夢を追いかけて。
「カフカ
持ち場変更だ。こっちで欠員が出た」
「どこです?」
「[太字]腸だ[/太字]」
「[大文字]嫌だーーーーー!![/大文字]」
「すでに許可は取ってある。行くぞ」
「あぁ、それと
お前も腸に持ち場変更だ
○○」
『……えぇ〜〜?!!!!嘘でしょ?!!!私も?!!』
「そうだ、早く行くぞ」
『ねぇ、ワタシ、レディー、腸、ヤダ』
「ご愁傷様〜」
「噂には聞きますけど、腸作業ってやっぱキツイんすか」
「腸の中に何があるか考えりゃわかるっしょ
とりあえずあれやった日にゃーー…」
「ヴォエェエエ」
「おい
スーツの中に吐くとえらいことになるぞ」
『カフカ先輩………私もうムリ……ギブ……』
「可哀想だがあとちょっと頑張れ」
『ウギャアアアア!!ムリ!!ホントムリ!!』
「○○うるさい」
「しばらく飯は食えんわな」
「だー
疲れたー!
まだ鼻の奥にニオイが……うっ…」
《今日は第3部隊の特集です》
「!」
《本日、見事に怪獣の討伐を果たした
防衛隊第3部隊!
その隊員たちをまとめあげているのが隊長の亜白ミナさん!
27歳の若さにしてすでに
討伐した怪獣の数は数百にも及びます!
その容姿も相まって人気は
全隊長の中でもトップクラス
未来の師団長候補と目されています》
[中央寄せ][明朝体]二人で怪獣を全滅させようーー…[/明朝体][/中央寄せ]
[太字][中央寄せ]なんでこっち側にいるんだろ俺…[/中央寄せ][/太字]
[大文字]「だーー!!考えるな俺ッ!!」[/大文字]
「清掃だって人の役に立つ大事な仕事だ
立派な部屋に住んで
好きなもん食えてる
それだけで十分じゃねぇか……」
[中央寄せ]怪獣専門清掃業者 モンスタースイーパー(株)[/中央寄せ]
(二日酔いで頭いてー…
くそー…
あの特集のせいだ……)
「おはようございまー…」
「来た来た
おいカフカ
こっち来い」
「!」
「今日入ったバイト
[太字]防衛隊目指してんだってよ![/太字]」
[中央寄せ]市川レノ 18歳[/中央寄せ]
「こいつも昔目指してたんだよ
もう諦めちまって
すっかりココの古参だけど」
(うわー最悪…)
「徳さん
この子もリアクション困りますってーー…」
「[太字]ーーーー…すか?[/太字]
[太字]なんで
諦めちゃったんすか?[/太字]」
「オレなりに頑張ってはみたんだけどサ
上には上がいるというか…
自分の才能の壁にブチ当たったっての?
お前も年食ったらわかるようにーー…」
「[太字]わかんねーっス
オレは諦めないんで
死ぬまでわかんねーっス[/太字]
わかりたくもないけど」
「着替えてーー…」
『おはよーございまーすー』
「…っお、○○遅刻だぞー」
『えへー…すいませーん
って、あれ?見ない顔じゃん!バイト?』
「おう!今日からのバイトの子だぜ」
『へぇ~!始めまして!私は●●○○!
君の名前は?』
「………市川レノっス」
『レノくんね!よろしくー』
(距離近……)
「そーいや、○○も目指してんだよな!
防衛隊!」
「!」
『そーだけど……レノくんもそーなの?』
「…はい」
『えー!そーなの?!仲間仲間〜!!
仲良くしよーね!』
「……っス
着替えてきます」
「○○とは気が合ったんだな!
カフカは合わなかったけど」
『えっ?合わなかったの?カフカ先輩』
「はは……」
(ずりーよ…!
そんなんどう答えたって
俺がみじめになるじゃねーか
諦めるのって
そんなに悪いことですか……?)
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