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フルーツ・ファイト〜果実戦争〜

#6

ep6 過去と探偵

これはボク『[漢字]赤砥 京斗[/漢字][ふりがな]アカトギケイト[/ふりがな]』の過去の話。

ボクが10歳のとき、両親が交通事故で死んでしまった。

失意のどん底に突き落とされたボクだったが、そんなボクに寄り添ってくれたのが、ボクの兄『[漢字]赤砥 廉也[/漢字][ふりがな]アカトギレンヤ[/ふりがな]』

「なあ、ケイト…そんなメソメソしてたら、母さんと父さんも悲しむぞ」

「…………分かってるよ。それは」

「そうだよな……オレだって悲しいけどよぉ…少しは笑うことも必要だぜ」

「…うん…!」

こうして支えられながら、二人で暮らしてきた。

そしてボクが16歳のとき、レンヤがいなくなった。

【東京に行ってくる】と手紙を残してそれっきり…。

[水平線]

「というわけです…」

ケイトは自分の今までのことをザックリと語った。

「なるほど……」

カリモトは苦い表情でこう言った。
「ケイトくん…キミのことは大体分かった。そしてキミに一つ聞きたいことがある…」

「え? なんですか?」

「キミは[太字]『本気』[/太字]か?」

「…え、そりゃそうですよ! そのためにここに来たんですから!」
少し戸惑いながらもケイトは答えた。

「そうか…じゃあ捜査結果をお知らせしよう」
カリモトは虫眼鏡をポケットにしまう。

「…レンヤくんはこの世に存在している…ただし、その『場所』がわからない」

その言葉はケイトにとって嬉しくもあり謎もある言葉だった。
「ということは…生きているのは『確実』ってことですか?」

「ああ…だが『場所』だ…『場所』だけが分からない…普通なら分かるはずなんだ。正確な場所も分かるはず…ボクの能力ならできるはずなんだが……」

「やっぱり何か『ありえない』ことが起きてるみたいだな」

やはりレンヤには謎が多い。
さっきのマンションで起きたこともそうだった。
見ず知らずの男がレンヤのことを追っている。

「そういえばなんですけど…カリモト探偵は、[太字]『禁断の果実』[/太字]って知ってますか?」

「…あ〜…噂だけはな…食べたヤツの願いを叶える代物って聞いたことがある…マジにファンタジーだと思ったけど…[小文字]今までの経験から[/小文字]…ボクは[太字]『ある』[/太字]と思っている……もしかしてだがな〜…ケイトくん…まさかソレを探そうとしているのか?」

カリモトは真剣な眼差しでケイトを見つめている。

「いや…別に探そうとは思ってないんですけど…少し気になって」

「…そうかい…だけどケイトくんなら見つけられると思っているよ。キミの願いは素晴らしいと思う」

カリモトは少し笑みを浮かんで言う。

「はい…ありがとうございます!」

そしてケイトは探偵事務所をあとにした。

去っていくケイトの後ろ姿を見ながら、カリモトは一つ思うことがあった。

「ケイトくん……まるでボクみたいなヤツだ…[大文字]目的のためならいかなる手段も[漢字]厭[/漢字][ふりがな]いと[/ふりがな]わない。[/大文字]伸びしろだらけだな…」


そして探偵事務所をあとにしたケイト。

「とりあえず、大体の情報はつかめた…レンヤは『禁断の果実』と関係がありそうだ…だけどまずは、探さないことには始まらないな…」

再び、ケイトの兄探しの旅は再開した。

作者メッセージ

キャラ紹介
カリモト リブレ 年齢:23

カリモト探偵事務所の探偵
どこかヤバイ一面を持っている

能力名【グッド・シャーロット】
特殊な虫眼鏡から人間の行動、感情、を操ることができる。

2024/04/28 14:49

お茶 ID:≫5pkQuOr9nqXoU
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