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memory

#3

SSSクラスの転校生

「いや、いいです。Aで十分です。 」
俺はSクラスの勧誘を断った。Sクラスに行ってしまえば妹に会える手段が減ってしまう。
「そうか。ならSSSクラスならどうだ?」
「...話聞いてました?」
「そうじゃないんだよ。SSSというクラスにいながら勉強のときだけAクラス。というのはどうだ?」
SSSにいながらAクラスで勉強できる。これなら妹に近づける。
「わかりました。では、それで。」
「そうそう、S以上のクラスに入った子には[漢字]掟[/漢字][ふりがな]おきて[/ふりがな]が存在するんだ。この場で今すぐおぼえろ。」

一、召集されたときは直ぐにワープしてくること。
一、素直にはい。ということ。
一、誰かが死んでも泣かないこと。

「この三つさえ覚えてくれたらいいよ。」

[大文字]カチャ[/大文字]

「!?」
魔除けリングか?なぜこいつがこんなものを...
「Sクラス以上はこれをつけてもらわないと困るんだよ。なぁ、魔族。」
俺は視界が暗くなり、倒れた。

「よう...さん。たい...。ねぇ!太陽さん!」
気がつくとそこは知らない部屋だった。
「私です、[漢字]零仙[/漢字][ふりがな]れいせん[/ふりがな]です。気がつきましたか?」
「あぁ。」
どうやらこの部屋は零仙の物らしい。
「[漢字]浅葱[/漢字][ふりがな]あさぎ[/ふりがな]は私達が魔族だってこと、[漢字]探知[/漢字][ふりがな]サーチ[/ふりがな]を使って知ったのよ。だから私達は弱味を握られてるから反発できない。過去には反発して殺された子達もいたわ。」
半泣きになりながら、零仙は俺にしがみついてくる。
「その魔除けリング、鍵は浅葱が持ってるわ。けど、いつその鍵が壊されるかわからない。無理に取ろうとすると爆発を起こすわ。」
「そうか。」
「貴方は怖くないの?」
俺は黙り込む。
「俺が一番怖いのは自分が死ぬことじゃない。ある日突然誰かがいなくなることだ。そいつを守るためなら命なんて惜しくない。」
「そう。...ねぇ、貴方はこれからどうするの?」
「...授業受けに行く。」
「私はこのリングをみられるのが怖くて授業なんて行けないわ...。」
俺は自分の着ていた上着を零仙に渡した。
「これ、着ればそのリング見えなくなるだろ。」
「けど、貴方は見えるじゃない。」
「俺は別に気にしてないから。」
そう言って部屋を出た。
「...ありがとう。王子様。」

Aクラスに近づくにつれ、騒がしくなっていた。
「みて!あれ、噂の転校生よね?」
「イケメンじゃない!!」
その大半は女だった。

[大文字]ガラガラ...[/大文字]

「みなさん、こちら、七星さんです。自己紹介をお願いします。」
「はい。...[漢字]七星太陽[/漢字][ふりがな]ななほしたいよう[/ふりがな]です。使えるのは炎属性。よろしくお願いします。」
俺は少しだけ頭を下げた。
「席はどこが空いてる?...月野、君の横は空いているかい?」
月野と呼ばれた女の子は立つ。
「は、はい。空いてます。」
「それじゃ、あの席に座って。」
俺がその席についたとき、また騒がしくなった。
「あいつと仲良くしとけば良かった。」
「ほんと。」
どうやら[漢字]月野輝[/漢字][ふりがな]つきのかがや[/ふりがな]は嫌われているようだった。
「あ、あの、月野輝です。魔法は[漢字]回復[/漢字][ふりがな]ヒール[/ふりがな]しか使えるませんけど、よろしくお願いします。」
この学校は回復者は強制的にAクラスなるようだ。
「あぁ、よろしく。」
「それでは授業を始めます。今日は...」
それからは何もなかった。
「あのさ、家どこら辺なの?」
俺は月野に聞いてみた。
「光が丘公園の近く...だけど。」
「俺もその近くなんだよ。よかったらだけど、一緒に帰っても良い?」
月野はとても困っていた。
「いい、けど...。」
「えー?七星さん、私達と帰ろーよ。」
「そんな陰キャ置いといて。」
かなりのブーイングがあったが俺はとことん無視した。
「じゃ、決まり。」
月野の手をそっと握り、俺は教室を急いで出た。
「あ、あの!なんで私なんかと?」
「なんでだろうね。」
「あ、あの。変なこと聞いていい?」
「何?」
「私ね?小さい頃の記憶がなくてさ。あるのは中2位から。」
「そうなんだ。」
「ごめんね?あ、私の家ここだから。」
「じゃ、バイバイ」
俺は月野に手を振った。
...ビンゴだ。あいつがやっぱり[漢字]七星聖愛[/漢字][ふりがな]ななほしせいら[/ふりがな]。俺の生き別れの妹で間違いない。

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作者メッセージ

書くのまた遅くなってすみません。
不定期投稿化してます。

2024/07/24 09:57

七星太陽 ID:≫rpbAI5cf7ppFQ
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