異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。
突然のことだった。ベッドから起き上がると、ぽかぽかのお日様の光が、俺の体に当たっていた。あまりにも気持ちが良い朝なので、すぐに起き上がることができた。
いつぶりだろうか。これは夜じゃない。そう言って、カーテンを開ける。
朝だ。これは朝だ。紛れもない朝だ。
けれども窓の外を覗くと、月が見える…?…俺は目を擦った。…いや、見間違えただけか…。こんなに晴れているんだし、月が出ているのも不思議な気がする。
俺はすぐに私服に着替え、2階の自分の部屋を出て、急いで一階へ行った。下へ行くと、既に美味しそうなバターが乗ったトーストが俺の食欲を沸かせた。トーストのすぐ横には、こんがりと焼けたウインナーがおいてある。もちろんのこと、ウインナーの隣には目玉焼きが当たり前のように置いてあった。
俺が学校に行っていた頃は、俺がすぐに家を出てしまうため、朝食は焼いたただのトーストぐらいを食べただけだった。だから腹は減るし、早弁を稀にしてしまうほどだった。
学校に行ってない頃は少し食べるようになったが、あまり運動してないせいか、お腹があまり空かなかった。
海渡『今日は随分と豪華な朝食だね、お母さん。』
そう言うと、既に俺より早く朝食を食べていた[漢字]優[/漢字][ふりがな]ゆう[/ふりがな]が『そうかな。』と言った。もしかすると、優は起きるのが早いので、俺より豪華な食事をしているのかもしれない。お母さんは『張り切っちゃった』と言い、サラダを口にする。
今日は洗濯日和だな。雲一つない青空だ。久しぶりに散歩でもしようか。そうしたら、きっと近所の人と世間話をしたり、学校時代の友達とも会うかもしれない。俺もダイニングの椅子に座り、朝食を口にした。優は学校に行く準備をし始めた。
さあ、俺も優雅な朝を過ごそう。いつもの生活に戻ったはずだし…。
…いつもの生活?
俺は朝食を食べるのを止めた。どういうことだ?これが、俺のいつもの日常じゃあないのか?今日が俺の日常の当たり前じゃないのか?
少し違和感があった。今日起きてから、何かをすっかり[太字]忘れているような気がする[/太字]。不思議だ。これが[下線]俺の普通[/下線]のはずなのに。
だって、いつもは散歩に行くと、暇で仕方がなかった[大文字]女神[/大文字]が俺に話しかけてきて、起きる時には[大文字]女神[/大文字]が起こしてくれるのがほとんどだ。それに、学校に行ってた頃は俺が[大文字]魔法[/大文字]で食べ物を生み出していた。
あれ…、あれ…?何かがおかしい…。
[水平線]
はっ…!
…なんだったんだ…?何か変な悪夢でも見ていたのか…?外を見ると、夜…じゃなかった。朝だ。…ただ、曇っている、曇り空だ。けれど夜じゃないということは、ついに明けない夜は終わったのか…!!俺は眠い目を擦った。
少し眠たかったが、俺はベッドから起き上がった。ご飯を食べないといけないので、すぐ私服に着替えようとした。…あまり着替える気にはなれなかったので、少し遅めだったが一応着替えることができた。
2階の自分の部屋から出て、ゆっくりと一階へ降りる。一階へ行くと、いつも通りの朝食が俺の待ち構えていた。ダイニングの椅子には、妹の優が既に座っていた。そして、優が『お兄ちゃん起きるの遅い。』と言って、椅子から立ち上がった。優はどうやら、学校に行く準備をするようだ。
今日は雨が降りそうな日だ。曇っていて、太陽はかくれんぼをしている。これじゃあ洗濯も心配でできないだろうな。乾きも遅いだろう。散歩するなら、傘を用意しておいた方が正解だろう。それか散歩はしなくても良いだろう。
俺はダイニングの椅子に座った。今日の朝食はいつも通りだ。焼いたトースト。…マーガリンでも塗っておこうかな。サラダに、厚焼き卵。ドリンクは少しぬるいお茶だ。これが俺の日常だ。
これが…。
…俺は椅子から立ち上がり、玄関を出た。直前でお母さんが俺の名前を大きな声で呼んでいたが、無視して外に出る。やっぱりおかしい。外は寒く、体が冷えそうだ。
思い出した。
俺は男子高校生の[漢字]草野海渡[/漢字][ふりがな]くさのかいと[/ふりがな]。前に[大文字]異世界[/大文字]へ行って、[大文字]魔法[/大文字]を習得。[大文字]女神[/大文字]と一緒に[大文字]異世界[/大文字]を旅をし、[大文字]魔王[/大文字]ヴィンディンを倒した。今では現実世界でも[大文字]魔法[/大文字]を常に扱い、仲間と生活してきた。
俺は真上の空を見た。曇っているから、雲で隠れていたかもしれない。しかし、晴れていた時は[太字][大文字][大文字]月[/大文字][/大文字][/太字][大文字]のようなものがあった[/大文字]。見間違いだと思っていたが、あの[下線]晴れていた日が今日と同じならば[/下線]、見間違いがまた起こるかもしれない。あの晴れていた時、見間違いで済ましていたが、結局見間違いかはわからなかった。
見間違いじゃなかったら、あの雲の上に[太字][大文字][大文字]月[/大文字][/大文字][/太字]が…!!
海渡『[太字]ハリケーン[/太字]!』
俺は風魔法のハリケーンで、雲をどかした。確かあそこに月と思われるものが見えたはず…!!
…雲があった場所には、紛れもない、キラキラと光っている[太字][大文字][大文字][大文字]青い[/大文字][/大文字][/大文字][/太字][太字][大文字][大文字]月[/大文字][/大文字][/太字]が、あったのだ。
その月の上には、人がいた。あれは月の上に人が乗っているのか?…いや違った。月の上に乗っていると思われた人は、飛んでいた。人は月からねじれの位置にいる。
海渡『誰だ!!』
そう俺は言うと、飛んでいる人がこう答えた。
飛んでいる人『君が羨ましい限りだ。』
海渡『は…?』
飛んでいる人『我の魔法を、見破るとはな。』
魔法…?その瞬間、異世界を知っているものだと瞬時に理解した。この人は人間?仲間なのか?それとも、敵なのか…?
俺は飛んでいる人の魔法が気になったので、聞いてみることにした。
海渡『お前が使った魔法は、一体なんなんだ?』
飛んでいる人『この世には知らなくていいことがたくさんだ。』
飛んでいる人『君が知る必要性はない。…ったく…、我の魔法を見破っただけで、幸せは既に壊れたというのに…。』
幸せ…?知らなくていい…?頭が混乱した。こいつが何を企んでいるかさっぱりだ。…記憶を操作する魔法なのか、幻覚を見せる魔法なのか、なんなのか。知っておいた方が、こちらに強さが生まれる。
そして飛んでいる人は、俺に対してこういった。
飛んでいる人『君は我の存在を知らないままでよかったんだ。そうすれば、[太字]本当の幸せ[/太字]が訪れていたというのにも関わらず…。君は知ってしまった。』
飛んでいる人『さっきの生活の方が、幸せで素敵だろう?』
…
海渡『幸せ、かぁ…。』
飛んでいる人『どうした?何か不満でもあったか?』
海渡『俺は、この生活は幸せとは言えない。』
海渡『いつもの女神がいたり、魔法があった生活の方が幸せだ。』
海渡『俺はあのいつもの生活が幸せなんだよ。』
いつぶりだろうか。これは夜じゃない。そう言って、カーテンを開ける。
朝だ。これは朝だ。紛れもない朝だ。
けれども窓の外を覗くと、月が見える…?…俺は目を擦った。…いや、見間違えただけか…。こんなに晴れているんだし、月が出ているのも不思議な気がする。
俺はすぐに私服に着替え、2階の自分の部屋を出て、急いで一階へ行った。下へ行くと、既に美味しそうなバターが乗ったトーストが俺の食欲を沸かせた。トーストのすぐ横には、こんがりと焼けたウインナーがおいてある。もちろんのこと、ウインナーの隣には目玉焼きが当たり前のように置いてあった。
俺が学校に行っていた頃は、俺がすぐに家を出てしまうため、朝食は焼いたただのトーストぐらいを食べただけだった。だから腹は減るし、早弁を稀にしてしまうほどだった。
学校に行ってない頃は少し食べるようになったが、あまり運動してないせいか、お腹があまり空かなかった。
海渡『今日は随分と豪華な朝食だね、お母さん。』
そう言うと、既に俺より早く朝食を食べていた[漢字]優[/漢字][ふりがな]ゆう[/ふりがな]が『そうかな。』と言った。もしかすると、優は起きるのが早いので、俺より豪華な食事をしているのかもしれない。お母さんは『張り切っちゃった』と言い、サラダを口にする。
今日は洗濯日和だな。雲一つない青空だ。久しぶりに散歩でもしようか。そうしたら、きっと近所の人と世間話をしたり、学校時代の友達とも会うかもしれない。俺もダイニングの椅子に座り、朝食を口にした。優は学校に行く準備をし始めた。
さあ、俺も優雅な朝を過ごそう。いつもの生活に戻ったはずだし…。
…いつもの生活?
俺は朝食を食べるのを止めた。どういうことだ?これが、俺のいつもの日常じゃあないのか?今日が俺の日常の当たり前じゃないのか?
少し違和感があった。今日起きてから、何かをすっかり[太字]忘れているような気がする[/太字]。不思議だ。これが[下線]俺の普通[/下線]のはずなのに。
だって、いつもは散歩に行くと、暇で仕方がなかった[大文字]女神[/大文字]が俺に話しかけてきて、起きる時には[大文字]女神[/大文字]が起こしてくれるのがほとんどだ。それに、学校に行ってた頃は俺が[大文字]魔法[/大文字]で食べ物を生み出していた。
あれ…、あれ…?何かがおかしい…。
[水平線]
はっ…!
…なんだったんだ…?何か変な悪夢でも見ていたのか…?外を見ると、夜…じゃなかった。朝だ。…ただ、曇っている、曇り空だ。けれど夜じゃないということは、ついに明けない夜は終わったのか…!!俺は眠い目を擦った。
少し眠たかったが、俺はベッドから起き上がった。ご飯を食べないといけないので、すぐ私服に着替えようとした。…あまり着替える気にはなれなかったので、少し遅めだったが一応着替えることができた。
2階の自分の部屋から出て、ゆっくりと一階へ降りる。一階へ行くと、いつも通りの朝食が俺の待ち構えていた。ダイニングの椅子には、妹の優が既に座っていた。そして、優が『お兄ちゃん起きるの遅い。』と言って、椅子から立ち上がった。優はどうやら、学校に行く準備をするようだ。
今日は雨が降りそうな日だ。曇っていて、太陽はかくれんぼをしている。これじゃあ洗濯も心配でできないだろうな。乾きも遅いだろう。散歩するなら、傘を用意しておいた方が正解だろう。それか散歩はしなくても良いだろう。
俺はダイニングの椅子に座った。今日の朝食はいつも通りだ。焼いたトースト。…マーガリンでも塗っておこうかな。サラダに、厚焼き卵。ドリンクは少しぬるいお茶だ。これが俺の日常だ。
これが…。
…俺は椅子から立ち上がり、玄関を出た。直前でお母さんが俺の名前を大きな声で呼んでいたが、無視して外に出る。やっぱりおかしい。外は寒く、体が冷えそうだ。
思い出した。
俺は男子高校生の[漢字]草野海渡[/漢字][ふりがな]くさのかいと[/ふりがな]。前に[大文字]異世界[/大文字]へ行って、[大文字]魔法[/大文字]を習得。[大文字]女神[/大文字]と一緒に[大文字]異世界[/大文字]を旅をし、[大文字]魔王[/大文字]ヴィンディンを倒した。今では現実世界でも[大文字]魔法[/大文字]を常に扱い、仲間と生活してきた。
俺は真上の空を見た。曇っているから、雲で隠れていたかもしれない。しかし、晴れていた時は[太字][大文字][大文字]月[/大文字][/大文字][/太字][大文字]のようなものがあった[/大文字]。見間違いだと思っていたが、あの[下線]晴れていた日が今日と同じならば[/下線]、見間違いがまた起こるかもしれない。あの晴れていた時、見間違いで済ましていたが、結局見間違いかはわからなかった。
見間違いじゃなかったら、あの雲の上に[太字][大文字][大文字]月[/大文字][/大文字][/太字]が…!!
海渡『[太字]ハリケーン[/太字]!』
俺は風魔法のハリケーンで、雲をどかした。確かあそこに月と思われるものが見えたはず…!!
…雲があった場所には、紛れもない、キラキラと光っている[太字][大文字][大文字][大文字]青い[/大文字][/大文字][/大文字][/太字][太字][大文字][大文字]月[/大文字][/大文字][/太字]が、あったのだ。
その月の上には、人がいた。あれは月の上に人が乗っているのか?…いや違った。月の上に乗っていると思われた人は、飛んでいた。人は月からねじれの位置にいる。
海渡『誰だ!!』
そう俺は言うと、飛んでいる人がこう答えた。
飛んでいる人『君が羨ましい限りだ。』
海渡『は…?』
飛んでいる人『我の魔法を、見破るとはな。』
魔法…?その瞬間、異世界を知っているものだと瞬時に理解した。この人は人間?仲間なのか?それとも、敵なのか…?
俺は飛んでいる人の魔法が気になったので、聞いてみることにした。
海渡『お前が使った魔法は、一体なんなんだ?』
飛んでいる人『この世には知らなくていいことがたくさんだ。』
飛んでいる人『君が知る必要性はない。…ったく…、我の魔法を見破っただけで、幸せは既に壊れたというのに…。』
幸せ…?知らなくていい…?頭が混乱した。こいつが何を企んでいるかさっぱりだ。…記憶を操作する魔法なのか、幻覚を見せる魔法なのか、なんなのか。知っておいた方が、こちらに強さが生まれる。
そして飛んでいる人は、俺に対してこういった。
飛んでいる人『君は我の存在を知らないままでよかったんだ。そうすれば、[太字]本当の幸せ[/太字]が訪れていたというのにも関わらず…。君は知ってしまった。』
飛んでいる人『さっきの生活の方が、幸せで素敵だろう?』
…
海渡『幸せ、かぁ…。』
飛んでいる人『どうした?何か不満でもあったか?』
海渡『俺は、この生活は幸せとは言えない。』
海渡『いつもの女神がいたり、魔法があった生活の方が幸せだ。』
海渡『俺はあのいつもの生活が幸せなんだよ。』