音で蘇る記憶
「あーねむ」
そう呟きながら両耳にイヤホンをつける。大して好きじゃない曲がガンガン脳内に響く
鬱陶しく思いながらいつもの通学路を通る。学校休みになんないかなぁ特に可愛い女の子もいなけりゃイケメンもいないクソ学校に行ってなんの意味があるんだ
「あーだりぃ」
俺は寝起きだからか学校に悪態をつく。
そうこうしている内に俺は電車に揺られ揺られている
満員電車だ。周りを見渡せばいろんな人がいる。
他校の女子高校生達や人生大変そうなおじに、あれは…同じ学校の後輩?目があったら気まずい気まずい。すぐに目を逸らす
目を逸らした先にも同じ高校の後輩がいる
俺は諦めて携帯を開く。
充電が残り少ない昨日充電しとけばよかったと頭の中でぼやきながら携帯を閉じる
ぼーっとしているうちに駅に着く、俺は慌てて席を立ち駅のホームをそそくさと出てまたぼーっと学校までの道を歩いていく
ドン!!
背中に重みがのしかかる。振り向くとそこには最恐最悪の男、中尾 潤
「おっはっよ〜!あーまたイヤホンしてんの?それじゃあオレの美声が届かないジャーン」
そう言いながら俺のイヤホンを奪い取る
「はてさて、堀クンは何を聞いてたのかなぁ〜?………あーまたこのアニソン?好きだねぇ」
「別に好きじゃねーよ。」
実際は結構好きだ。けど、こんなこと言ったら冷たい視線を送られるに決まってる。
「ふーん、そう?」
「ああ、だから早く返せ。それ」
無事に生還した俺のイヤホン。あいつなら壊しかけない
「あ、ねえねえ昨日のアレ、見た?」
「見てない。」
「えぇ〜うそぉオモロかったのに〜」
あれってなんだよあれって。