色がない世界で
麗香視点
麗「…またややこしい話にしてしまい、申し訳ないです。」
美「いいえ。大丈夫ですよ。」
麗「それで…土鈴街を仕切っていたのが伊藤颯太。肇の二人目の妻との子供です。その名前は伊藤玲奈(いとうれな)。」
麗「当時の私は、柚子園から土鈴街まで逃げてきたものの、途方にくれていました。その時に、手を取ってくれたんです。」
過去編
麗香視点
麗「はぁ…はぁ…。」
?「大丈夫?息切れまくってるけど…」
麗「あなたも施設の仲間?はやく答えなさいよ!」
?「まぁまぁ…ちょっと落ち着いて…」
麗「落ち着けって?できるわけないでしょ!?今殺されかけてたのに!」
麗「あんたにはわかんないかもしれないけどね、私の人生は全部あの施設に壊された。」
麗「まぁ、あんたはあの施設に行ったことないからわかんないかもしれないけど…」
麗「偽善押し付けられても困る。」
?「あー、なんか勘違いしているみたいだね。」
?「僕は君の言っている”施設”出身だけど?」
麗「児童養護施設のことじゃないわよね?」
?「うん。違うよ。君のいたところと多分一緒。」
麗「はぁ…もういいわ。ここらに泊まれるホテルとかない?」
?「あるけど…君、どう考えてもお金持ってないよね?」
麗「…そりゃそうよ。命からがら逃げてきたんだし。」
?「じゃあ、いいや。僕の事務所に案内する。ついてきなよ。」
?「ほら。」
そういって彼は手を差し伸べた。
私にはそれが光に見えた。
?「はい、ここだよ。」
?「ものを壊す以外ならなんでもしていいよ。適当に出入りしてもいいし。」
麗「…ありがと。」
?「大丈夫。とりあえず今日は休みな。おなかがすいたら冷蔵庫開けて適当に食べて。僕はちょっと、もう一人助けてくるから。」
麗「あ、ちょ…!」
ガチャ
彼は夏に散る花のように、どこかへ飛んで行ってしまった。
現在
麗「…出会いはこんな感じでした。そこから仲良くなり、瑞希とも仲良くなっていきました。」
美「伊藤颯太さんの所在は知っていますか…?」
麗「そのことについてなのですが…」
[太字]麗「彼は4年ほど前に、心臓病で死にました。」[/太字]
美「えっ…?」
麗「だから、彼はもうこの世にいません。」
美「そんな…」
麗「彼がどんなことを抱えて、今までどのように生きていたのか。すべてはわかりませんが、彼の残したとある動画をお見せします。」
彼の家にあった謎のUSBメモリー。
私が一人で見た衝撃の映像。
颯太は第三者に見せるためにこれを残したわけじゃないんだろうけど…
それでも…
[太字]瑞希を救わなきゃいけないの…。[/太字]
許してほしい…。
あの時の思い出も、つらい出来事も。
すべてこの映像の中に詰め込まれているように、鮮明にあの[漢字]時間[/漢字][ふりがな]とき[/ふりがな]を思い出せる。
ポチッ
颯「あー、あー、聞こえてる?」
颯「一応僕になにか合った時のためにこれを残してる。」
颯「とはいっても、これを見るのは麗香か瑞希だけだろうけどw」
颯「初めましての人は初めまして。深影、及び伊藤颯太です。」
颯「もう颯太っていう名前は捨てたんだけど…一応。」
颯「とりあえず、今の僕の現状を教えるね。」
颯「僕はばりばり病気にかかっていて、心臓病と失感情症っていうのにかかってる。」
颯「んで、まぁなんとなくなんだけど、もうそろそろ死にそうだなーって感じ。」
颯「これを誰かが見ているときに僕は生きてるのかな…」
颯「生きてないだろうなぁ…wまぁ、こんなことは置いといて…」
颯「僕の父親は、九条肇。そう株式会社○○の取締役社長。そして母親は伊藤玲奈。」
颯「まぁそれで、運悪くホスト好きの母さんに親権渡っちゃって、お金なくなっちゃってどうでもよくなっちゃって、柚子園に行ったんだよねw」
颯「そっから土鈴街で仲間作りまくって、そういう組織作って、みんなの願いをかなえるために頑張ってるって感じかなー。」
颯「んで、こっからが本題。」
颯「僕は今見ている君に、叶えてほしい夢がある。」
颯「それは…」
[太字]颯「九条肇に会って、僕の存在を知らせてくれ。」[/太字]
颯「どんな形でもいい。何十年経ってもいい。僕が死んだ後でもいい。それでもいいから…。」
颯「あ、僕の存在を知らせる前に僕のこと覚えてるかも聞いといてよ?w」
颯「まぁ…こんなところかな。」
颯「…なんか一人語りするのは苦手だから、ちょっと恥ずかしかったけど結構面白かったよ。んじゃ、また会えたら。」
颯「…もし僕が死んでたら、[漢字]天国[/漢字][ふりがな]あっち[/ふりがな]で待ってるね。」
ポロン
麗「…これが、彼が生前残した映像です。」
美「…そのUSBいただけますか?」
麗「もちろんです。」
麗「あと…まだまだ話さないといけないことが大量にあってですね…」
麗「残業させてしまい、申し訳ないです…。」
美「いえ…大丈夫ですよ。私たち刑事は、事件を解決させるためにいるんです。人の話を聞くくらい、たやすい御用ですよ。」
麗「…私はあの颯太の話を聞いた約3年後、瑞希と一緒に株式会社○○に入社して、今、働き始めました。」
美「…このことが肇に伝わったら…。」
麗「その時はちゃんとお話しします。すべて。」
美「…とりあえず今日はもう遅いですし…お帰りになられては?」
美「それと…自分の身はしっかり守ってください。実の弟だと言えどなにをしでかすかはわかりませんから。」
麗「そうですね…ありがとうございました。また聞きたいことがありましたら呼んでください。」
麗「…またややこしい話にしてしまい、申し訳ないです。」
美「いいえ。大丈夫ですよ。」
麗「それで…土鈴街を仕切っていたのが伊藤颯太。肇の二人目の妻との子供です。その名前は伊藤玲奈(いとうれな)。」
麗「当時の私は、柚子園から土鈴街まで逃げてきたものの、途方にくれていました。その時に、手を取ってくれたんです。」
過去編
麗香視点
麗「はぁ…はぁ…。」
?「大丈夫?息切れまくってるけど…」
麗「あなたも施設の仲間?はやく答えなさいよ!」
?「まぁまぁ…ちょっと落ち着いて…」
麗「落ち着けって?できるわけないでしょ!?今殺されかけてたのに!」
麗「あんたにはわかんないかもしれないけどね、私の人生は全部あの施設に壊された。」
麗「まぁ、あんたはあの施設に行ったことないからわかんないかもしれないけど…」
麗「偽善押し付けられても困る。」
?「あー、なんか勘違いしているみたいだね。」
?「僕は君の言っている”施設”出身だけど?」
麗「児童養護施設のことじゃないわよね?」
?「うん。違うよ。君のいたところと多分一緒。」
麗「はぁ…もういいわ。ここらに泊まれるホテルとかない?」
?「あるけど…君、どう考えてもお金持ってないよね?」
麗「…そりゃそうよ。命からがら逃げてきたんだし。」
?「じゃあ、いいや。僕の事務所に案内する。ついてきなよ。」
?「ほら。」
そういって彼は手を差し伸べた。
私にはそれが光に見えた。
?「はい、ここだよ。」
?「ものを壊す以外ならなんでもしていいよ。適当に出入りしてもいいし。」
麗「…ありがと。」
?「大丈夫。とりあえず今日は休みな。おなかがすいたら冷蔵庫開けて適当に食べて。僕はちょっと、もう一人助けてくるから。」
麗「あ、ちょ…!」
ガチャ
彼は夏に散る花のように、どこかへ飛んで行ってしまった。
現在
麗「…出会いはこんな感じでした。そこから仲良くなり、瑞希とも仲良くなっていきました。」
美「伊藤颯太さんの所在は知っていますか…?」
麗「そのことについてなのですが…」
[太字]麗「彼は4年ほど前に、心臓病で死にました。」[/太字]
美「えっ…?」
麗「だから、彼はもうこの世にいません。」
美「そんな…」
麗「彼がどんなことを抱えて、今までどのように生きていたのか。すべてはわかりませんが、彼の残したとある動画をお見せします。」
彼の家にあった謎のUSBメモリー。
私が一人で見た衝撃の映像。
颯太は第三者に見せるためにこれを残したわけじゃないんだろうけど…
それでも…
[太字]瑞希を救わなきゃいけないの…。[/太字]
許してほしい…。
あの時の思い出も、つらい出来事も。
すべてこの映像の中に詰め込まれているように、鮮明にあの[漢字]時間[/漢字][ふりがな]とき[/ふりがな]を思い出せる。
ポチッ
颯「あー、あー、聞こえてる?」
颯「一応僕になにか合った時のためにこれを残してる。」
颯「とはいっても、これを見るのは麗香か瑞希だけだろうけどw」
颯「初めましての人は初めまして。深影、及び伊藤颯太です。」
颯「もう颯太っていう名前は捨てたんだけど…一応。」
颯「とりあえず、今の僕の現状を教えるね。」
颯「僕はばりばり病気にかかっていて、心臓病と失感情症っていうのにかかってる。」
颯「んで、まぁなんとなくなんだけど、もうそろそろ死にそうだなーって感じ。」
颯「これを誰かが見ているときに僕は生きてるのかな…」
颯「生きてないだろうなぁ…wまぁ、こんなことは置いといて…」
颯「僕の父親は、九条肇。そう株式会社○○の取締役社長。そして母親は伊藤玲奈。」
颯「まぁそれで、運悪くホスト好きの母さんに親権渡っちゃって、お金なくなっちゃってどうでもよくなっちゃって、柚子園に行ったんだよねw」
颯「そっから土鈴街で仲間作りまくって、そういう組織作って、みんなの願いをかなえるために頑張ってるって感じかなー。」
颯「んで、こっからが本題。」
颯「僕は今見ている君に、叶えてほしい夢がある。」
颯「それは…」
[太字]颯「九条肇に会って、僕の存在を知らせてくれ。」[/太字]
颯「どんな形でもいい。何十年経ってもいい。僕が死んだ後でもいい。それでもいいから…。」
颯「あ、僕の存在を知らせる前に僕のこと覚えてるかも聞いといてよ?w」
颯「まぁ…こんなところかな。」
颯「…なんか一人語りするのは苦手だから、ちょっと恥ずかしかったけど結構面白かったよ。んじゃ、また会えたら。」
颯「…もし僕が死んでたら、[漢字]天国[/漢字][ふりがな]あっち[/ふりがな]で待ってるね。」
ポロン
麗「…これが、彼が生前残した映像です。」
美「…そのUSBいただけますか?」
麗「もちろんです。」
麗「あと…まだまだ話さないといけないことが大量にあってですね…」
麗「残業させてしまい、申し訳ないです…。」
美「いえ…大丈夫ですよ。私たち刑事は、事件を解決させるためにいるんです。人の話を聞くくらい、たやすい御用ですよ。」
麗「…私はあの颯太の話を聞いた約3年後、瑞希と一緒に株式会社○○に入社して、今、働き始めました。」
美「…このことが肇に伝わったら…。」
麗「その時はちゃんとお話しします。すべて。」
美「…とりあえず今日はもう遅いですし…お帰りになられては?」
美「それと…自分の身はしっかり守ってください。実の弟だと言えどなにをしでかすかはわかりませんから。」
麗「そうですね…ありがとうございました。また聞きたいことがありましたら呼んでください。」
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