麗奈:えっと...初めまして。
麗奈:お、お名前は？
⁇:俺は、悠里と申します。
悠里:麗奈さんの新しい相棒として配属されました。
麗奈:そうなんですね。
⁇:じゃ、改めてよろしく頼むね。
麗奈:…ボス...いや、
麗奈:楓河
楓河:ふっ、麗奈が呼び捨てなんて珍しいね。
麗奈:…さっきの言葉、どう言うことですか？
楓河:ん？あぁ、そのまんまの意味だけど？
麗奈:っ...！
麗奈:悠里さん、行きましょう...
悠里:…はい
楓河:……(ﾆｺｯ
麗奈:……

ボスの部屋を出てからは気まずい空気が流れていた。
その気まずさを破ったのが

悠里:…あの…麗奈さん

悠里さんだった

麗奈:なんですか？
悠里:元相棒って、晴斗でしたっけ？
麗奈:あぁ、そうですが
悠里:…その人のことを気にしているようですが...
悠里:何か事情が？
麗奈:別に、裏切った奴に何の感情も抱いていません。
悠里:…本当に？
麗奈:…一つ言えることは...

麗奈:『殺したいくらいに憎い』
麗奈:ですかね。
悠里:っ...
麗奈:まぁ、もう良いんですよ
麗奈:消えたのは５年前ですし、５年も引きずるほど面倒な女じゃないですから
悠里:…そうですか。


–悠里視点–
麗奈:５年も引きずるほど面倒な女じゃないですから
悠里:…そうですか。

嘘だ。
この人は嘘が下手くそなんだろう。
今でも引きずってるに違いない。

麗奈:さぁ、行きましょう
悠里:…はい

俺は初めて麗奈さんと対面した時、この人はずっと悲しそうだった。
相棒に裏切られたことがショックなんだろうな。
俺なら...そんな思いさせないのに

...ん？なんでこんな感情...が？
...いや、どうでも良い
裏社会にこんな感情は必要ない
きっとこの感情は...

『何かの嘘だ。』