文字サイズ変更

荊時計は狂わない

#2

「本当か…?場所は!」
今この場には一人しか居ないと言うのに、私は叫んだ。
私のわめきに応答するように、ニュースキャスターは声を重ね続ける。
「えー、荊時計がある場所は、不明、不明です。学者のグラシア・エヴァンス氏は『場所は不明』と言っております。場所は不明、不明です」
テレビの音量を、またできる限り大きくして、男の話を聞く。だが、そこに有益と思われる情報はなかった。
「不明って何!じゃあどうやって見つけたの!」
声をアイスの棒を投げ捨て、ソファに置いているクッションを力任せに叩く。荊時計は一体どこにあるのか、知りたくてたまらないのに。
「はぁ…」
テレビでは、もう荊時計の話など終わり、最新の美味しいスイーツだのの特集に移っていた。
「__あぁ、あぁ。やっぱりそうだ」
速報は終わり、私はさきほどの怒りとは真逆の、狂気がにじむ笑みを浮かべる。
「私には__荊時計が必要なんだ!」
右側から差し込む淡い陽光は、私の新たな成長を応援するように、部屋をきらきらと輝かせた。
「決めた、決めたわ…。私は」
荊時計を探し、私の物にする。この瞬間、私はそう決めた。

※ダブルクリック(2回タップ)してください

作者メッセージ

更新めっちゃ期間空いてすみません…。

2024/06/22 12:45

水野志恩 ID:≫7tLEh4qnMjetA
続きを執筆
小説を編集
/ 2

この小説はコメントオフに設定されています

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL