＿＿私がイーストン魔法学校に入ろうと思った理由は、知り合いにある。
私の知り合いには、あの神覚者、オーター・マドルがいる。
メガネ屋で一回会い、本屋で一回会い‥と、彼とは、なんだか会う機会が多かったのだ。
そこから彼と話すようになり、ある時言われた。
「あなたも、神覚者を目指してみては」
最初は、柄にもない冗談かと思い、とりあえずで受け流したが、それを言われた帰りに考えたのだ。
「私が神覚者になったら、もしかしたら」
＿＿その先の言葉は、誰にも言わないようにしている。いや、違う。
誰にも言えないのだ。
とにかく、私はオーター・マドルという一人の男の一言で、神覚者を目指すことにした。
だが、私は一本線。とにかく鍛えて、二本目を開花させるしかないのだ。
幸いなことに、私は魔力自体はある方、悪くないと言われた。もちろん、オーター・マドルから言われた。まぁ、彼は見込みがない一本線とは関わらないタイプだとは思うけど。
なので、私はイーストン魔法学校に入り、この学校での三年間で、思いっきり魔力を鍛えることにした。
青春？淡いひと夏の思い出？そんなものはどうでもいい。
とにかく鍛える、これしか頭になかった。ある意味で、脳筋だったのだろう。

[水平線]
「ここが寮か…」
「あら、あなたが一緒の子ね。よろしく！」
初めての寮部屋を見ていると、ちょうど同居人が来て、声をかけてくれた。
「どうも、よろしくお願いします。私はネリー・ウェーバー。あなたは？」
「私はグレース・ケセルよ。これからよろしくね、ネリーちゃん」
私よりも長身＿＿160cmくらい＿＿の同居人は、グレースというらしい。しっかり覚えておこう。
「さて、この学校に慣れるのはかなり時間がかかるわよ。でも大丈夫！なにかあったら私に言ってちょうだい」
この人からは、安心感があった。多分この人、弟か妹がいるんだろうなーと思う。
「あぁ、そうだ。タメでいいわよ！」
「は、あぁいや、うん＿＿よろしく、グレース」
よろしく、イーストン。