糖花のような恋に落つ
「おいバアちゃん、店番終わったぞ」
「おお、●●くん、毎日ありがとうねえ」
あいつらが来てから数時間後。今はもう、あんなに明るかった日も沈みそうになり、夕方だ。
いつも通り、駄菓子屋の裏にいつもいるバアちゃんを呼んで、小遣いをもらう。
「本当に、毎日ありがとうねえ」
「別にいいよ。大学の日以外はやる事なんて基本ねえし」
「そうかい?お友達と遊んだりとか……」
「…………るっせ」
友達や恋人は、高校に入るまでできた事がなかった。周りはすぐ、血の気が多いオレを怖がるから。親からはいつもそれを心配されていて、バアちゃんも同じなんだろう。全く、血の繋がりというものを感じる。
「あんたの兄さんからも、同じ事言われてたなあ」
バアちゃんは、うちの親父の妹。オレからすれば、叔母に当たる。親父はもう死んじまったから、話題に出すとバアちゃんは、いつも悲しそうな顔をする。オレはそれが大嫌いだ。
「そうかい……お兄さんもねえ」
「……ま、友達なんざ居なくても生きていけるっつーの。あっ、てか居ない訳じゃねえ。遊ばねえだけだかんな」
「そうかい。なら良かったよ」
バアちゃんはにこっと笑う。
「ああ、でもそろそろ、●●には恋人ができても良いかもしれないねえ。彼女さん、もう居るのかい?」
彼女。その言葉を聞いてオレは、なんだかざわざわとした気持ちになった。そしてなぜか、今日会ったばかりの、遥の事を思い出した。
なんでアイツがこの話の流れで出てくるんだろ。そう思いつつ、オレはなんでもないような素振りでバアちゃんに返事した。
「恋人は……はあ、なあなあバアちゃん。そんな事今気にしてもよお……その話はまた今度にしねえか?」
わざとらしく時計を見ながらそう言うと、バアちゃんはオレの言葉を聞いて、なぜかまたにこっと笑いだした。
「な、なに笑ってんだよ」
「うふふ。そうかい、そうかい。いつか恋人、できるといいねえ」
「…だからるっせえんだっつの」
バアちゃんの言葉を聞いて、オレはなぜかまた、遥の事を思い出した。
オレは遥の事をなんだと思っているのか。初対面の年下なのか、知り合いなのか、あの風鈴生の中の一人なのか、それとも__。
「●●くん、明日は大学でしょう?そろそろ帰んなさい」
「……あ?お、おう。そうだな」
少しばかり考えていると、バアちゃんがそう言った。確かに明日は一限なので、早く帰って寝なければいけない。そろそろ帰る頃だ。
オレは帰る準備をして、バアちゃんの家の玄関から帰っていった。
「またよろしくねー!」
「おう、またな」
バアちゃんに手を振りながら、自分の家までの帰路につく。
明日は早い。だから何も考えずに、帰ったら風呂に入って、ご飯を食べて寝なきゃいけない。
それなのに、この気持ちはなんなんだろう。遥のあの照れた表情が、フラッシュバックして仕方がない。
「あー……。こんなん知らねえよな」
独り言をしていると、その時。
「[太字]オラァ![/太字]」
どこかから、男の声が聞こえた。同時に、昔散々聞いた音__人を殴る音も、同じ場所から聞こえてきた。
「おいおい、なんだよ」
多分、誰かが不良にやられているのだろう。行かなきゃいけない、そう思うと同時に、オレの体は音が聞こえてきた場所まで走り出した。
「はあっ……ちっ、早く終わらせて帰るっきゃねえな……!」
「おお、●●くん、毎日ありがとうねえ」
あいつらが来てから数時間後。今はもう、あんなに明るかった日も沈みそうになり、夕方だ。
いつも通り、駄菓子屋の裏にいつもいるバアちゃんを呼んで、小遣いをもらう。
「本当に、毎日ありがとうねえ」
「別にいいよ。大学の日以外はやる事なんて基本ねえし」
「そうかい?お友達と遊んだりとか……」
「…………るっせ」
友達や恋人は、高校に入るまでできた事がなかった。周りはすぐ、血の気が多いオレを怖がるから。親からはいつもそれを心配されていて、バアちゃんも同じなんだろう。全く、血の繋がりというものを感じる。
「あんたの兄さんからも、同じ事言われてたなあ」
バアちゃんは、うちの親父の妹。オレからすれば、叔母に当たる。親父はもう死んじまったから、話題に出すとバアちゃんは、いつも悲しそうな顔をする。オレはそれが大嫌いだ。
「そうかい……お兄さんもねえ」
「……ま、友達なんざ居なくても生きていけるっつーの。あっ、てか居ない訳じゃねえ。遊ばねえだけだかんな」
「そうかい。なら良かったよ」
バアちゃんはにこっと笑う。
「ああ、でもそろそろ、●●には恋人ができても良いかもしれないねえ。彼女さん、もう居るのかい?」
彼女。その言葉を聞いてオレは、なんだかざわざわとした気持ちになった。そしてなぜか、今日会ったばかりの、遥の事を思い出した。
なんでアイツがこの話の流れで出てくるんだろ。そう思いつつ、オレはなんでもないような素振りでバアちゃんに返事した。
「恋人は……はあ、なあなあバアちゃん。そんな事今気にしてもよお……その話はまた今度にしねえか?」
わざとらしく時計を見ながらそう言うと、バアちゃんはオレの言葉を聞いて、なぜかまたにこっと笑いだした。
「な、なに笑ってんだよ」
「うふふ。そうかい、そうかい。いつか恋人、できるといいねえ」
「…だからるっせえんだっつの」
バアちゃんの言葉を聞いて、オレはなぜかまた、遥の事を思い出した。
オレは遥の事をなんだと思っているのか。初対面の年下なのか、知り合いなのか、あの風鈴生の中の一人なのか、それとも__。
「●●くん、明日は大学でしょう?そろそろ帰んなさい」
「……あ?お、おう。そうだな」
少しばかり考えていると、バアちゃんがそう言った。確かに明日は一限なので、早く帰って寝なければいけない。そろそろ帰る頃だ。
オレは帰る準備をして、バアちゃんの家の玄関から帰っていった。
「またよろしくねー!」
「おう、またな」
バアちゃんに手を振りながら、自分の家までの帰路につく。
明日は早い。だから何も考えずに、帰ったら風呂に入って、ご飯を食べて寝なきゃいけない。
それなのに、この気持ちはなんなんだろう。遥のあの照れた表情が、フラッシュバックして仕方がない。
「あー……。こんなん知らねえよな」
独り言をしていると、その時。
「[太字]オラァ![/太字]」
どこかから、男の声が聞こえた。同時に、昔散々聞いた音__人を殴る音も、同じ場所から聞こえてきた。
「おいおい、なんだよ」
多分、誰かが不良にやられているのだろう。行かなきゃいけない、そう思うと同時に、オレの体は音が聞こえてきた場所まで走り出した。
「はあっ……ちっ、早く終わらせて帰るっきゃねえな……!」
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