荊時計は狂わない
朝のニュースが、いつも通りの、退屈な日々の始まりを告げる。
つまらないニュースと特集が、[漢字]永遠[/漢字][ふりがな]とわ[/ふりがな]に続く川のように流され続けている。
『なにか、面白いことはないのか』
そう思いながら、朝食代わりのアイスを食べる。これは朝食が用意できなかったからではなく、今日はたまたまアイスが食べたかった、というだけだ。決して、昨日買い物を忘れて、今日食べる飯が無いわけではない。
「…ここで速報です」
ニュースが、二週間ぶりの速報をお伝えしようとしている。
「またか、今度は一体どんなニュースなのだ」
独り言を意味もなく呟く。
半信半疑、と言ってみたら少し違うが、ニュースをじっくり見てみる。
「学者のグラシア・エヴァンスにより、[漢字]荊時計[/漢字][ふりがな]いばらどけい[/ふりがな]がこの世に存在する、という論文が発表されました。荊時計は、この世のどこかに一つだけある、という内容の論文が、日本時刻、午前5時20分に、科学誌グランザから発表されました」
目を見開き、テレビの音量を上げる。
どうせまたくだらないニュースだろうと思っていたが、実際は、全くそうではなかった。
あの荊時計が、この世にまだ実在したというのか。
ニュースに魅入っていたら、持っていたアイスは溶けていた。
だが、今の私は、それすら気にならなかった。気にすることが、できなかった。
つまらないニュースと特集が、[漢字]永遠[/漢字][ふりがな]とわ[/ふりがな]に続く川のように流され続けている。
『なにか、面白いことはないのか』
そう思いながら、朝食代わりのアイスを食べる。これは朝食が用意できなかったからではなく、今日はたまたまアイスが食べたかった、というだけだ。決して、昨日買い物を忘れて、今日食べる飯が無いわけではない。
「…ここで速報です」
ニュースが、二週間ぶりの速報をお伝えしようとしている。
「またか、今度は一体どんなニュースなのだ」
独り言を意味もなく呟く。
半信半疑、と言ってみたら少し違うが、ニュースをじっくり見てみる。
「学者のグラシア・エヴァンスにより、[漢字]荊時計[/漢字][ふりがな]いばらどけい[/ふりがな]がこの世に存在する、という論文が発表されました。荊時計は、この世のどこかに一つだけある、という内容の論文が、日本時刻、午前5時20分に、科学誌グランザから発表されました」
目を見開き、テレビの音量を上げる。
どうせまたくだらないニュースだろうと思っていたが、実際は、全くそうではなかった。
あの荊時計が、この世にまだ実在したというのか。
ニュースに魅入っていたら、持っていたアイスは溶けていた。
だが、今の私は、それすら気にならなかった。気にすることが、できなかった。
このボタンは廃止予定です
この小説はコメントオフに設定されています