二次創作
イカれたメンバーを紹介するぜ!
side レノ
いつもの食卓にて。おいしそうなデザートのパイには、人間の手が混じっている。外見はスターゲイジーパイの魚を手に代えたような外見をしていた。出てきた時はちゃんと食べられるのかと心配になったのだが今じゃ普通に美味しく頂いている。そして、カノ兄貴が突然話し始めた。
「とある漫画家に自分の漫画のスピンオフを書いてほしいと頼まれたんだ。暫くは自分の部屋に籠りっぱなしだと思うから、変に話しかけないでくれよ。」
「承知しました。カノ様。」
クイ兄貴が間髪入れずにカノ兄貴に返答する。相変わらずの忠犬っぷりを見せつけている。余計な事を言ってしまうと、クイ兄貴は疑問が解消され相手が謝るまで詰めてくるという事を学習した僕は、本音を心の中にしまっておくという技術を得た。
「了解っす。カノ兄貴。」
僕も続いて返答する。直ぐに返答しなければクイ兄貴にあとからこれでもかというぐらい詰められるのだ。
「分かった。」
「了解したよ。」
ノア兄貴、ヒノ兄貴と続いて返事をする。だが、カノ兄貴は少し気まずそうにとある事を発表した。
「…顔、まあまだ合わせた事ないんだけど。次に会うから。その漫画家さんとは。」
クイ兄貴がものすごい怒りのオーラを放っている。きっとこれはその漫画家さんを殺しに行く勢いだ。クイ兄貴をとめる為に僕は急いでカノ兄貴に向かって質問する。
「そういや、その漫画家さんのペンネームなんて言うんです?」
もしかすればボクも知っているほどの有名人かもしれない。名が知れている人間ならば、少し仕事場にお邪魔したいところだ。もし拒否されても、無理やり入ればいい話なのだから。
「えっと確か…[太字]『ハナ・コンテイジョン』[/太字]だったかな。調べればきっと出てくるだろう。」
名は聞いた事がある。
「よろしければ、次回会う際にはご一緒させていただけませんでしょうか。カノ様にふさわしい人間なのか見極めさせていただきたいのです。大変身勝手な願いだと承知しておりますが…よろしいでしょうか?」
早口でノンブレスでクイ兄貴は言う。そして深くカノ兄貴に向かって頭を下げる。クイ兄貴からは恐ろしいオーラを感じ取れる。どうやら、これは僕だけらしく、ノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も黙々としている。それとも、気づいているがただ無視しているだけなのだろうか。だが、カノ兄貴はクイ兄貴を静止した。
「次回になったらいいよ。まずはワタシ一人でいい。まずはお相手に許可をとらないといけないからね。」
その漫画家とは誰なのだろうか、と少し気になる。だが、カノ兄貴がスピンオフを書いてやる事を許可するという事は、きっとそれほど面白い人間なのだろう。許可が出ればの話だが、僕も漫画家の原稿を一度見てみたいところだ。きっと絵のインスピレーションになるだろう。
「承知しました。」
クイ兄貴は瞬時的にまた頭を下げる。デザートのパイを食べ終わったので、取り皿を流し台に置きに行く。そして水につけておく。僕は、なんとなく暇になってしまった。絵のインスピレーションすらも湧き出ない。
「…一旦書いてみよう。」
いつものように冷蔵庫に冷凍している血液を採りに行ったのだが、しまった。この前ヒノ兄貴が使ったものでもう血液が切れていた事を思い出した。
「行くかあ…。」
もう夕暮れ。ならば、手ごろな野郎がいるだろう。今日は僕一人で全てやってみようか。縄を持ち、護身用の拳銃を持ち大量の試験管を持てばもういい。後は自身の車を出せば済む話だ。
・・・
手ごろな野郎がいない。この時間帯ならば、一人で遊んでいる子供がいるはずなのだが、今日は一向に見つからない。しょうがないので、一家惨殺をしてしまおう。車が少々邪魔になってしまうが、この血液をちゃんと保管するには冷凍ボックスが必要だった。ならば、出した事にも多少の意味はあるだろう。
「…この家でいいかな。」
出来るだけ辺鄙なところにある家を僕は選んだ。悲鳴で他の家の野郎共に警察を呼ばれてしまっては困るからだ。一瞬で殺すか、悲鳴も出ない程の恐怖を与えるかしかもう手段はないだろう。リボルバーの弾も僕は持っているのだ。流れ作業だろう。どうやら今は家族で外出しているのか誰もいない。中に入ってみると、普通の一般家庭が広がっている。ピッキングで玄関から入ったのだ。鍵は閉めておかなければ警戒されてしまう為、僕は何も起こっていないという事を演じながら鍵を閉め息をひそめた。そして暫く経った頃、家族が帰ってきたようだ。会話が聞こえる。どうやら三人家族のようだ。今、どこにいるのかは分からない。だが大丈夫だ、なんせ、この僕は戦場に立っていたのだ。ただの家族を殺すのに、数分もいらない。リボルバーに弾丸をこめ、野郎どもがいるであろうリビングへ向かった。
「なんて言えばいいかな。敵だし…大した事言う必要ないよな? まあ、礼儀として一応挨拶を…僕の名前はレノ。よろしく。そちらも…名前を教えてくれるかな?」
にこやかに、爽やかに言ったのだが彼らは警戒しているのか誰も返事をかえしてくれやしない。いつもの、他人の目の前では荒々しい口調と穏やかな口調が交互に変わってしまう。だからか、僕を警戒しじいっと動かず見つめてくる。
「…酷くないか? 僕達は初対面なんだ…名乗るのが礼儀というものだろ? ほら、この僕が名乗ってやったんだよ…早くしてくれないか?」
暫し待ってやる。だが、名乗る気配はない。礼儀のなっていない野郎共だ。この僕が名乗ってやったのに、相手はただただ名前を聞いて終わるだなんて。とてつもなく不快だ。なぜこの僕が無視されなければならないのだ。
「名乗る気はないんだ…しょうがないな。」
僕はそいつらにリボルバーの銃口を見せ、直ぐに三発発砲した。その銃弾の軌道はずれる事なく、そいつらめがけてしっかりと飛んでいく。そして、ほぼ同時に鮮血が広がった。
「あーあ…無駄にしちゃった。」
急いで機械を取り付け、血液を採取しながら僕はふと思う。血液さえ採取出来ればいいのだ。ならば、これを全て解体してしまおうではないか、と。死体処理実に面倒なのだ。だからいつも我が家では人肉に加工し食べている。ならば、持ち運びやすいように捌いてしまえばいいのだ。専用のナイフは車に積んでいるはず。クーラーボックスの中はきっと足りる。よし、準備は万端だ。
「あ、もう試験管全部埋まったのか…しょうがない、捌くか。」
大きいナイフを取り出しながら僕はそう言う。まず皮を剥ぐ。この皮は基本的には臭いが取れないので、燃えカスにしてしまうのがいい。基本的には僕達は絵に使ったり、これで物を制作したりしている。
「肉が多いな…これは捌くのが面倒になるね…。」
これをみんなで食べてしまえばいいのだが、うちはノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴は小食だ。というか食べるという行為自体に興味がなく、食べているぐらいならば趣味に時間を費やしたいといったところだろうか。クイ兄貴はとてつもないほどの大食いで少々燃費が悪く基本何でも食べている。とてつもないほど不味いものでもすべて平らげてしまう。僕は普通ぐらい。小食でも大食いでもない人間だ。夜食こそよく食べるが、他は特筆すべき点がない。このお肉の量を僕入れた五人で食べられるとはあまり思わないが、クイ兄貴に大部分を任せればどうにかなるだろう。
・・・
暫く経ち、全てをばらばらにしクーラーボックスに詰めた。だいぶ時間がかかってしまい、あまりにも最近は捌いておらず、血液の採取だけしており他は全てノア兄貴に任せていたという事実がこんなところで仇となるのは予想すらしていなかった。
「これをあと二人かぁ…。」
僕は軽くため息をつき、休憩している暇などないとまたナイフを持ち捌き始めた。先ほどと同じように。クーラーボックスに全て入るのかという心配も、ちゃんと捌けているかという心配が入り混じる。ノア兄貴に今度教えてもらおう、そう僕は決意したのだった。体力がもうしんどいというところまで来ているが、今帰ってしまえば、このお肉達を無駄にさせかねない。僕は無駄が最も嫌いな事の一つ。こんなに一気にお肉が手に入ったのだから、出来るだけ迅速に、誰にも気づかれぬようにこれらを捌かなければならないのだ。僕は気合を入れて、軽く悲鳴をあげている体を横目にまた捌き始めた。先ほどは親だったが、今回は子供。少しばかり楽になるだろうか。ぼーっと考えながら僕はお肉に刃を通し、先ほどと同じようにお肉を捌く。
・・・
「…子供も…案外辛い…。」
なんとかして僕は二人目になる子供を捌き終えた。捌くのは好きだが、こんなにも連続でやってしまうと流れ作業感が否めなくなってしまう。何事もほどほどにすべきだという事を今ここで再確認した。腕を動かしすぎたせいで腕が痛い。だが、誰にも見つからないうちに全てを終わらせてしまわねばならない。時間もあまりない。早く捌き終わり帰路につかなければ。
「…っ、がんばろ…ああ…腕が痛い…休憩したいけど…頑張らないと…。」
すううっ、とナイフを入れる感覚は好きだが、もうその快感よりは痛みや辛さの方が勝ってしまっている。家ならばもう一旦休憩に入っていたところなのだろうが、今は家ではなく知らない人の家。出来るだけ急がなくては。誰かに気づかれないように、しなければ。
・・・
「やっと終わったよ…。」
辺りは血みどろ。僕も出来るだけ血がつかないようにし、お風呂用のスリッパを履いていたのだが、少々血がついてしまった。完全に血液を抜いておかなければ、やはり捌くのは難しそうだ。
「…帰ろ。」
そろそろ帰らなければ締め出されてしまう。そう恐れながら、誰にも見つからないように、落ち着いて慎重に車内にクーラーボックスを積む。暫くはこれで血もお肉も足りるだろう。ノア兄貴が食事に常に使い、ものすごい勢いで消えてゆくのでちょくちょく取りに行かなければならないのだ。夜はほぼ人肉が出る挙句、最近はそれを隠そうともしない。
「明日の夜はみんな誘って焼肉行こう。」
僕は車を発車させながらそう呟いた。
いつもの食卓にて。おいしそうなデザートのパイには、人間の手が混じっている。外見はスターゲイジーパイの魚を手に代えたような外見をしていた。出てきた時はちゃんと食べられるのかと心配になったのだが今じゃ普通に美味しく頂いている。そして、カノ兄貴が突然話し始めた。
「とある漫画家に自分の漫画のスピンオフを書いてほしいと頼まれたんだ。暫くは自分の部屋に籠りっぱなしだと思うから、変に話しかけないでくれよ。」
「承知しました。カノ様。」
クイ兄貴が間髪入れずにカノ兄貴に返答する。相変わらずの忠犬っぷりを見せつけている。余計な事を言ってしまうと、クイ兄貴は疑問が解消され相手が謝るまで詰めてくるという事を学習した僕は、本音を心の中にしまっておくという技術を得た。
「了解っす。カノ兄貴。」
僕も続いて返答する。直ぐに返答しなければクイ兄貴にあとからこれでもかというぐらい詰められるのだ。
「分かった。」
「了解したよ。」
ノア兄貴、ヒノ兄貴と続いて返事をする。だが、カノ兄貴は少し気まずそうにとある事を発表した。
「…顔、まあまだ合わせた事ないんだけど。次に会うから。その漫画家さんとは。」
クイ兄貴がものすごい怒りのオーラを放っている。きっとこれはその漫画家さんを殺しに行く勢いだ。クイ兄貴をとめる為に僕は急いでカノ兄貴に向かって質問する。
「そういや、その漫画家さんのペンネームなんて言うんです?」
もしかすればボクも知っているほどの有名人かもしれない。名が知れている人間ならば、少し仕事場にお邪魔したいところだ。もし拒否されても、無理やり入ればいい話なのだから。
「えっと確か…[太字]『ハナ・コンテイジョン』[/太字]だったかな。調べればきっと出てくるだろう。」
名は聞いた事がある。
「よろしければ、次回会う際にはご一緒させていただけませんでしょうか。カノ様にふさわしい人間なのか見極めさせていただきたいのです。大変身勝手な願いだと承知しておりますが…よろしいでしょうか?」
早口でノンブレスでクイ兄貴は言う。そして深くカノ兄貴に向かって頭を下げる。クイ兄貴からは恐ろしいオーラを感じ取れる。どうやら、これは僕だけらしく、ノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も黙々としている。それとも、気づいているがただ無視しているだけなのだろうか。だが、カノ兄貴はクイ兄貴を静止した。
「次回になったらいいよ。まずはワタシ一人でいい。まずはお相手に許可をとらないといけないからね。」
その漫画家とは誰なのだろうか、と少し気になる。だが、カノ兄貴がスピンオフを書いてやる事を許可するという事は、きっとそれほど面白い人間なのだろう。許可が出ればの話だが、僕も漫画家の原稿を一度見てみたいところだ。きっと絵のインスピレーションになるだろう。
「承知しました。」
クイ兄貴は瞬時的にまた頭を下げる。デザートのパイを食べ終わったので、取り皿を流し台に置きに行く。そして水につけておく。僕は、なんとなく暇になってしまった。絵のインスピレーションすらも湧き出ない。
「…一旦書いてみよう。」
いつものように冷蔵庫に冷凍している血液を採りに行ったのだが、しまった。この前ヒノ兄貴が使ったものでもう血液が切れていた事を思い出した。
「行くかあ…。」
もう夕暮れ。ならば、手ごろな野郎がいるだろう。今日は僕一人で全てやってみようか。縄を持ち、護身用の拳銃を持ち大量の試験管を持てばもういい。後は自身の車を出せば済む話だ。
・・・
手ごろな野郎がいない。この時間帯ならば、一人で遊んでいる子供がいるはずなのだが、今日は一向に見つからない。しょうがないので、一家惨殺をしてしまおう。車が少々邪魔になってしまうが、この血液をちゃんと保管するには冷凍ボックスが必要だった。ならば、出した事にも多少の意味はあるだろう。
「…この家でいいかな。」
出来るだけ辺鄙なところにある家を僕は選んだ。悲鳴で他の家の野郎共に警察を呼ばれてしまっては困るからだ。一瞬で殺すか、悲鳴も出ない程の恐怖を与えるかしかもう手段はないだろう。リボルバーの弾も僕は持っているのだ。流れ作業だろう。どうやら今は家族で外出しているのか誰もいない。中に入ってみると、普通の一般家庭が広がっている。ピッキングで玄関から入ったのだ。鍵は閉めておかなければ警戒されてしまう為、僕は何も起こっていないという事を演じながら鍵を閉め息をひそめた。そして暫く経った頃、家族が帰ってきたようだ。会話が聞こえる。どうやら三人家族のようだ。今、どこにいるのかは分からない。だが大丈夫だ、なんせ、この僕は戦場に立っていたのだ。ただの家族を殺すのに、数分もいらない。リボルバーに弾丸をこめ、野郎どもがいるであろうリビングへ向かった。
「なんて言えばいいかな。敵だし…大した事言う必要ないよな? まあ、礼儀として一応挨拶を…僕の名前はレノ。よろしく。そちらも…名前を教えてくれるかな?」
にこやかに、爽やかに言ったのだが彼らは警戒しているのか誰も返事をかえしてくれやしない。いつもの、他人の目の前では荒々しい口調と穏やかな口調が交互に変わってしまう。だからか、僕を警戒しじいっと動かず見つめてくる。
「…酷くないか? 僕達は初対面なんだ…名乗るのが礼儀というものだろ? ほら、この僕が名乗ってやったんだよ…早くしてくれないか?」
暫し待ってやる。だが、名乗る気配はない。礼儀のなっていない野郎共だ。この僕が名乗ってやったのに、相手はただただ名前を聞いて終わるだなんて。とてつもなく不快だ。なぜこの僕が無視されなければならないのだ。
「名乗る気はないんだ…しょうがないな。」
僕はそいつらにリボルバーの銃口を見せ、直ぐに三発発砲した。その銃弾の軌道はずれる事なく、そいつらめがけてしっかりと飛んでいく。そして、ほぼ同時に鮮血が広がった。
「あーあ…無駄にしちゃった。」
急いで機械を取り付け、血液を採取しながら僕はふと思う。血液さえ採取出来ればいいのだ。ならば、これを全て解体してしまおうではないか、と。死体処理実に面倒なのだ。だからいつも我が家では人肉に加工し食べている。ならば、持ち運びやすいように捌いてしまえばいいのだ。専用のナイフは車に積んでいるはず。クーラーボックスの中はきっと足りる。よし、準備は万端だ。
「あ、もう試験管全部埋まったのか…しょうがない、捌くか。」
大きいナイフを取り出しながら僕はそう言う。まず皮を剥ぐ。この皮は基本的には臭いが取れないので、燃えカスにしてしまうのがいい。基本的には僕達は絵に使ったり、これで物を制作したりしている。
「肉が多いな…これは捌くのが面倒になるね…。」
これをみんなで食べてしまえばいいのだが、うちはノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴は小食だ。というか食べるという行為自体に興味がなく、食べているぐらいならば趣味に時間を費やしたいといったところだろうか。クイ兄貴はとてつもないほどの大食いで少々燃費が悪く基本何でも食べている。とてつもないほど不味いものでもすべて平らげてしまう。僕は普通ぐらい。小食でも大食いでもない人間だ。夜食こそよく食べるが、他は特筆すべき点がない。このお肉の量を僕入れた五人で食べられるとはあまり思わないが、クイ兄貴に大部分を任せればどうにかなるだろう。
・・・
暫く経ち、全てをばらばらにしクーラーボックスに詰めた。だいぶ時間がかかってしまい、あまりにも最近は捌いておらず、血液の採取だけしており他は全てノア兄貴に任せていたという事実がこんなところで仇となるのは予想すらしていなかった。
「これをあと二人かぁ…。」
僕は軽くため息をつき、休憩している暇などないとまたナイフを持ち捌き始めた。先ほどと同じように。クーラーボックスに全て入るのかという心配も、ちゃんと捌けているかという心配が入り混じる。ノア兄貴に今度教えてもらおう、そう僕は決意したのだった。体力がもうしんどいというところまで来ているが、今帰ってしまえば、このお肉達を無駄にさせかねない。僕は無駄が最も嫌いな事の一つ。こんなに一気にお肉が手に入ったのだから、出来るだけ迅速に、誰にも気づかれぬようにこれらを捌かなければならないのだ。僕は気合を入れて、軽く悲鳴をあげている体を横目にまた捌き始めた。先ほどは親だったが、今回は子供。少しばかり楽になるだろうか。ぼーっと考えながら僕はお肉に刃を通し、先ほどと同じようにお肉を捌く。
・・・
「…子供も…案外辛い…。」
なんとかして僕は二人目になる子供を捌き終えた。捌くのは好きだが、こんなにも連続でやってしまうと流れ作業感が否めなくなってしまう。何事もほどほどにすべきだという事を今ここで再確認した。腕を動かしすぎたせいで腕が痛い。だが、誰にも見つからないうちに全てを終わらせてしまわねばならない。時間もあまりない。早く捌き終わり帰路につかなければ。
「…っ、がんばろ…ああ…腕が痛い…休憩したいけど…頑張らないと…。」
すううっ、とナイフを入れる感覚は好きだが、もうその快感よりは痛みや辛さの方が勝ってしまっている。家ならばもう一旦休憩に入っていたところなのだろうが、今は家ではなく知らない人の家。出来るだけ急がなくては。誰かに気づかれないように、しなければ。
・・・
「やっと終わったよ…。」
辺りは血みどろ。僕も出来るだけ血がつかないようにし、お風呂用のスリッパを履いていたのだが、少々血がついてしまった。完全に血液を抜いておかなければ、やはり捌くのは難しそうだ。
「…帰ろ。」
そろそろ帰らなければ締め出されてしまう。そう恐れながら、誰にも見つからないように、落ち着いて慎重に車内にクーラーボックスを積む。暫くはこれで血もお肉も足りるだろう。ノア兄貴が食事に常に使い、ものすごい勢いで消えてゆくのでちょくちょく取りに行かなければならないのだ。夜はほぼ人肉が出る挙句、最近はそれを隠そうともしない。
「明日の夜はみんな誘って焼肉行こう。」
僕は車を発車させながらそう呟いた。