世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトは【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を構える。
(誰だ。…さっき[[漢字]天断[/漢字][ふりがな]あまだち[/ふりがな]]をうった人か。)
「何の用ですか。」
瓦礫の下から出てきた人物は腰に刀を付けた侍風の格好で、笠を被っている老人だった。
「いや、試すようなことをしてしまって申し訳ない。先ほどの空中での身のこなし、お見事であった。私の名前はイグ。見ての通り、剣士をしている。」
「さっきはどうして攻撃してきたんですか?」
「禁忌魔法で暴れる輩がたまにいるからな、そいつらを見張るのが仕事だった。血の気が多い連中だから、抑え込むのも一苦労…だが、君たちが禁忌魔法の攻撃を防いでいるのを見て、つい試したくなってしまったんだ。本当に申し訳ない。」
(悪い人じゃなさそうだな…。)
「僕はノイトです。この子はリーリャ。リーリャの記憶を戻すために、ノルティーク大陸中の音楽堂を巡っているんです。この先の都市とか遺跡とかの情報があれば、僕たちに教えてくれませんか?」
イグは少し考えた後でこう答えた。
「この都市の先には『封魔の遺殿』という遺跡がある。そこには魔神が封印されているという伝説がある。気をつけるといい。」
「分かりました。ありがとうございます!…ちなみにこの都市、さっきボロボロに壊しちゃったのは大丈夫ですか?」
「他の見張り役には、禁忌魔法で暴れた輩が居たから暴走を抑えた、と伝えておく。問題無い。」
「そうですか。強い人と会えて嬉しかったです!またいつか、機会があればお会いしましょう!」
「うん。気を付けてな。」
ノイトとリーリャはイグに別れを告げて先へ進む。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
都市を出て、しばらく歩いたところでノイトが止まった。
「どうしたの、ノイト?」
「この先にすごい魔力を感じる…。イグさんが言っていた魔神が封印されている遺跡かも。」
そのとき、誰かの悲鳴が聞こえた。
〈[斜体][大文字]うわあぁぁぁ!![/大文字][/斜体]〉
「この方角…遺跡の方だよ!」
ノイトとリーリャは走り出した。悲鳴は遺跡から聞こえたもので間違いないと見て、遺跡に向かう。
「[斜体]何かあったのかな?[/斜体]」
「[斜体]何も無いのに叫ぶ人はいないよ!急ごう![/斜体]」
2人は遺跡に着いた。遺跡の入り口からは凄まじい魔力が放出されている。
「もしかして…!!」
ノイトは魔具を取り出しながら遺跡を奥へと走る。リーリャも後に続いた。
2人が奥に進むに連れてどんどん暗くなっていく。異様に明るい所に出た。どうやらここが遺跡の最深部らしい。
[中央寄せ]エリア〚封魔遺殿最深部·魔神の間〛[/中央寄せ]
2人の前には大柄な男が立っている。全身に黒い布をまとっていて、遺跡中の魔力はその布の隙間から出ていた。鋭い眼光が目を焦がしそうだ。
(魔神…復活してる…!)
[太字][明朝体][大文字]「我が名は“終焉の魔神·マズロイン”。」[/大文字][/明朝体][/太字]
(何て魔力だ…!!格が違う…!)
ノイトは冷や汗をかく。リーリャは怯えて声も出せないようだ。
[太字][明朝体][大文字]「そこの少年、世界の[漢字]終焉[/漢字][ふりがな]オワリ[/ふりがな]を見たいか?」[/大文字][/明朝体][/太字]
魔神·マズロインが右手を前に出す。ノイトは何かを察したかのようにマジックバッグから光る石を取り出して、床に投げつけて壊した。
〈[斜体]バリンッ[/斜体]〉
[水平線]
石が壊れたと同時に、ノルティーク大陸の都市、その全ての警鐘が鳴った。エスミルト騎士団とイグはいち早く状況を察し、遺跡に向かいだす。
[水平線]
魔神はニヤリと笑ってノイトに言った。
[太字][明朝体][大文字]「無駄なことを。私が居た時代に比べて、今のこの魔力が失われつつある時代。その誰が私に張り合えるというのか?」[/大文字][/明朝体][/太字]
魔神が魔力を凝縮させて唱える。
[中央寄せ][太字][明朝体][大文字]災害級禁忌魔術:[[漢字]禁忌箱[/漢字][ふりがな]パンドラ[/ふりがな]][/大文字][/明朝体][/太字][/中央寄せ]
魔神の魔力がノルティーク大陸全土に広がり、ノルティーク大陸そのものが消滅する、そのはずだった。
しかしその直前、ノイトは【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を使ってある技を使っていた。
[水平線]
[中央寄せ][太字][大文字]〔[漢字]時夢姫[/漢字][ふりがな]シンデレラ[/ふりがな]〕[/大文字][/太字][/中央寄せ]
[水平線]
魔神と魔神の魔術、ノイトの時間が止まった。【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】の盾の部分には、魔力で出来た時計盤のようなものが表示されていて、針がゆっくりと時計回りに動いている。
リーリャは目の前の状況の理解に少し時間を取られたが、ノイトのやりたいことが分かった途端に動き出した。
ノイトは【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を構える。
(誰だ。…さっき[[漢字]天断[/漢字][ふりがな]あまだち[/ふりがな]]をうった人か。)
「何の用ですか。」
瓦礫の下から出てきた人物は腰に刀を付けた侍風の格好で、笠を被っている老人だった。
「いや、試すようなことをしてしまって申し訳ない。先ほどの空中での身のこなし、お見事であった。私の名前はイグ。見ての通り、剣士をしている。」
「さっきはどうして攻撃してきたんですか?」
「禁忌魔法で暴れる輩がたまにいるからな、そいつらを見張るのが仕事だった。血の気が多い連中だから、抑え込むのも一苦労…だが、君たちが禁忌魔法の攻撃を防いでいるのを見て、つい試したくなってしまったんだ。本当に申し訳ない。」
(悪い人じゃなさそうだな…。)
「僕はノイトです。この子はリーリャ。リーリャの記憶を戻すために、ノルティーク大陸中の音楽堂を巡っているんです。この先の都市とか遺跡とかの情報があれば、僕たちに教えてくれませんか?」
イグは少し考えた後でこう答えた。
「この都市の先には『封魔の遺殿』という遺跡がある。そこには魔神が封印されているという伝説がある。気をつけるといい。」
「分かりました。ありがとうございます!…ちなみにこの都市、さっきボロボロに壊しちゃったのは大丈夫ですか?」
「他の見張り役には、禁忌魔法で暴れた輩が居たから暴走を抑えた、と伝えておく。問題無い。」
「そうですか。強い人と会えて嬉しかったです!またいつか、機会があればお会いしましょう!」
「うん。気を付けてな。」
ノイトとリーリャはイグに別れを告げて先へ進む。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
都市を出て、しばらく歩いたところでノイトが止まった。
「どうしたの、ノイト?」
「この先にすごい魔力を感じる…。イグさんが言っていた魔神が封印されている遺跡かも。」
そのとき、誰かの悲鳴が聞こえた。
〈[斜体][大文字]うわあぁぁぁ!![/大文字][/斜体]〉
「この方角…遺跡の方だよ!」
ノイトとリーリャは走り出した。悲鳴は遺跡から聞こえたもので間違いないと見て、遺跡に向かう。
「[斜体]何かあったのかな?[/斜体]」
「[斜体]何も無いのに叫ぶ人はいないよ!急ごう![/斜体]」
2人は遺跡に着いた。遺跡の入り口からは凄まじい魔力が放出されている。
「もしかして…!!」
ノイトは魔具を取り出しながら遺跡を奥へと走る。リーリャも後に続いた。
2人が奥に進むに連れてどんどん暗くなっていく。異様に明るい所に出た。どうやらここが遺跡の最深部らしい。
[中央寄せ]エリア〚封魔遺殿最深部·魔神の間〛[/中央寄せ]
2人の前には大柄な男が立っている。全身に黒い布をまとっていて、遺跡中の魔力はその布の隙間から出ていた。鋭い眼光が目を焦がしそうだ。
(魔神…復活してる…!)
[太字][明朝体][大文字]「我が名は“終焉の魔神·マズロイン”。」[/大文字][/明朝体][/太字]
(何て魔力だ…!!格が違う…!)
ノイトは冷や汗をかく。リーリャは怯えて声も出せないようだ。
[太字][明朝体][大文字]「そこの少年、世界の[漢字]終焉[/漢字][ふりがな]オワリ[/ふりがな]を見たいか?」[/大文字][/明朝体][/太字]
魔神·マズロインが右手を前に出す。ノイトは何かを察したかのようにマジックバッグから光る石を取り出して、床に投げつけて壊した。
〈[斜体]バリンッ[/斜体]〉
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石が壊れたと同時に、ノルティーク大陸の都市、その全ての警鐘が鳴った。エスミルト騎士団とイグはいち早く状況を察し、遺跡に向かいだす。
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魔神はニヤリと笑ってノイトに言った。
[太字][明朝体][大文字]「無駄なことを。私が居た時代に比べて、今のこの魔力が失われつつある時代。その誰が私に張り合えるというのか?」[/大文字][/明朝体][/太字]
魔神が魔力を凝縮させて唱える。
[中央寄せ][太字][明朝体][大文字]災害級禁忌魔術:[[漢字]禁忌箱[/漢字][ふりがな]パンドラ[/ふりがな]][/大文字][/明朝体][/太字][/中央寄せ]
魔神の魔力がノルティーク大陸全土に広がり、ノルティーク大陸そのものが消滅する、そのはずだった。
しかしその直前、ノイトは【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を使ってある技を使っていた。
[水平線]
[中央寄せ][太字][大文字]〔[漢字]時夢姫[/漢字][ふりがな]シンデレラ[/ふりがな]〕[/大文字][/太字][/中央寄せ]
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魔神と魔神の魔術、ノイトの時間が止まった。【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】の盾の部分には、魔力で出来た時計盤のようなものが表示されていて、針がゆっくりと時計回りに動いている。
リーリャは目の前の状況の理解に少し時間を取られたが、ノイトのやりたいことが分かった途端に動き出した。