

[下線][太字]『いい青年だなぁ!食べ頃じゃ!』[/太字][/下線]

!?

何処かから声が…!!目の前にいたのは、若い少女だった。髪がとても長い。

蝶『我は蝶の神、名は[漢字]嬢[/漢字][ふりがな]じょう[/ふりがな]と申す。』

蝶『お主、名はなんというか?』

蝶の神が喋り、しかも蝶は人になり、いったいどういうことだ…。でも異世界じゃ普通か?魔王とか色々いるし。けれど蝶が喋ることなんて聞いたことが…

蝶『おい貴様!我の言動を無視するな!』

海渡『ああいいよわかったよ。俺は燕。』

蝶『燕かぁ!鳥が人化したものであろうか?』

海渡『いや人間だから。』

蝶は首を傾げた。…そして大笑いした。

蝶『あーっはっはっ!!w。人間なんてこの世界には存在しないはずじゃ!!』

どういうことだ?

燕は確かに人…。…いや姿が人だっただけか?蝶が人になったように…、もしかすると燕はツバメだったのかもしれない。ってなると、あのおじいさん、おばあさんは…?

けれど今はそんなことどうでもいい。

海渡『…そうだな。確かにそうかもしれない。』

海渡『けれど他の世界にはいるかもしれないでしょ?』

蝶『…なんと言いたい。』

海渡『俺がもし他の世界から来た[太字]人間[/太字]だとしたらどうする?』

蝶『…燕よ。やはり人間がいるとはあり得ない。我はこの世界を数えきれないほど生き、その一生涯、人間など幻と信じられてきた。人間はただの幻…そう。そうなんじゃ。』

じゃあおじいさん、おばあさんも人間ではない。けれどおじいさんは蝶のことを知っていた。…もしかして、蝶は邪悪な生き物だったのかもしれない。蝶如きでそんなに遠くに行くなという忠告も不自然と感じた。

俺は蝶に尋ねた。

海渡『ここら辺に住んでいる老夫婦を知っているか?』

蝶『ああ、アイツらか。米の神と布の神じゃな。』

蝶『あまりいい思い出はない。なんせあの二人は…。って、お前何故老夫婦のことを?あいつらは…、もう生きていないはずだ。』

生きていない?

海渡『…どういうことだ蝶。』

蝶『アイツらは我が息の根を止めた。』

蝶『だから生きてい…』

海渡『最後に聞きたいことがある。蝶は俺の敵か?』

蝶『…そうだったら、もう襲っているであろう。…人間と名乗るツバメ。実に面白い。別に我は貴様と戦う意志はない。争いもつまらなくなってきた年齢でな。』

おばあさんとおじいさんはもういない。けれど、俺が見ていたのは幽霊?

面白くもないが、"燕にとってはどうだろうか。"

海渡『蝶。俺は燕じゃない。』

蝶『ん?燕と言ったのは嘘か?』

海渡『確かに"今"は燕。けれども、今喋っている燕は燕じゃない。俺は燕という一生を送ってしまっている。この世界の生き物ではない人間だ。』

蝶『…成程。それなら辻褄が合うか。』

蝶『詳しく話を聞こう。我の蝶ハウスで。』

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作者メッセージ

読んでいただきありがとうございます…!
合計70話…よく書いたな自分…
続きもよろしくお願いします…!

2023/11/07 13:27

縺薙≠繧九s ID:≫96wmVG3mf6twQ
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