二次創作
イカれたメンバーを紹介するぜ!
side ノア
わたしは、死んだ。みんなまとめて戦死した。公衆の面前でヘドをぶちまけたみてーな屈辱感にわたしは包まれて死んでしまった。だが、このわたしが望んでいた『死後の世界はどうなっているのか』という好奇心を満たしてくれたのは感謝している。死後の世界というものが存在しないという事が証明されたのも十分だ。そしてわたしは転生したのだが…
「…この世界でも兄弟だとは…奇妙な運命だね。」
わたしの目の前にいるのは、既視感がある二人。片方は黒髪でポニーテールの青年に、もう片方は黒髪でサイドテールの青年だ。
「名前も変わっていないとはね。運命のいたずらとでもいうべきだろうか?」
カノが楽しそうに笑っている。まあ、前世の記憶がある状態で他の生っちょろいマヌケどもと生活するという事はきっと気苦労になっただろう。それにしても見ている景色が同じというものは暇だ。外見ぐらい変わっていればよかったものの。
「逆に面白いじゃないか。とても興味深い!」
ヒノ兄さんはけらけらと楽しそうに笑っている。それはそうだ。まさかこんなところでも出会ってしまうとは。この世界は前の世界とは全く違う。それを楽しむ事はきっと大事だろう。今世はどんなシナリオを歩もうか。とても楽しそうだ。
「…そうだね。楽しもうじゃないか!」
クイとレノもいるのだろうか。それは気になってしまう。外見は変わっているのか。変わっていないのならば、前世と同じように五人でシェアハウス、というのも悪くないのかもしれない。まずはどこにあいつらがいるのか調べなくては。その前に、学校に行かなければならない。中高一貫校で、それなりに有名っちゃ有名な学校だ。遅刻してあとが面倒臭くなる前に早く行かなければならない。
・・・
side クイ
「…ノア様とカノ様とヒノ様は。」
ボク様は死んで転生した後、いつもそれを考えていた。ノア様とカノ様とヒノ様がどうしているのかを。あの人達も死んでしまったのだろうか。それが気になって気になってしょうがない。外見はお変わりになられているのだろうか。ただの一般家庭で育ち前世と同じ年齢である十七歳になった。未だにノア様にもカノ様にもヒノ様にもレノにも出会えていない。
「…面倒だなァ。」
ボク様が通っている高校は中高一貫校。今日も大してやる事はないが、リュックを背負って高校へと足を運ばせる。ノア様とカノ様とヒノ様がそう簡単に死んでしまうはずがない。だからきっとボク様とは巡り合えないのだろう。そう心をコントロールさせながら、ボク様は青空の下を歩いた。
「孤児…ってモンも中々に面倒だなァ。」
ボク様はこの世界では孤児だ。無駄にデカい図体のおかげでいじめられる事はない。だが、金の面が心配だ。この国、日本では漢字、というものを使って名前を表すらしい。前のように『クイ・オーダー』という名前ではなく『[漢字]秩父[/漢字][ふりがな]ちちぶ[/ふりがな] [漢字]玖伊[/漢字][ふりがな]くい[/ふりがな]』という名前になっている。だが、ボク様はハーフでイタリアという国と日本人のハーフらしい。だからか、前世と顔立ちがあまり変わっていないのだ。
「やる事が、ねェなァ。」
知り合いがいないというものは意外にも暇らしい。この世で実感出来た。やっとボク様は自分が少し寂しがり屋だという事を自覚する事となった。暇つぶしがてらに、學校にでも行こう。
・・・
side レノ
知り合いがいない。僕の身の回りにいたはずの人はみないなくなってしまった。だが、死にたくはない。今日も足取りが重いが学校に向かうしかないのだ。気怠いが、今日も生きるしか道は残されていない。
「…クイ兄貴も、ノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も元気かなぁ。」
憎らしいほどにライトブルーの空を見上げながら、僕はコンクリートの道を歩く。電線の上にはのんきに小鳥が止まっている。今日も同じような生活を送るのだろう。暇で暇でしょうがない。
・・・
もう昼だ。ちょっとした友達と話して、授業を受けて、ちょっと絵画を描いて…繰り返しているのはそれだけ。毎日それだけだが、絵画を描いている時間だけは幸せ。ただ淡々とその目の前の事象だけに集中出来るから。完全なる現実逃避だというぐらい知っているが、今はそれだけでいいのだ。
「やばッ…購買行かないと!」
いつもうちの学校は購買の協商率が無駄に高いのだが、今日は寝坊してしまいお弁当を作れなかったのだ。下手したらお昼ご飯抜きなどという危機的状態になってしまう。成長期の男子高校生なのに。僕は走った。今日のお昼ご飯の為に。
・・・
うーん、非常にヤバい。今日は本当にお昼ご飯抜きになってしまうかもしれない。人混みはきっと抜けられないだろう。あまりにもみちみちに詰まりすぎている。まあ、元々は寝坊してしまった僕のせいなのだから、ここは大人しく諦めておいた方がよいだろう。そう踵を返そうとした時、前方にいる人物に視線が留まった。
「…っは?」
僕の目の前にいるのは、かつて僕が『兄貴』と呼び慕っていた相手であるクイ兄貴だった。相変わらずの黒髪。今世でも染めているのだろうか。そうふと考えた時、もうすでに脚は動いていた。僕は廊下を走る。クイ兄貴を見失ってしまわぬ前に。
「クイ兄貴ッ!!」
いつの間にか、僕の口からはそれがあふれていた。
わたしは、死んだ。みんなまとめて戦死した。公衆の面前でヘドをぶちまけたみてーな屈辱感にわたしは包まれて死んでしまった。だが、このわたしが望んでいた『死後の世界はどうなっているのか』という好奇心を満たしてくれたのは感謝している。死後の世界というものが存在しないという事が証明されたのも十分だ。そしてわたしは転生したのだが…
「…この世界でも兄弟だとは…奇妙な運命だね。」
わたしの目の前にいるのは、既視感がある二人。片方は黒髪でポニーテールの青年に、もう片方は黒髪でサイドテールの青年だ。
「名前も変わっていないとはね。運命のいたずらとでもいうべきだろうか?」
カノが楽しそうに笑っている。まあ、前世の記憶がある状態で他の生っちょろいマヌケどもと生活するという事はきっと気苦労になっただろう。それにしても見ている景色が同じというものは暇だ。外見ぐらい変わっていればよかったものの。
「逆に面白いじゃないか。とても興味深い!」
ヒノ兄さんはけらけらと楽しそうに笑っている。それはそうだ。まさかこんなところでも出会ってしまうとは。この世界は前の世界とは全く違う。それを楽しむ事はきっと大事だろう。今世はどんなシナリオを歩もうか。とても楽しそうだ。
「…そうだね。楽しもうじゃないか!」
クイとレノもいるのだろうか。それは気になってしまう。外見は変わっているのか。変わっていないのならば、前世と同じように五人でシェアハウス、というのも悪くないのかもしれない。まずはどこにあいつらがいるのか調べなくては。その前に、学校に行かなければならない。中高一貫校で、それなりに有名っちゃ有名な学校だ。遅刻してあとが面倒臭くなる前に早く行かなければならない。
・・・
side クイ
「…ノア様とカノ様とヒノ様は。」
ボク様は死んで転生した後、いつもそれを考えていた。ノア様とカノ様とヒノ様がどうしているのかを。あの人達も死んでしまったのだろうか。それが気になって気になってしょうがない。外見はお変わりになられているのだろうか。ただの一般家庭で育ち前世と同じ年齢である十七歳になった。未だにノア様にもカノ様にもヒノ様にもレノにも出会えていない。
「…面倒だなァ。」
ボク様が通っている高校は中高一貫校。今日も大してやる事はないが、リュックを背負って高校へと足を運ばせる。ノア様とカノ様とヒノ様がそう簡単に死んでしまうはずがない。だからきっとボク様とは巡り合えないのだろう。そう心をコントロールさせながら、ボク様は青空の下を歩いた。
「孤児…ってモンも中々に面倒だなァ。」
ボク様はこの世界では孤児だ。無駄にデカい図体のおかげでいじめられる事はない。だが、金の面が心配だ。この国、日本では漢字、というものを使って名前を表すらしい。前のように『クイ・オーダー』という名前ではなく『[漢字]秩父[/漢字][ふりがな]ちちぶ[/ふりがな] [漢字]玖伊[/漢字][ふりがな]くい[/ふりがな]』という名前になっている。だが、ボク様はハーフでイタリアという国と日本人のハーフらしい。だからか、前世と顔立ちがあまり変わっていないのだ。
「やる事が、ねェなァ。」
知り合いがいないというものは意外にも暇らしい。この世で実感出来た。やっとボク様は自分が少し寂しがり屋だという事を自覚する事となった。暇つぶしがてらに、學校にでも行こう。
・・・
side レノ
知り合いがいない。僕の身の回りにいたはずの人はみないなくなってしまった。だが、死にたくはない。今日も足取りが重いが学校に向かうしかないのだ。気怠いが、今日も生きるしか道は残されていない。
「…クイ兄貴も、ノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も元気かなぁ。」
憎らしいほどにライトブルーの空を見上げながら、僕はコンクリートの道を歩く。電線の上にはのんきに小鳥が止まっている。今日も同じような生活を送るのだろう。暇で暇でしょうがない。
・・・
もう昼だ。ちょっとした友達と話して、授業を受けて、ちょっと絵画を描いて…繰り返しているのはそれだけ。毎日それだけだが、絵画を描いている時間だけは幸せ。ただ淡々とその目の前の事象だけに集中出来るから。完全なる現実逃避だというぐらい知っているが、今はそれだけでいいのだ。
「やばッ…購買行かないと!」
いつもうちの学校は購買の協商率が無駄に高いのだが、今日は寝坊してしまいお弁当を作れなかったのだ。下手したらお昼ご飯抜きなどという危機的状態になってしまう。成長期の男子高校生なのに。僕は走った。今日のお昼ご飯の為に。
・・・
うーん、非常にヤバい。今日は本当にお昼ご飯抜きになってしまうかもしれない。人混みはきっと抜けられないだろう。あまりにもみちみちに詰まりすぎている。まあ、元々は寝坊してしまった僕のせいなのだから、ここは大人しく諦めておいた方がよいだろう。そう踵を返そうとした時、前方にいる人物に視線が留まった。
「…っは?」
僕の目の前にいるのは、かつて僕が『兄貴』と呼び慕っていた相手であるクイ兄貴だった。相変わらずの黒髪。今世でも染めているのだろうか。そうふと考えた時、もうすでに脚は動いていた。僕は廊下を走る。クイ兄貴を見失ってしまわぬ前に。
「クイ兄貴ッ!!」
いつの間にか、僕の口からはそれがあふれていた。