文字サイズ変更

お互い「だけを忘れた」2人の物語

#4


「あの、事故って…?」
「もしかして覚えてないの?」
「…はい…良かったら、聞きたいです」
「そうね…貴方は、夜に事故に遭ったのよ」
「夜…ですか」
「えぇ、彼氏?みたいな男の子と一緒に」
「…彼、氏…っ?」


え、今「カレシ」って?言った…?
あの彼氏?私に…!?


「ええ、貴方は重症だったからここに来たけど」
「その子は、どこへ?」
「貴方が庇ってくれたみたいで、軽症だったわ」
「良かった…っ」


…誰なのか分かってないのは、黙っとこ…


「そうね。本当に良かった」
「はい…!」
「そうだ、その子は△△病院に行ったと思うわよ」
「△△病院、か…」
「とりあえず、今は怪我を治しましょ?」
「え、あ…そうですね」
「お父様にお電話を入れたから、もうすぐ来ると思うわ」
「ありがとうございます」


…△△病院…!家の近く…
退院したら行こう…っ!


―――…


「葵〜〜〜ッ!!」


私は、大変なリハビリを経て学校へ行った。


「ごめんね、咲希っ。」
「ほんとに!引っ越し間近に事故なんて…」
「え、引っ越しっ?」
「忘れたの?2週間後に引っ越すんでしょ?」
「え、あぁ!そうそうっ」
「もー心配させないでよねっ!笑」


引っ越し…!?そういえば、あったかも…
でも、こんな突然…っ


「ごめんってばぁ、咲希っ」
「もう、次はないぞっ?」
「りょーかいです、隊長っ!」
「あは、なにそれー!」
「なんとなく〜♪」


…楽しいな、久しぶりに話せて…


「そういえば彼氏は?無事?」
「…えっ?」
「一緒に事故に遭ったって聞いたよ?」
「…あっ、そうなの!でも無事って聞いたし」
「そう?なら良かった〜!」
「…ね、ねぇ」
「んっ?」
「彼の名前って、なんだっけ…?」
「…」


さ、流石に不自然すぎ…!?


「もう、葵ったら忘れん坊だなぁっ」
「あは、ごめんごめん…!」
「碧井蒼汰。他校だけど同い年だよ?」
「流石に年齢くらい分かるってば」
「可能性あるかも〜と思って?」
「そこまで忘れないもん!」
「葵様ごめんなさぁーいっ!」
「もう…っ!!」


…碧井、蒼汰…か


―――…



久しぶりの学校、楽しかったな。
皆元気そうで良かった〜…!

…あ、そうだ!△△病院に行くんだった!
まだ入院してるかな…?





「碧井蒼汰君なら、もう退院したわよ」
「そ、そうですか…良かった…!」


いやいや、良くない!
会えてないってばーーっ!!


「もしかして、一緒に事故に遭ったっていう…?」
「…っ、はい!倉本葵ですっ」
「そうなのね、良かったわ…!」
「はい、本当にありがとうございます」
「私達が助けたんじゃないわよ」
「それでも、です」
「あ…でも、もう碧井さんとは連絡取れないかも」
「え…!?」
「退院したし、家とは遠めみたいだったから…」
「そう、なんですか…」
「探しているの?」
「はい…でも、見つからなくって」


…忘れてる…だけだけど…
相手が、覚えてくれているなら…!


「そうねぇ…こっちでも連絡取れないか、少しやってみるわ」
「え…?わ、わざわざそこまで…!」
「良いのよ!力になりたいもの」
「…!ありがとうございますっ」


…連絡…!!
本当に有り難い。ヒントも、与えてくれて…!

仮にも「彼氏」なら、連絡先くらい
持ってても良いよね?
そこから連絡すれば、繋がるかも…?

作者メッセージ

翠です!
今回は葵ちゃんのお友達も登場しましたね。
2人共連絡先というヒントに辿り着いて良かった…。

葵が引っ越すまで、残り2週間。
その間に、2人は出会う事が出来るのだろうか?


〜次回予告〜

「よし、碧井蒼汰くんに連絡を…!」

「倉本葵に連絡を…っ」


「「あれ…?つ、繋がらない…!?」」

2025/05/15 15:46

ID:≫ 57KTjie78SjFM
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 4

コメント
[3]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL