深夜は僕らのスミカである。
刀を持った少年が口を開いた。
「ねーこの子さーぁ、[漢字]五ツ木[/漢字][ふりがな]イツキ[/ふりがな]の制服着てるけど……どうする?」
「どうもこうもないです先輩。そんなだからいつまでも甘いんですよ」
少女が鈴に歩み寄り、言った。
「こういうのは、スパッと殺さないと」
「えっ……ぅえ………?殺…………??」
死ぬ?ここで?本当に?
「おーおー少年無事かー?ラッキーな奴だなぁ。ボクは[太字][漢字]憂依[/漢字][ふりがな]ウイ[/ふりがな][漢字]箕月[/漢字][ふりがな]ミツキ[/ふりがな][/太字]。君と同じ五ツ木の2年だよ。ボクはーー、優しいからーーぁ、話聞いてあげなくも?ないんだけ」
「五月蠅いです」
「はぁーーーーぁぁあ??」
「こんな奴、大した情報持ちだとは思えませんし。戦力なんかになりませんし。」
「なりませんし。じゃなーいーの!!ちょっとストレス溜まってんじゃないの[漢字]杏李[/漢字][ふりがな]アンリ[/ふりがな]ちゃん??ってか今消したの一応ボクだし~~~っっ」
「ちゃん付けしないでください気色悪い」
「じゃ杏李」
「気色悪い」
「ひっっっど!!ひっどいねほんっとねそういうとこだよほんとね」
「えっとぉ……あのぉ……とりあえず、助けていただき……ありがとうございました…では………」
「そういうわけにはいきません」
鈴は腕をつかまれたまま、「ひえぇ………」とつぶやくしかなかった。
~…~…~…~… ・ …~…~…~…~
「っていうかさ~、君こんなとこで何してたの?夜に出歩くのは危ないよ~~??」
「先輩構わないでください。事情を説明するだけ無駄です」
「ちょっと~~、そんなだからいつまでも依頼が増えないんだよ??」
「絞めますよ」
「はいごめんなさい」
………良かったのだろうか、と鈴は思った。
一応知らない人だし………(?)。
とりあえず、殺されることだけは免れた。
これから事情を説明してくれるらしい。
「そーいやぁさー、君、名前なんていうの」
「あ………えと、紫堂鈴です」
「へぇ~~~、レイちゃんね、お洒落な名前してんじゃん」
「あ、いえ………」
敬語交じりの会話を交わしながら行き着いたのは、夜の海岸だった。
「ここはね、僕らが拠点にしてるところなんだ。どっちかの家とかにしちゃうと、バレたとき大変だからね」
何にバレるんだろう……?と思ったが、あまり深く考えないことにした。
「ということで本題だよ。君が襲われたあのバケモノは、[漢字]夜奇[/漢字][ふりがな]ヤキ[/ふりがな]っていうんだ。僕らはそれを夜から殲滅する消し屋。まぁ、特にこれといった呼び名はないけどね」
「先輩は消し屋界隈の中では超有名な消し屋一家なんですよね。私はフリーでやってるからよく知りませんけど」
消し屋。初めて聞いた。
バケモノなんているとか、夢にまで見なかった。
世の中には、知らなくていいことがある………まさに、こういうことなのだと鈴は思った。
「消し屋、夜奇は存在すら世界に知られていない。教えていないからには意味がある。こういう、目撃者から噂が立つと困る。だから殺す」
「ひゃ…………っ」
「だいじょーぶだいじょーぶ。君に話しているのにも、意味があるんだよ」
「あの………その、『消した』ときになった、あのピカーーーーってのは……」
「あぁ、あれはねまーーー…よく分かってないんだ。夜奇についてはまだ不明な点が多くある。生体、生息地域、特徴、……とかね。少人数で調べてると、やっぱり究明が遅くなっちゃうところはあるよ」
なるほどな、と思った。
ハイリスクハイリターン……そんな仕事だ。
「まぁ………というわけでこんなおどろおどろしい話を君に聞いてもらったわけだけど、こちらも酷い人手不足でね。—消し屋にならないかい?」
「えぇ…………?」
「ねーこの子さーぁ、[漢字]五ツ木[/漢字][ふりがな]イツキ[/ふりがな]の制服着てるけど……どうする?」
「どうもこうもないです先輩。そんなだからいつまでも甘いんですよ」
少女が鈴に歩み寄り、言った。
「こういうのは、スパッと殺さないと」
「えっ……ぅえ………?殺…………??」
死ぬ?ここで?本当に?
「おーおー少年無事かー?ラッキーな奴だなぁ。ボクは[太字][漢字]憂依[/漢字][ふりがな]ウイ[/ふりがな][漢字]箕月[/漢字][ふりがな]ミツキ[/ふりがな][/太字]。君と同じ五ツ木の2年だよ。ボクはーー、優しいからーーぁ、話聞いてあげなくも?ないんだけ」
「五月蠅いです」
「はぁーーーーぁぁあ??」
「こんな奴、大した情報持ちだとは思えませんし。戦力なんかになりませんし。」
「なりませんし。じゃなーいーの!!ちょっとストレス溜まってんじゃないの[漢字]杏李[/漢字][ふりがな]アンリ[/ふりがな]ちゃん??ってか今消したの一応ボクだし~~~っっ」
「ちゃん付けしないでください気色悪い」
「じゃ杏李」
「気色悪い」
「ひっっっど!!ひっどいねほんっとねそういうとこだよほんとね」
「えっとぉ……あのぉ……とりあえず、助けていただき……ありがとうございました…では………」
「そういうわけにはいきません」
鈴は腕をつかまれたまま、「ひえぇ………」とつぶやくしかなかった。
~…~…~…~… ・ …~…~…~…~
「っていうかさ~、君こんなとこで何してたの?夜に出歩くのは危ないよ~~??」
「先輩構わないでください。事情を説明するだけ無駄です」
「ちょっと~~、そんなだからいつまでも依頼が増えないんだよ??」
「絞めますよ」
「はいごめんなさい」
………良かったのだろうか、と鈴は思った。
一応知らない人だし………(?)。
とりあえず、殺されることだけは免れた。
これから事情を説明してくれるらしい。
「そーいやぁさー、君、名前なんていうの」
「あ………えと、紫堂鈴です」
「へぇ~~~、レイちゃんね、お洒落な名前してんじゃん」
「あ、いえ………」
敬語交じりの会話を交わしながら行き着いたのは、夜の海岸だった。
「ここはね、僕らが拠点にしてるところなんだ。どっちかの家とかにしちゃうと、バレたとき大変だからね」
何にバレるんだろう……?と思ったが、あまり深く考えないことにした。
「ということで本題だよ。君が襲われたあのバケモノは、[漢字]夜奇[/漢字][ふりがな]ヤキ[/ふりがな]っていうんだ。僕らはそれを夜から殲滅する消し屋。まぁ、特にこれといった呼び名はないけどね」
「先輩は消し屋界隈の中では超有名な消し屋一家なんですよね。私はフリーでやってるからよく知りませんけど」
消し屋。初めて聞いた。
バケモノなんているとか、夢にまで見なかった。
世の中には、知らなくていいことがある………まさに、こういうことなのだと鈴は思った。
「消し屋、夜奇は存在すら世界に知られていない。教えていないからには意味がある。こういう、目撃者から噂が立つと困る。だから殺す」
「ひゃ…………っ」
「だいじょーぶだいじょーぶ。君に話しているのにも、意味があるんだよ」
「あの………その、『消した』ときになった、あのピカーーーーってのは……」
「あぁ、あれはねまーーー…よく分かってないんだ。夜奇についてはまだ不明な点が多くある。生体、生息地域、特徴、……とかね。少人数で調べてると、やっぱり究明が遅くなっちゃうところはあるよ」
なるほどな、と思った。
ハイリスクハイリターン……そんな仕事だ。
「まぁ………というわけでこんなおどろおどろしい話を君に聞いてもらったわけだけど、こちらも酷い人手不足でね。—消し屋にならないかい?」
「えぇ…………?」
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