特級呪術師護衛任務へ行くそうで
●●side
何も無い。冷たい場所。
まるで海の底に居るみたいだ。
●●『…………』
私が呪術師になったのは、まず家の事が大きい。
糸師家は御三家の派生。呪術師になるのは当然だ。
でも私は、家の関係で術師になったっつーのが嫌で、別の理由をつけようとしていた。私が呪術師になった理由を。
いや、理由というよりこじつけに近いのかもしれない。
"大切なものを、大好きな人を守るため"
そんな綺麗事を吐いた。
私の身代わりになった兄も、1人で抱え込んだ傑くんも、1-Aも、誰一人最後まで守りきれなかったくせに。
何が"守るため"だよ。
何にも守れてねぇじゃん。
兄の異変にも傑くんの異変にも気付けなくて、何が最強だよ。
私がやるとか言っといて、結局人任せじゃん。
本当は、私が彼を殺さなきゃいけない。
でも
口が
[右寄せ]手が[/右寄せ]
足が
[右寄せ]身体が[/右寄せ]
動かない。
私は特級?今更人を殺したって何も思わない?
そんなのはただの自惚れ。
いざ肉親を前にして殺さなければいけないとなると、足がすくむ。
手が震える。
口からは自分の吐いた息しか出てこない。
何が、最強だ。
庇ってくれた兄の思いを踏みにじってまで呪術師である資格なんて、
最強と名乗る資格なんて、
私には
●●『無い』
[打消し] [/打消し]
桃園姫愛side
心臓がバクバクしている。
胸騒ぎがする。
●●ちゃんの身体の中の[漢字]ナニカ[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]が凄く怖かった。
得体のしれないナニカが大好きな人の姿をしているのがどうしようもなく気持ち悪い。
桃園姫愛「…ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる」
芦戸三奈「私も着いていこうか?何か今危険っぽいし…」
桃園姫愛「大丈夫!ありがと!」
麗日お茶子「でも…」
桃園姫愛「ホントに大丈夫だから!」
芦戸三奈「…そう、気をつけてね!」
桃園姫愛「もちろん!」
麗日お茶子「……」
ガチャッ
バタン…
廊下に出た瞬間、
桃園姫愛「〜〜ッッ…(ポロポロ(泣)」
とめどなく涙が溢れてきてしまった。
桃園姫愛「(何で私が泣いてんだろ…)」
辛いのは、不安なのは私じゃなくて、●●ちゃんなのに。
自分の身体を乗っ取られて、いい気分なわけ無い。
もし、壊れちゃったらどうしよう。
体育祭の時みたいに、何か思い詰めてたらどうしよう。
また、無意識に抱え込みすぎていたら?
私が助けてあげられるのかな?
桃園姫愛「[小文字]ううん、助けるんだ[/小文字]」
不安で押し潰されそうな心を奮い立たせ、ゴシゴシと涙を拭く。
その時、
相澤消太「何やってる」
桃園姫愛「!相澤先生!」
いつの間にかボロボロの相澤先生が居た。
相澤消太「用がないなら出歩くな」
桃園姫愛「……すみません」
相澤消太「…糸師の事が心配なのは分かるが、お前らが死んだら元も子もないんだからな」
相澤消太「分かったらさっさと戻れ」
桃園姫愛「…私達が出来ることは無いんですか?」
相澤消太「これは俺達が関わることじゃない」
桃園姫愛「私はヒーロー志望ですよ」
相澤消太「今は関係ない。お前がどれだけ強くても、あの化け物…呪霊には対応できない」
桃園姫愛「そんなの…やってみないと分からないじゃないですか!」
相澤消太「呪力を扱えない俺達には無理なんだ。お前も説明を聞いただろ」
桃園姫愛「でも!!」
相澤消太「ダメだ!!」
桃園姫愛「ッッ…!!」
相澤消太「俺達じゃ、外で何が起きてるのかさっぱり分からない。邪魔せず大人しくしてろ、それが今俺達にできる最善策だ」
桃園姫愛「………」
ガチャッ
芦戸三奈「姫愛!!遅かったから心配したよ〜!」
桃園姫愛「うん、ごめんね」
緑谷出久「相澤先生!そんなボロボロで大丈夫なんですか…?」
相澤消太「応急処置はしてある。問題ない」
緑谷出久「良かったです…」
桃園姫愛「…………」
[打消し] [/打消し]
数分後
ぼーっと外を眺めていると
ガチャッ!!
誰かが入ってきた。
庵歌姫「ハァッハァッ…」
1-A「歌姫さん!?」
桃園姫愛「歌姫さん!!」
桃園姫愛「私達に出来ることは!?何か無いんですか!?」
思わず肩を掴み、ブンブンと揺さぶる。
庵歌姫「え、えーっと…」
上鳴電気「ちょ姫愛、落ち着けって。な?」
桃園姫愛「あっ…す、すみません…」
庵歌姫「いえ、大丈夫よ…」
切島鋭児郎「アイツは!!●●は大丈夫なんですか!?」
耳郎響香「皆、心配してます…!!」
庵歌姫「…それなんだけど、今私達も何とかしようと色々やってるの。だから、」
庵歌姫「貴方達にも手伝ってほしい」
1-A「ッッはい!!!!」
何も無い。冷たい場所。
まるで海の底に居るみたいだ。
●●『…………』
私が呪術師になったのは、まず家の事が大きい。
糸師家は御三家の派生。呪術師になるのは当然だ。
でも私は、家の関係で術師になったっつーのが嫌で、別の理由をつけようとしていた。私が呪術師になった理由を。
いや、理由というよりこじつけに近いのかもしれない。
"大切なものを、大好きな人を守るため"
そんな綺麗事を吐いた。
私の身代わりになった兄も、1人で抱え込んだ傑くんも、1-Aも、誰一人最後まで守りきれなかったくせに。
何が"守るため"だよ。
何にも守れてねぇじゃん。
兄の異変にも傑くんの異変にも気付けなくて、何が最強だよ。
私がやるとか言っといて、結局人任せじゃん。
本当は、私が彼を殺さなきゃいけない。
でも
口が
[右寄せ]手が[/右寄せ]
足が
[右寄せ]身体が[/右寄せ]
動かない。
私は特級?今更人を殺したって何も思わない?
そんなのはただの自惚れ。
いざ肉親を前にして殺さなければいけないとなると、足がすくむ。
手が震える。
口からは自分の吐いた息しか出てこない。
何が、最強だ。
庇ってくれた兄の思いを踏みにじってまで呪術師である資格なんて、
最強と名乗る資格なんて、
私には
●●『無い』
[打消し] [/打消し]
桃園姫愛side
心臓がバクバクしている。
胸騒ぎがする。
●●ちゃんの身体の中の[漢字]ナニカ[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]が凄く怖かった。
得体のしれないナニカが大好きな人の姿をしているのがどうしようもなく気持ち悪い。
桃園姫愛「…ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる」
芦戸三奈「私も着いていこうか?何か今危険っぽいし…」
桃園姫愛「大丈夫!ありがと!」
麗日お茶子「でも…」
桃園姫愛「ホントに大丈夫だから!」
芦戸三奈「…そう、気をつけてね!」
桃園姫愛「もちろん!」
麗日お茶子「……」
ガチャッ
バタン…
廊下に出た瞬間、
桃園姫愛「〜〜ッッ…(ポロポロ(泣)」
とめどなく涙が溢れてきてしまった。
桃園姫愛「(何で私が泣いてんだろ…)」
辛いのは、不安なのは私じゃなくて、●●ちゃんなのに。
自分の身体を乗っ取られて、いい気分なわけ無い。
もし、壊れちゃったらどうしよう。
体育祭の時みたいに、何か思い詰めてたらどうしよう。
また、無意識に抱え込みすぎていたら?
私が助けてあげられるのかな?
桃園姫愛「[小文字]ううん、助けるんだ[/小文字]」
不安で押し潰されそうな心を奮い立たせ、ゴシゴシと涙を拭く。
その時、
相澤消太「何やってる」
桃園姫愛「!相澤先生!」
いつの間にかボロボロの相澤先生が居た。
相澤消太「用がないなら出歩くな」
桃園姫愛「……すみません」
相澤消太「…糸師の事が心配なのは分かるが、お前らが死んだら元も子もないんだからな」
相澤消太「分かったらさっさと戻れ」
桃園姫愛「…私達が出来ることは無いんですか?」
相澤消太「これは俺達が関わることじゃない」
桃園姫愛「私はヒーロー志望ですよ」
相澤消太「今は関係ない。お前がどれだけ強くても、あの化け物…呪霊には対応できない」
桃園姫愛「そんなの…やってみないと分からないじゃないですか!」
相澤消太「呪力を扱えない俺達には無理なんだ。お前も説明を聞いただろ」
桃園姫愛「でも!!」
相澤消太「ダメだ!!」
桃園姫愛「ッッ…!!」
相澤消太「俺達じゃ、外で何が起きてるのかさっぱり分からない。邪魔せず大人しくしてろ、それが今俺達にできる最善策だ」
桃園姫愛「………」
ガチャッ
芦戸三奈「姫愛!!遅かったから心配したよ〜!」
桃園姫愛「うん、ごめんね」
緑谷出久「相澤先生!そんなボロボロで大丈夫なんですか…?」
相澤消太「応急処置はしてある。問題ない」
緑谷出久「良かったです…」
桃園姫愛「…………」
[打消し] [/打消し]
数分後
ぼーっと外を眺めていると
ガチャッ!!
誰かが入ってきた。
庵歌姫「ハァッハァッ…」
1-A「歌姫さん!?」
桃園姫愛「歌姫さん!!」
桃園姫愛「私達に出来ることは!?何か無いんですか!?」
思わず肩を掴み、ブンブンと揺さぶる。
庵歌姫「え、えーっと…」
上鳴電気「ちょ姫愛、落ち着けって。な?」
桃園姫愛「あっ…す、すみません…」
庵歌姫「いえ、大丈夫よ…」
切島鋭児郎「アイツは!!●●は大丈夫なんですか!?」
耳郎響香「皆、心配してます…!!」
庵歌姫「…それなんだけど、今私達も何とかしようと色々やってるの。だから、」
庵歌姫「貴方達にも手伝ってほしい」
1-A「ッッはい!!!!」
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