＿＿スチームバード新聞のジャーナリストといえば、彼女が想像されるだろう。
常に取材・記事の作成を怠らず、それどころか、それらに全力を注いでいる。
「何か面白い事は、どこかにあるかしら！」
彼女の名前は、シャルロットといった。

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＿＿シャルロットは、フォンテーヌの街を歩いていた。
街に出る時、彼女はいつも耳をすましている。人々の喧騒の中に、興味深いニュースや言葉があるというのは、それほど珍しいことではないのだ。
「面白い事はあるかな？」なんて思いながら、シャルロットはただ、街を歩いていた。
そして、ある喧騒の中から、一つの会話が聞こえた。それは、二人の男たちの立ち話だった。
「そういえば、水神様の新しい劇が出るらしいぞ！」
「そうなのか！それはすごいな、どんな内容なんだ？」
「愛を知らない少女が、一冊の小説から心動かされる…という話だと聞いた」
「へぇ、興味深いな！」
「公演が開始したら、二人で見に行かないか？」
「ああ！」
立ち止まって、男二人の会話を聞く彼女は、目をキラキラと、宝石のように輝かせた。
シャルロットにとって、男たちの会話は、実に興味深いものだったのだ。
「新しい…劇…！すごく気になるわ…！！絶対に記事にしなきゃ！」
あの水神様の新しい劇だ、記事にしない訳にはいかない。
「これは、すごいスクープよ…！！」

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それから彼女は、すぐエピクレシス歌劇場へと向かった。
「水神様はどこに…」
歌劇場まで向かう途中でも、彼女は情報収集を怠らない。どこかに新しい、興味深いものはないかと、耳をすませながら歩く。
「水神様はー…どこに居るかしらー…」
エピクレシスへ向かう途中には、優雅な公園のような場所がある。シャルロットは今、そこを歩いている。
「うーん……。ん？」
その時、シャルロットは"ある人"を見つけた。
「あ！居たわ！水神様よ！」
そこには、ベンチに座って、美味しそうにケーキを食べている、フリーナがいた。
「え？なんだい？」
「水神様！新しい劇をやるというのは、本当でしょうか？でしたらぜひ、取材をさせてください！いい宣伝をしますよ！」
シャルロットは目を輝かせ、フリーナに向かい言った。
それに応答するように、フリーナもこう言う。
「あぁ、あの新しい劇の事か！なるほど、君はそれを知りたくて、この僕のもとへやって来たと！分かった、取材を受けよう！」
なにか自信たっぷりに答える水神。今回の劇に、よほどの自信があるのだろう。
シャルロットとフリーナは、取材をするため、エピクレシスへと向かった＿＿。

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エピクレシスにて、フリーナはシャルロットの取材を受けていた。取材はかれこれ、40分ほど続いている。
「＿＿という事なんだ！この劇の魅力はやっぱり、そういう所だね！」
「なるほど！それは面白いものになりそうですね！」
熱心に、メモ帳にフリーナの言葉を書くシャルロット。
「さて、そろそろ取材は終わりかい？この後ちょうど、劇のリハーサルがあるんだ」
「あぁ、はい！もうそろそろOKです！いきなりのお誘いだったのに、ありがとうございました！」
両者丁寧にお辞儀をした。この後は、記事に載せる写真を撮る。
「さて、フリーナ様、最後にお写真を！カメラ目線くださーい！」
「オーケー！さぁ、僕を美しく撮ってくれよ！」
「もちろんです！」
最後に、シャルロットは写真機を構えた。フリーナは、優雅で美しいポーズを取る。
「それじゃあ、シャッター切りますよ！」
「ああ！」
「…3…2…1！」
フラッシュが写真機から現れた。フリーナの写真は、完璧な角度とポーズで取られた、かなり理想に近いものだった。
「フリーナ様、写真どうですか？」
「いいね！バッチリだ！ありがとう、シャルロット」
「いえいえ！では、リハーサル頑張ってくださいね！」
「ああ、それじゃあ」
二人は別れた。両者とも、顔には笑みが浮いていた。