荊時計は狂わない
「本当か…?場所は!」
今この場には一人しか居ないと言うのに、私は叫んだ。
私のわめきに応答するように、ニュースキャスターは声を重ね続ける。
「えー、荊時計がある場所は、不明、不明です。学者のグラシア・エヴァンス氏は『場所は不明』と言っております。場所は不明、不明です」
テレビの音量を、またできる限り大きくして、男の話を聞く。だが、そこに有益と思われる情報はなかった。
「不明って何!じゃあどうやって見つけたの!」
声をアイスの棒を投げ捨て、ソファに置いているクッションを力任せに叩く。荊時計は一体どこにあるのか、知りたくてたまらないのに。
「はぁ…」
テレビでは、もう荊時計の話など終わり、最新の美味しいスイーツだのの特集に移っていた。
「__あぁ、あぁ。やっぱりそうだ」
速報は終わり、私はさきほどの怒りとは真逆の、狂気がにじむ笑みを浮かべる。
「私には__荊時計が必要なんだ!」
右側から差し込む淡い陽光は、私の新たな成長を応援するように、部屋をきらきらと輝かせた。
「決めた、決めたわ…。私は」
荊時計を探し、私の物にする。この瞬間、私はそう決めた。
今この場には一人しか居ないと言うのに、私は叫んだ。
私のわめきに応答するように、ニュースキャスターは声を重ね続ける。
「えー、荊時計がある場所は、不明、不明です。学者のグラシア・エヴァンス氏は『場所は不明』と言っております。場所は不明、不明です」
テレビの音量を、またできる限り大きくして、男の話を聞く。だが、そこに有益と思われる情報はなかった。
「不明って何!じゃあどうやって見つけたの!」
声をアイスの棒を投げ捨て、ソファに置いているクッションを力任せに叩く。荊時計は一体どこにあるのか、知りたくてたまらないのに。
「はぁ…」
テレビでは、もう荊時計の話など終わり、最新の美味しいスイーツだのの特集に移っていた。
「__あぁ、あぁ。やっぱりそうだ」
速報は終わり、私はさきほどの怒りとは真逆の、狂気がにじむ笑みを浮かべる。
「私には__荊時計が必要なんだ!」
右側から差し込む淡い陽光は、私の新たな成長を応援するように、部屋をきらきらと輝かせた。
「決めた、決めたわ…。私は」
荊時計を探し、私の物にする。この瞬間、私はそう決めた。
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