二次創作
イカれたメンバーを紹介するぜ!
side ヒノ
そうして話し込んでいるうちに、リタサンが連れてきたのであろう女性が一名眠気眼を擦っていた。
「…おはよ…って、ヒノ…だっけ? こんにちは~! うちはソーン! よろしくね!!」
朝から声を張っているのは、可愛らしい桃色の髪に薄紫のメッシュが入っている少女。その長髪をふわりと靡かせながら、軽い足取りで洗面台に向かった。花のように可憐でその笑顔は万物を癒す神の光のようである。
「ああ、よろしく…その様子だと、名前は知っているらしいね。」
「うん! リタがいっぱい話してくれたからね!」
いつの間にか自分を知られている、という経験は何度かあるので苦なんかではない。だって私も元軍人だ。有名人になったことなんかいくらでもある。
「…あ、そーいやさ。ホリーとコンバどこ行ったの? ビニコン?」
「恐らく…ベランダにいるのだと。煙草でも吸っているんじゃないでしょうか。」
リタサンは大きな硝子を指さした。少しぼんやりとしているが、かろうじて二つ分の物陰が見える。赤髪の者と、青髪の者。性別は分からないが、どうやら二人でくつろいでいるようだ。
「……ならば、挨拶ぐらいしてこようか。」
重い腰を上げるとラバンが気まずそうに笑いながら口を開いた。
「あ、ちょっと気ィつけや。どっちもちょっとガラ悪いしな。片方反社やし。なんかカツアゲでもされたら[漢字]言[/漢字][ふりがな]ゆ[/ふりがな]うてや。[漢字]ラク[/漢字][ふりがな]こいつ[/ふりがな]が助けてくれるわ。」
「俺ェ!? あとどっちもやるタイプじゃねえだろ!? …ガチギレしない限り。」
「不穏だとしか言いようのない言葉が聞こえたが。」
お調子者で元気があるのはいい。なぜこうも不安を煽るような言葉を紡ぐのだ。そんなちょこっとだけ気まずい雰囲気を打ち破るように、リタサンは満面の笑みでそして明るい声で笑った。
「大丈夫でしょう! 昨日のうちに釘は刺しておきましたから。…もし暴力を振るったのならば…お灸を据えて差し上げないとなりませんね。」
「…どついたるなや。」
「乱暴はあまり好みませんからね。流石にそんな事はしませんよ。」
その笑顔の裏には、一体何が潜んでいるというのだ。そもそもの話、私を襲撃した際刀を携帯していたではないか。あまりにも暴力で解決しようとしていたにも関わらず平和主義者とこいつは言っている。
「…嘘じゃん。」
『リタはそうだよ!』とでも言いそうであったソーンサンさえも、彼に冷たい視線を送っていた。ここまで信用されていないとなると、住み着いている野良猫や野良犬でもいじめているのではないか。どこまでも嘘くさく、演技っぽい彼は笑みを絶やさず言い放った。
「嘘じゃありませんよ! わたくしめは絶対に嘘を吐きませんからね。生を受けてから一度も暴力を振るった事などございません!」
洒落なのか、マジなのか。
「…ヒノくんの教育に悪いぜ、リタァ。」
ここまで宥められた挙句疑われるリタサン。ラクすら疑いの視線を向け少しばかり顔を顰めてしまっている。どれだけ普段から暴力的なのだろうか。
「そうでございましょうか?」
にこやかで爽やかな笑み。だが何か黒いインクのようなものが沁み込んでいるように見えた。
「…あー、早速行ってくるよ。待っておいておくれ。」
ちょっとだけ重い腰を上げると、その人影が存在する方向へ私は脚を運ばせる。ノックはいらないだろうか、引き戸をガラガラと開けると煙草の独特な臭いが鼻を衝いた。
「…誰だ。」
鋭い声、そして同じように鋭い視線。声は一つ、そして視線は二つ。それが私を貫く。
「あー…新入りのヒノさ。新入り、という表現が正しいのかはわからないがね。」
「あ、お前なんだ。ふぅん。」
青髪の青年が興味なさげに呟いた。意外だ、と言わんばかりの視線で赤髪の男も見つめてくる。体格だけであればクイと同等であろう巨人がその異様な瞳で。
「…俺のこれは生まれつきだ。そういう趣味じゃねえ。」
やっと口を開いたかと思えば、それは弁明。所謂奇形児という奴だろうか、白目が真っ黒に染まっている。もしここが小さな村であるならば彼とその家族もろとも村八分に遭っていただろう。
「ああ、こいつコンプレックスなんだよ。目がな。気にしないでやってくれ。」
冗談っぽく彼は笑いかけた。だが、そんな彼と対照的に赤色の髪の青年は彼を睨みつけている。少々小突きながら、彼はこうドスを効かせて言った。
「…黙れ。」
「あァ? そうでもしねえとお前も落ち着かないだろ。コンバ。」
「それでも、てめーの口から話す義理なんざねえ。」
険悪な雰囲気が嫌というほどベランダに充満する。煙を吸ったわけでも、そもそも喘息持ちでも風邪でもないのにイガイガとした何かが喉を通り過ぎていく。
「コンバ。新入りのヒノくんが見てんだ。喧嘩は後でやろうや。リタに怒られる前提でな。言っておく。俺の名前はホリー・タイト・ルーベル。ま、仲良くしてくれよ。」
わざとらしく彼は肩に手を回してきた。どこか馴れ馴れしい雰囲気を持っている油断出来そうにない男である。リタサンに追い出されていないという事は、根はいい奴なのかもしれないが。逡巡しているうちに、もう一人の男が口を開いた。
「…俺は、コンバ・ソムニフェルム。」
多少の目つきの悪さは軽減されたろうか。だがホラーゲームの脅かし役にも負けない不気味さを誇っている。その原因はやはりその目にあろうか、白目は鴉の羽のように黒く染まっており、瞳の色は血潮とでも例える方が適切であろう鈍い赤。悪い奴ではなさそうだが色々と勘違いされることは多いだろう。
「一応紹介しておこう。私の名前はヒノさ。よろしくね。」
軽く会釈をすると、がらりとその扉を閉めた。確かに、一歩間違えれば物理的に踏んだり蹴ったりを実行しそうな男である。私が返ってきたことを認識したラバンは、私を不安げな瞳で見つめ上げた。
「どーやったん? 仲よぉ出来そうか?」
「ああ…まあね。」
確かにガラは悪いが、[漢字]クイ[/漢字][ふりがな]あの狂信者[/ふりがな]よりかはよっぽど話が通じそうだ。きっとこいつらと住んでいる時点で根っからの善性であろうし。
「マジか! ならあとは…ま、ストとなら仲良く出来るだろ。だってあいつ優しいし。」
一安心、とラクは胸を撫でおろした。
「ストさんならば…真剣を出す必要性はないでしょうね。」
相手への不敬に対して『暴力で制する』という選択肢があるだけで可笑しいのだが、ツッコむことすら疲れてしまったのかもう誰も話題に触れやしない。すると、ソーンサンがすぐさま口を開く。
「ヒノは不安かもだから、ストがどんな人なのか紹介しておこっか!」
「ストはねー、誰よりもいい人なの。みんなのお母さんみたい。どんな人でも受け入れてくれる人。優しい、って点だけじゃリタと似てるよね。こんなにすぐ斬りかかろうとはしないけどサ。」
冗談交じりにソーンサンはケラケラ笑った。一瞬、リタサンが不満げな表情を浮かべたが「フフ、確かにそうですね。彼は暴力という言葉から最も程遠いかもしれません。」という同意の言葉を述べた。自らに暴力的だという自覚があるのならば、直してもいいはずなのだが。そんな言葉が喉どころか口内まで這い出てきていたが、強制的に嚥下した。
「…ふうん、そんなにいい人なのかい。逆に、あんまり想像出来ないな。」
私がそういう人間に触れ合ったがあまりないという事実も、そして明らかな傾向として基本内面で溜めすぎていたり上っ面だけいい屑だったりする。どうしても腹の内を探ってしまう私からすれば、きっと相性最悪の人間だろう。どんなに善だったとしても。ラバンは同意と反対を混ぜこぜにしたような声色で、私に笑いかけた。
「マジに漫画とかで出てきそうな善人やしな、しゃーないわ。」
「自己犠牲とかよくしてっからな、アイツ。…心配になるタイプだしよ…無理してねーか怖いんだよな。」
ラクはどこか寂し気な瞳をしていた。過去にしがらみがあるのだろうか、だがそれに誰も触れやしない。何気ないまま会話は続いて行く。
「まあ、そんな人でも支え共に生きていくのがわたくし達でございますから。無理に助ける必要などございません。彼はきっと……助けられるという事に、罪悪感を抱いてしまうでしょうから。」
すとん、と笑みが抜け落ちた。リタサンは優しい表情をしており慈しむようなものを浮かべている。直接は言われていないものの、暴力的だのなんだの罵倒されていた同一人物とは到底思えない。
「……ちょっとさァ、やめにしね? 吹っ掛けた俺が言うのも何なんだけどさ。ヒノちいっと気まずそうだし、分かってねーからつまんないだろうし……。」
「あ、ごめんねヒノ。ついつい話し込んじゃってさ。」
「大丈夫さ。大して気にしてはいない。というか、彼は起きてこないのかい? ええと……名前は……。」
「ストは…多分遊び行っちゃったかな。帰ってきたら顔合わせてみなよ。」
ソーンサンは何となくという様子で言葉を紡いだ。随分とアグレッシブな人なのだろうか。オタクにも優しいギャル、みたいなタイプかもしれない。
「へえ。それならば待っておこうか。私もゆっくりしておくよ。」
スト。どんな人物なのかはよく分からないにして、きっとただでさえ優しい彼らが絶賛するぐらいなのだからきっとよっぽどな人であろう。私やアイツらにはなかった何かを持っているような人なのかもしれない。自己犠牲だとか、慈悲だとかなんだとか。
そうして話し込んでいるうちに、リタサンが連れてきたのであろう女性が一名眠気眼を擦っていた。
「…おはよ…って、ヒノ…だっけ? こんにちは~! うちはソーン! よろしくね!!」
朝から声を張っているのは、可愛らしい桃色の髪に薄紫のメッシュが入っている少女。その長髪をふわりと靡かせながら、軽い足取りで洗面台に向かった。花のように可憐でその笑顔は万物を癒す神の光のようである。
「ああ、よろしく…その様子だと、名前は知っているらしいね。」
「うん! リタがいっぱい話してくれたからね!」
いつの間にか自分を知られている、という経験は何度かあるので苦なんかではない。だって私も元軍人だ。有名人になったことなんかいくらでもある。
「…あ、そーいやさ。ホリーとコンバどこ行ったの? ビニコン?」
「恐らく…ベランダにいるのだと。煙草でも吸っているんじゃないでしょうか。」
リタサンは大きな硝子を指さした。少しぼんやりとしているが、かろうじて二つ分の物陰が見える。赤髪の者と、青髪の者。性別は分からないが、どうやら二人でくつろいでいるようだ。
「……ならば、挨拶ぐらいしてこようか。」
重い腰を上げるとラバンが気まずそうに笑いながら口を開いた。
「あ、ちょっと気ィつけや。どっちもちょっとガラ悪いしな。片方反社やし。なんかカツアゲでもされたら[漢字]言[/漢字][ふりがな]ゆ[/ふりがな]うてや。[漢字]ラク[/漢字][ふりがな]こいつ[/ふりがな]が助けてくれるわ。」
「俺ェ!? あとどっちもやるタイプじゃねえだろ!? …ガチギレしない限り。」
「不穏だとしか言いようのない言葉が聞こえたが。」
お調子者で元気があるのはいい。なぜこうも不安を煽るような言葉を紡ぐのだ。そんなちょこっとだけ気まずい雰囲気を打ち破るように、リタサンは満面の笑みでそして明るい声で笑った。
「大丈夫でしょう! 昨日のうちに釘は刺しておきましたから。…もし暴力を振るったのならば…お灸を据えて差し上げないとなりませんね。」
「…どついたるなや。」
「乱暴はあまり好みませんからね。流石にそんな事はしませんよ。」
その笑顔の裏には、一体何が潜んでいるというのだ。そもそもの話、私を襲撃した際刀を携帯していたではないか。あまりにも暴力で解決しようとしていたにも関わらず平和主義者とこいつは言っている。
「…嘘じゃん。」
『リタはそうだよ!』とでも言いそうであったソーンサンさえも、彼に冷たい視線を送っていた。ここまで信用されていないとなると、住み着いている野良猫や野良犬でもいじめているのではないか。どこまでも嘘くさく、演技っぽい彼は笑みを絶やさず言い放った。
「嘘じゃありませんよ! わたくしめは絶対に嘘を吐きませんからね。生を受けてから一度も暴力を振るった事などございません!」
洒落なのか、マジなのか。
「…ヒノくんの教育に悪いぜ、リタァ。」
ここまで宥められた挙句疑われるリタサン。ラクすら疑いの視線を向け少しばかり顔を顰めてしまっている。どれだけ普段から暴力的なのだろうか。
「そうでございましょうか?」
にこやかで爽やかな笑み。だが何か黒いインクのようなものが沁み込んでいるように見えた。
「…あー、早速行ってくるよ。待っておいておくれ。」
ちょっとだけ重い腰を上げると、その人影が存在する方向へ私は脚を運ばせる。ノックはいらないだろうか、引き戸をガラガラと開けると煙草の独特な臭いが鼻を衝いた。
「…誰だ。」
鋭い声、そして同じように鋭い視線。声は一つ、そして視線は二つ。それが私を貫く。
「あー…新入りのヒノさ。新入り、という表現が正しいのかはわからないがね。」
「あ、お前なんだ。ふぅん。」
青髪の青年が興味なさげに呟いた。意外だ、と言わんばかりの視線で赤髪の男も見つめてくる。体格だけであればクイと同等であろう巨人がその異様な瞳で。
「…俺のこれは生まれつきだ。そういう趣味じゃねえ。」
やっと口を開いたかと思えば、それは弁明。所謂奇形児という奴だろうか、白目が真っ黒に染まっている。もしここが小さな村であるならば彼とその家族もろとも村八分に遭っていただろう。
「ああ、こいつコンプレックスなんだよ。目がな。気にしないでやってくれ。」
冗談っぽく彼は笑いかけた。だが、そんな彼と対照的に赤色の髪の青年は彼を睨みつけている。少々小突きながら、彼はこうドスを効かせて言った。
「…黙れ。」
「あァ? そうでもしねえとお前も落ち着かないだろ。コンバ。」
「それでも、てめーの口から話す義理なんざねえ。」
険悪な雰囲気が嫌というほどベランダに充満する。煙を吸ったわけでも、そもそも喘息持ちでも風邪でもないのにイガイガとした何かが喉を通り過ぎていく。
「コンバ。新入りのヒノくんが見てんだ。喧嘩は後でやろうや。リタに怒られる前提でな。言っておく。俺の名前はホリー・タイト・ルーベル。ま、仲良くしてくれよ。」
わざとらしく彼は肩に手を回してきた。どこか馴れ馴れしい雰囲気を持っている油断出来そうにない男である。リタサンに追い出されていないという事は、根はいい奴なのかもしれないが。逡巡しているうちに、もう一人の男が口を開いた。
「…俺は、コンバ・ソムニフェルム。」
多少の目つきの悪さは軽減されたろうか。だがホラーゲームの脅かし役にも負けない不気味さを誇っている。その原因はやはりその目にあろうか、白目は鴉の羽のように黒く染まっており、瞳の色は血潮とでも例える方が適切であろう鈍い赤。悪い奴ではなさそうだが色々と勘違いされることは多いだろう。
「一応紹介しておこう。私の名前はヒノさ。よろしくね。」
軽く会釈をすると、がらりとその扉を閉めた。確かに、一歩間違えれば物理的に踏んだり蹴ったりを実行しそうな男である。私が返ってきたことを認識したラバンは、私を不安げな瞳で見つめ上げた。
「どーやったん? 仲よぉ出来そうか?」
「ああ…まあね。」
確かにガラは悪いが、[漢字]クイ[/漢字][ふりがな]あの狂信者[/ふりがな]よりかはよっぽど話が通じそうだ。きっとこいつらと住んでいる時点で根っからの善性であろうし。
「マジか! ならあとは…ま、ストとなら仲良く出来るだろ。だってあいつ優しいし。」
一安心、とラクは胸を撫でおろした。
「ストさんならば…真剣を出す必要性はないでしょうね。」
相手への不敬に対して『暴力で制する』という選択肢があるだけで可笑しいのだが、ツッコむことすら疲れてしまったのかもう誰も話題に触れやしない。すると、ソーンサンがすぐさま口を開く。
「ヒノは不安かもだから、ストがどんな人なのか紹介しておこっか!」
「ストはねー、誰よりもいい人なの。みんなのお母さんみたい。どんな人でも受け入れてくれる人。優しい、って点だけじゃリタと似てるよね。こんなにすぐ斬りかかろうとはしないけどサ。」
冗談交じりにソーンサンはケラケラ笑った。一瞬、リタサンが不満げな表情を浮かべたが「フフ、確かにそうですね。彼は暴力という言葉から最も程遠いかもしれません。」という同意の言葉を述べた。自らに暴力的だという自覚があるのならば、直してもいいはずなのだが。そんな言葉が喉どころか口内まで這い出てきていたが、強制的に嚥下した。
「…ふうん、そんなにいい人なのかい。逆に、あんまり想像出来ないな。」
私がそういう人間に触れ合ったがあまりないという事実も、そして明らかな傾向として基本内面で溜めすぎていたり上っ面だけいい屑だったりする。どうしても腹の内を探ってしまう私からすれば、きっと相性最悪の人間だろう。どんなに善だったとしても。ラバンは同意と反対を混ぜこぜにしたような声色で、私に笑いかけた。
「マジに漫画とかで出てきそうな善人やしな、しゃーないわ。」
「自己犠牲とかよくしてっからな、アイツ。…心配になるタイプだしよ…無理してねーか怖いんだよな。」
ラクはどこか寂し気な瞳をしていた。過去にしがらみがあるのだろうか、だがそれに誰も触れやしない。何気ないまま会話は続いて行く。
「まあ、そんな人でも支え共に生きていくのがわたくし達でございますから。無理に助ける必要などございません。彼はきっと……助けられるという事に、罪悪感を抱いてしまうでしょうから。」
すとん、と笑みが抜け落ちた。リタサンは優しい表情をしており慈しむようなものを浮かべている。直接は言われていないものの、暴力的だのなんだの罵倒されていた同一人物とは到底思えない。
「……ちょっとさァ、やめにしね? 吹っ掛けた俺が言うのも何なんだけどさ。ヒノちいっと気まずそうだし、分かってねーからつまんないだろうし……。」
「あ、ごめんねヒノ。ついつい話し込んじゃってさ。」
「大丈夫さ。大して気にしてはいない。というか、彼は起きてこないのかい? ええと……名前は……。」
「ストは…多分遊び行っちゃったかな。帰ってきたら顔合わせてみなよ。」
ソーンサンは何となくという様子で言葉を紡いだ。随分とアグレッシブな人なのだろうか。オタクにも優しいギャル、みたいなタイプかもしれない。
「へえ。それならば待っておこうか。私もゆっくりしておくよ。」
スト。どんな人物なのかはよく分からないにして、きっとただでさえ優しい彼らが絶賛するぐらいなのだからきっとよっぽどな人であろう。私やアイツらにはなかった何かを持っているような人なのかもしれない。自己犠牲だとか、慈悲だとかなんだとか。