二次創作
イカれたメンバーを紹介するぜ!
「………とりあえず受け取ってしまったが……どうしようか、これ。」
床にドンと居座り、存在感を放っているのはケーキとその他食品、どれもお祝いに出されがちなものが詰められている段ボールであった。中身はどれも既製品であり、これでもかというぐらい綺麗に梱包されている。
「こっちの段ボールにはパーティ用品大量にあったっすけど……。」
レノがもう一つの段ボールを探りながら報告する。パーティーハットにクラッカー、カラフルな飾り付けに『1st anniversary』を表す風船が封入されていた。ついでに派手な紙コップと紙皿。あまりにも何かを祝う準備であり、その道具が一式送り付けられていると言っても過言ではない。
「何が一周年を迎えた、と言いたいんでしょうか…? 今日は、何の日でもないはずなのですが……。」
「…いやはや、一切の意図が分からなくなってきたね………なぜ、こんな事をするのだ?」
意図すらも差出人すらも分からないそれ。食品がある、という事も相まり彼らの警戒心を強めていく。
「…こっちの段ボール内容物だけ確認させておくれ。ちょっと気になるしね。…まあ、食品だし…抵抗感こそあるけどね……。」
ヒノが恐る恐る内容物を取り出していくとケーキだけではなく、アイスクリームやフライドチキン、ポテトサラダやソフトドリンク。その他食品も含めれば、大分な量がそれに入っている。そして、食物を段ボールから出していると、底に手紙が一枚落ちていた。
「…なんでしょうか。これは。やはり、まるごと全て燃やしてしまう方がいいのではないでしょうか。」
クイが警戒した様子でそれを見下す。その手紙はシーリングスタンプで留められており、綺麗な包み紙に入れられてきちんとした真心が籠っている様子であった。そんなものを、慎重に開封してみる。手紙を開いてみると、『おめでとう』という人事だけが書かれていた。
「おめでとう…? 益々気味が悪い……理解が出来ない、とこれほどに感じたのは久しぶりだね……。」
「一周年を迎えておめでとう、とでも言いたいのか?」。カノが何となく推理をしてみるが、一切思い当たる節などはない。それどころか去年は祝われておらず、今年から突然『一周年おめでとう』と言われたのだ。あまりにも何もなく、意味の分からない現象である。
「毒か何か盛られてるんじゃないですかね…? でも、それならパーティー用品まるごと送り付けてくる意味がないですよね……しかも高級品だし……それに、殺害する為に送ってきたとするなら、もっと分かりにくいものにするはずですよね…。」
「…まぁ、これは捨てておこう。警戒しておくに越したことはない。」
ノアが段ボールの蓋をそっと閉じ、深く息をついた。
「…だが、これを贈ってきたのは…わたし達をよく知っている人物だ、という事は間違いないだろう。贈ってきたという事は住所はもちろん、人数すらも把握している…と考えるのがいいだろう。」
「あの漫画家かな?」
「…恐らく、アレならばもっと自分である事をアピールするかとボクは考えます。」
「確かに、それもそうか…尚更検討がつかないなァ…。」
「そもそも、差出人が分からないっすよね。欄が塗りつぶされている、というか…文字としては何か書いてあるんすけど……。」
レノの視線の先には、数多の筆跡と何重にもなっている名前。文字とは認識出来るも、名前としては不自然であり画家や小説家のペンネームに近しい浮世離れした名である。
「…気持ち悪りィなァ。」
ついつい本音が漏れてしまった様子で、クイが表情を歪めた。元々不審なものが届いたという時点で眉間に皺を寄せ身体がこわばっていた彼は、更なる理解のしようのなさに段ボールからノアとカノ、ヒノの三人をいざとなった時守ろうと一歩踏み出した。
「これ……処分しようか。家に置いておくのも気味が悪い…。」
ノアが息をつきながら、そっと段ボールの蓋を閉じる。
「そうだ、食品は燃やして、パーティー用品も一緒に燃やそう。最近暇で作った火炎放射器があるんだ。」
ヒノが自慢げに解説をする。兄さんの事だから、威力も尋常ではないのだろうなという視線をノアとカノに送られている事に気付いた彼は、補足を更に追加していった。
「大丈夫さ! 威力は使いやすいように抑え気味にしてある。地下室が燃えて火事にならないぐらいの威力だよ!」
「あ~…まあ、それならばまだマシだね…。」
一度ヒノはロケットランチャーで山をぶち抜いた事がある為、あまり兵器の開発や改造に関しては信頼されていない。彼が扱い作るものは基本威力が過剰であり常用出来そうにないものが多いからである。
「…全部燃やす、という方針で…宜しいのでしょうか? ならばこのボク、お手伝いいたしましょう。」
「一応まだ危険は潜んでおりますから、段ボールの持ち運びはボクにお任せください。」
相変わらずの忠誠を彼は見せつけており、絶対に怪我はさせまいという強い意志を放っている。それに乗るようにして、レノも口を開いた。
「僕も手伝いますよ! あんまり、役には立たないかもですけど……。」
「ああ、ありがとう、二人共。甘えさせてもらうよ。」
処分する方針を決めながら、五人で話を進めていく。段ボール二箱を地下室に運び込んでから、ゆっくりする為各々寝転んだり椅子についたりした。誰もが少々疲弊している様子で、あまり喋らない。
「でも……お腹が、空きましたね………。」
クイがにっこり、困ったように笑った。それに賛同するよう、ノアも身体を起こす。
「ンー…じゃあ、ケーキでも買いに行こうか。みんなで一緒にね。」
「僕プリン食べたいっす!」
「じゃあ、ボクはチーズケーキを……。」
「まあ、好き勝手買えばいいではないか! 今日はちょっとしたパーティーとしてね!」
「じゃあ他にも何か買っていこうよ。ジャンクフードとかさ。」
「今日の晩御飯は決まりだね。今日は賑やかになりそうだ。」
床にドンと居座り、存在感を放っているのはケーキとその他食品、どれもお祝いに出されがちなものが詰められている段ボールであった。中身はどれも既製品であり、これでもかというぐらい綺麗に梱包されている。
「こっちの段ボールにはパーティ用品大量にあったっすけど……。」
レノがもう一つの段ボールを探りながら報告する。パーティーハットにクラッカー、カラフルな飾り付けに『1st anniversary』を表す風船が封入されていた。ついでに派手な紙コップと紙皿。あまりにも何かを祝う準備であり、その道具が一式送り付けられていると言っても過言ではない。
「何が一周年を迎えた、と言いたいんでしょうか…? 今日は、何の日でもないはずなのですが……。」
「…いやはや、一切の意図が分からなくなってきたね………なぜ、こんな事をするのだ?」
意図すらも差出人すらも分からないそれ。食品がある、という事も相まり彼らの警戒心を強めていく。
「…こっちの段ボール内容物だけ確認させておくれ。ちょっと気になるしね。…まあ、食品だし…抵抗感こそあるけどね……。」
ヒノが恐る恐る内容物を取り出していくとケーキだけではなく、アイスクリームやフライドチキン、ポテトサラダやソフトドリンク。その他食品も含めれば、大分な量がそれに入っている。そして、食物を段ボールから出していると、底に手紙が一枚落ちていた。
「…なんでしょうか。これは。やはり、まるごと全て燃やしてしまう方がいいのではないでしょうか。」
クイが警戒した様子でそれを見下す。その手紙はシーリングスタンプで留められており、綺麗な包み紙に入れられてきちんとした真心が籠っている様子であった。そんなものを、慎重に開封してみる。手紙を開いてみると、『おめでとう』という人事だけが書かれていた。
「おめでとう…? 益々気味が悪い……理解が出来ない、とこれほどに感じたのは久しぶりだね……。」
「一周年を迎えておめでとう、とでも言いたいのか?」。カノが何となく推理をしてみるが、一切思い当たる節などはない。それどころか去年は祝われておらず、今年から突然『一周年おめでとう』と言われたのだ。あまりにも何もなく、意味の分からない現象である。
「毒か何か盛られてるんじゃないですかね…? でも、それならパーティー用品まるごと送り付けてくる意味がないですよね……しかも高級品だし……それに、殺害する為に送ってきたとするなら、もっと分かりにくいものにするはずですよね…。」
「…まぁ、これは捨てておこう。警戒しておくに越したことはない。」
ノアが段ボールの蓋をそっと閉じ、深く息をついた。
「…だが、これを贈ってきたのは…わたし達をよく知っている人物だ、という事は間違いないだろう。贈ってきたという事は住所はもちろん、人数すらも把握している…と考えるのがいいだろう。」
「あの漫画家かな?」
「…恐らく、アレならばもっと自分である事をアピールするかとボクは考えます。」
「確かに、それもそうか…尚更検討がつかないなァ…。」
「そもそも、差出人が分からないっすよね。欄が塗りつぶされている、というか…文字としては何か書いてあるんすけど……。」
レノの視線の先には、数多の筆跡と何重にもなっている名前。文字とは認識出来るも、名前としては不自然であり画家や小説家のペンネームに近しい浮世離れした名である。
「…気持ち悪りィなァ。」
ついつい本音が漏れてしまった様子で、クイが表情を歪めた。元々不審なものが届いたという時点で眉間に皺を寄せ身体がこわばっていた彼は、更なる理解のしようのなさに段ボールからノアとカノ、ヒノの三人をいざとなった時守ろうと一歩踏み出した。
「これ……処分しようか。家に置いておくのも気味が悪い…。」
ノアが息をつきながら、そっと段ボールの蓋を閉じる。
「そうだ、食品は燃やして、パーティー用品も一緒に燃やそう。最近暇で作った火炎放射器があるんだ。」
ヒノが自慢げに解説をする。兄さんの事だから、威力も尋常ではないのだろうなという視線をノアとカノに送られている事に気付いた彼は、補足を更に追加していった。
「大丈夫さ! 威力は使いやすいように抑え気味にしてある。地下室が燃えて火事にならないぐらいの威力だよ!」
「あ~…まあ、それならばまだマシだね…。」
一度ヒノはロケットランチャーで山をぶち抜いた事がある為、あまり兵器の開発や改造に関しては信頼されていない。彼が扱い作るものは基本威力が過剰であり常用出来そうにないものが多いからである。
「…全部燃やす、という方針で…宜しいのでしょうか? ならばこのボク、お手伝いいたしましょう。」
「一応まだ危険は潜んでおりますから、段ボールの持ち運びはボクにお任せください。」
相変わらずの忠誠を彼は見せつけており、絶対に怪我はさせまいという強い意志を放っている。それに乗るようにして、レノも口を開いた。
「僕も手伝いますよ! あんまり、役には立たないかもですけど……。」
「ああ、ありがとう、二人共。甘えさせてもらうよ。」
処分する方針を決めながら、五人で話を進めていく。段ボール二箱を地下室に運び込んでから、ゆっくりする為各々寝転んだり椅子についたりした。誰もが少々疲弊している様子で、あまり喋らない。
「でも……お腹が、空きましたね………。」
クイがにっこり、困ったように笑った。それに賛同するよう、ノアも身体を起こす。
「ンー…じゃあ、ケーキでも買いに行こうか。みんなで一緒にね。」
「僕プリン食べたいっす!」
「じゃあ、ボクはチーズケーキを……。」
「まあ、好き勝手買えばいいではないか! 今日はちょっとしたパーティーとしてね!」
「じゃあ他にも何か買っていこうよ。ジャンクフードとかさ。」
「今日の晩御飯は決まりだね。今日は賑やかになりそうだ。」