色がない世界で
麗香視点
『今日は何のご用で?』
麗「…最近発生した都内〇〇アパート殺害事件について、お話があります…。」
『…かしこまりました。担当の刑事をお呼びします。取調室までご案内します。』
『ではこちらでお待ちください。』
麗「はい…ありがとうございます。」
私は少しだけ考えていた。
あんなにも恨めしいと思っていた、警察というものに頼るというのは
過去の私を裏切っている、ということになる。
それでも、今から過去に戻って過去の私に全てを教えたら、きっと同じことをするはず。
だって、''私''だから。
?「お待たせしました。」
美「申し遅れました、私警察署の殺人事件等を担当しております、閃来美琴(せんらみこと)と申します。」
麗「…初めまして。麗香と申します。」
美「それで、例のことについて。さっそく話していただけますか?」
麗「はい…。都内〇〇アパート殺人事件の犯人は…。」
麗「私の…実の弟なんです。」
美「…証拠は、ございますか?」
麗「えぇ…。これが、彼の使った凶器です。手袋も…。」
麗「それと…犯行当時使用していた靴です。この靴ですが…彼は多分靴下の状態で九条を殺害した、と私は見ています…。少しでもいいからなにか付着してるかと思いましたが、なにも検出できませんでした。ただ…。」
美「ただ…?」
麗「〇〇アパートの駐車場の砂利と同じ成分が検出されました。」
全ての証拠と共に検出された、と証明できる紙を用意した。
美「…よくここまで証拠を…。」
麗「頑張りました…一般人なりに。」
美「…貴方はお辛くないんですか…?弟さんが逮捕されるんです。実際現場にはなにも検出されなかった。麗香さんが私に言わなければ、彼は完全犯罪が可能だったんです。」
美「それでも…貴方は彼を…。」
麗「助けるためです。それと…贖罪のためなんです。」
美「贖罪…?」
麗「…ここからは少し逸れますが、私たちの生い立ちと家族と今までについて話します。」
麗「私の…私たちの肉親は…株式会社〇〇社長のの九条肇と九条彩奈…いえ、木田彩奈です。簡単に言うと、肇の最初の妻との子供…といえばわかるでしょうか…。」
美「貴方が…九条肇の…子供…?」
麗「…私と弟の検査結果です。」
美「…。」
美「で、でも九条肇との子供はすでに4人いるのでは…?」
麗「えぇ、その通りです。ですが、その4人は''今''の妻との子供です。」
美「…。」
麗「…これじゃあ、誰が殺したのだと。そうなりますよね?」
麗「…私の双子の弟、そして16年前に失踪した…。」
麗「藤那瑞希、九条家の中での本名は九条神楽です。」
美「16年前…貴方も…?」
麗「えぇ。16年前にとあるところへ誘拐され、見つからないままだったんです。」
麗「…それと参考程度ですが、私の本名も。私は藤那麗香、そして九条朱音です。」
美「なるほど…。誘拐先は…?」
麗「誘拐先は…遊来園(ゆうらいえん)。ぱっと見普通の児童養護施設ですが、実は闇の世界と繋がり子供の人身売買をされているんです。…前に警察が調べようとしたところ、その警察が殺された、という事件もあったのです。」
美「遊来園…警察が死んだ…もしかして、警察官怪死事件ですか?」
麗「はい…なぜご存知で?かなり前の話だと思うのですが…。」
美「私は今、現在進行形で起きている事件はもちろんですが、未解決事件なども調べているんです。…私は警察の腐っている部分を、無くしたいから。」
麗「…ふふっ。やはり警察も捨てたものじゃないですね。」
美「えぇ…笑 私は誰よりも正義感があると、確信しているので。」
麗「…話を戻します。その遊来園に瑞希が攫われました。」
麗「幸いなことに、彼は人身売買はされなかったものの、そこに待っていたのは…。」
麗「生き地獄でした。暴力はもちろんのこと、強姦や食事を与えなかったんです。そして、脱走したら強制的に連れ戻され、さらにひどく暴力を振ったと彼から聞きました。」
美「麗香さんは…?」
麗「彼ほどひどくはないものの…違う場所に攫われ、暴力や食事を与えてくれませんでした。」
美「…麗香さんの施設は?」
麗「柚子園(ゆずえん)です。ほとんど遊来園と同じような施設でした…。」
美「類似施設、と言ったところでしょうか…。」
麗「そうですね…。」
麗「そこから…2人とも奇跡的に逃げ切り、とある街で暮らすことになりました。」
美「とある街…?」
麗「土鈴街(どれいまち)…通称奴隷街です。」
美「あんな街になぜ…?」
麗「あそこしか…!希望がなかったからです…。」
美「そんな…。」
麗「そこで、とある人に出会いました。」
麗「私の恩人、そして私の大切な…。」
麗「もう1人の弟に出会いました。」
『今日は何のご用で?』
麗「…最近発生した都内〇〇アパート殺害事件について、お話があります…。」
『…かしこまりました。担当の刑事をお呼びします。取調室までご案内します。』
『ではこちらでお待ちください。』
麗「はい…ありがとうございます。」
私は少しだけ考えていた。
あんなにも恨めしいと思っていた、警察というものに頼るというのは
過去の私を裏切っている、ということになる。
それでも、今から過去に戻って過去の私に全てを教えたら、きっと同じことをするはず。
だって、''私''だから。
?「お待たせしました。」
美「申し遅れました、私警察署の殺人事件等を担当しております、閃来美琴(せんらみこと)と申します。」
麗「…初めまして。麗香と申します。」
美「それで、例のことについて。さっそく話していただけますか?」
麗「はい…。都内〇〇アパート殺人事件の犯人は…。」
麗「私の…実の弟なんです。」
美「…証拠は、ございますか?」
麗「えぇ…。これが、彼の使った凶器です。手袋も…。」
麗「それと…犯行当時使用していた靴です。この靴ですが…彼は多分靴下の状態で九条を殺害した、と私は見ています…。少しでもいいからなにか付着してるかと思いましたが、なにも検出できませんでした。ただ…。」
美「ただ…?」
麗「〇〇アパートの駐車場の砂利と同じ成分が検出されました。」
全ての証拠と共に検出された、と証明できる紙を用意した。
美「…よくここまで証拠を…。」
麗「頑張りました…一般人なりに。」
美「…貴方はお辛くないんですか…?弟さんが逮捕されるんです。実際現場にはなにも検出されなかった。麗香さんが私に言わなければ、彼は完全犯罪が可能だったんです。」
美「それでも…貴方は彼を…。」
麗「助けるためです。それと…贖罪のためなんです。」
美「贖罪…?」
麗「…ここからは少し逸れますが、私たちの生い立ちと家族と今までについて話します。」
麗「私の…私たちの肉親は…株式会社〇〇社長のの九条肇と九条彩奈…いえ、木田彩奈です。簡単に言うと、肇の最初の妻との子供…といえばわかるでしょうか…。」
美「貴方が…九条肇の…子供…?」
麗「…私と弟の検査結果です。」
美「…。」
美「で、でも九条肇との子供はすでに4人いるのでは…?」
麗「えぇ、その通りです。ですが、その4人は''今''の妻との子供です。」
美「…。」
麗「…これじゃあ、誰が殺したのだと。そうなりますよね?」
麗「…私の双子の弟、そして16年前に失踪した…。」
麗「藤那瑞希、九条家の中での本名は九条神楽です。」
美「16年前…貴方も…?」
麗「えぇ。16年前にとあるところへ誘拐され、見つからないままだったんです。」
麗「…それと参考程度ですが、私の本名も。私は藤那麗香、そして九条朱音です。」
美「なるほど…。誘拐先は…?」
麗「誘拐先は…遊来園(ゆうらいえん)。ぱっと見普通の児童養護施設ですが、実は闇の世界と繋がり子供の人身売買をされているんです。…前に警察が調べようとしたところ、その警察が殺された、という事件もあったのです。」
美「遊来園…警察が死んだ…もしかして、警察官怪死事件ですか?」
麗「はい…なぜご存知で?かなり前の話だと思うのですが…。」
美「私は今、現在進行形で起きている事件はもちろんですが、未解決事件なども調べているんです。…私は警察の腐っている部分を、無くしたいから。」
麗「…ふふっ。やはり警察も捨てたものじゃないですね。」
美「えぇ…笑 私は誰よりも正義感があると、確信しているので。」
麗「…話を戻します。その遊来園に瑞希が攫われました。」
麗「幸いなことに、彼は人身売買はされなかったものの、そこに待っていたのは…。」
麗「生き地獄でした。暴力はもちろんのこと、強姦や食事を与えなかったんです。そして、脱走したら強制的に連れ戻され、さらにひどく暴力を振ったと彼から聞きました。」
美「麗香さんは…?」
麗「彼ほどひどくはないものの…違う場所に攫われ、暴力や食事を与えてくれませんでした。」
美「…麗香さんの施設は?」
麗「柚子園(ゆずえん)です。ほとんど遊来園と同じような施設でした…。」
美「類似施設、と言ったところでしょうか…。」
麗「そうですね…。」
麗「そこから…2人とも奇跡的に逃げ切り、とある街で暮らすことになりました。」
美「とある街…?」
麗「土鈴街(どれいまち)…通称奴隷街です。」
美「あんな街になぜ…?」
麗「あそこしか…!希望がなかったからです…。」
美「そんな…。」
麗「そこで、とある人に出会いました。」
麗「私の恩人、そして私の大切な…。」
麗「もう1人の弟に出会いました。」
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